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藤沢駅北口商店街 聴覚障害のバリア解消へ 「同じ瞬間に笑い合える社会に」

タウンニュース

音声認識機器を使って対面で会話する小野田社長。透明なディスプレイにスムーズに文字が表示される

藤沢駅北口にある商店街の一部店舗で、話した内容をAI技術を用いて自動で文字変換し、

コミュニケーションを助ける音声認識機器の実証実験が今月から始まった。社会課題の解決に主体的に取り組むボランティア団体などの活動を支援する「かながわボランタリー活動推進基金21」の採択事業として、県と(一社)4Hearts(茅ヶ崎市)が協働で実施。耳が聞こえない、聞こえにくいなどの理由で日常生活に困難を抱える人に、協力店舗に設置された機器を利用してもらう。アンケート結果を分析した上で、情報伝達や意思疎通のバリア解消への取り組みに役立てたい考えだ。9月30日(月)まで。

「同じ瞬間に笑い合える社会に」

機器が設置されたのは、藤沢銀座土曜会・柳通り睦会・遊行通り4丁目商店街・遊行通5丁目商店会にある10店舗。

その一つ、1912年に創業した藤沢ミシン商会の小野田努社長によると、これまで聴覚障害のある人や耳が遠い高齢者を接客する機会も多く、同店には手話ができるスタッフが在籍しているものの、当然手話ができないスタッフもおり、筆談やジェスチャーで対応する場面もあった。また、唇の動きから言葉を読み取る「読唇術」を使う聴覚障害者が来店することもあるが、見た目ではなかなか分かりにくく、コロナ禍でスタッフがマスクを着用していたため、コミュニケーションを図るまで時間が掛かったこともあったという。

実証実験が始まったばかりの2日には、スペイン語を話す外国人が来店した。機器には翻訳機能も付いており、問題なく接客できたことも踏まえ、小野田社長は「便利な世の中になった。困った人を助けるため、もっと普及してもらえれば」と期待感をにじませた。

2020年5月に設立した4Heartsは、聴覚・視覚・発達障害者や子どもなど情報コミュニケーションバリアに直面する人を支援する民間企業。テクノロジーを駆使し、障害福祉の枠組みを超えた包摂的なまちづくりを通じ、相手の事情を一歩想像し合える社会の実現を目指している。

那須かおり代表自身も先天性重度聴覚障害のある当事者。実証実験について「単なる設備ではなく、新しいコミュニケーションの懸け橋として捉え、誰もが同じ瞬間に笑い合える社会になれば」とコメントした。

設置店は同店ほか、ホテルウィングインターナショナル湘南藤沢、LiNABeautyGarden(美容院)、なお吉藤沢店(居酒屋)、ブーランジェリーユイ藤沢北口店(パン屋)、肉屋喜平、RiCCO(靴屋)、大島薬局本店、和田屋(質屋)、藤沢南仲通郵便局。県聴覚障害者福祉センターも近くにある。アンケート協力者には「ふじキュン×4Hearts」オリジナルステッカーが贈られる。

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