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長嶋茂雄さん、松井秀喜さんのエピソードも盛りだくさん! 巨人ミレニアム打線を牽引したヒットメーカー清水隆行さんが初登場!【「ラブすぽ」トークショーレポート】

ラブすぽ

長嶋茂雄さん、松井秀喜さんのエピソードも盛りだくさん! 巨人ミレニアム打線を牽引したヒットメーカー清水隆行さんが初登場!【「ラブすぽ」トークショーレポート】

2000年初頭の読売ジャイアンツ、ミレニアム打線を牽引した清水隆行さんが『ラブすぽ』に初登場! 長嶋茂雄さんや松井秀喜さんの話など、とにかく盛りだくさんの120分!

プロ野球の現役選手やOBの方をゲストにお招きして行っているリアルトークイベント『ラブすぽ』。2月に入りプロ野球も全チームがキャンプインの最中、ジャイアンツミレニアム打線を牽引した稀代のヒットメーカー清水隆行さんが『ラブすぽ』に初登場です。

実はこの記事を書いている私(下村泰司)は清水さんと同学年なのです。私も野球をやっていまして、高校3年時に清水さんが所属していた浦和学院と、練習試合を行う予定がありました。当時の浦和学院には清水さんの他にも、埼玉県で名を馳せていて後にプロに進んだ鷹野史寿さん(大阪近鉄、楽天でプレー)がいたので楽しみにしていたのですが、ユニフォームに着替えていざグラウンドへ!というところで豪雨となりそのまま中止に。残念ではありましたが、清水さんには普段のゲストよりも近しい思いを勝手に感じており、今回のトークショーを楽しみにしていました。

この日の『ラブすぽ』、約100人のファンの方が足を運んでくれました。なかには三重県から駆けつけてくれた無類のジャイアンツファンの方も。私はいつも受付と前説と担当しておりますが、受付時に皆さんいろいろと教えてくれるんですよね。その方は昔創刊されていた清水さんが表紙を飾った「月刊ジャイアンツ」を後で清水さんに見せるんだと楽しそうに話してくれました。

この日は半数以上、約6割が『ラブすぽ』初参加。しかも約9割が男性ファンということで、久しぶりに“『ラブすぽ』男祭り”の様相のなか19時ちょうどにプレイボールです!

司会はお馴染みのDJケチャップさん。意外にも清水さんとは過去一度ご挨拶した程度で、イベントでの絡みは初顔合わせ。1学年先輩の清水さんに丁重に『ラブすぽ』恒例の「オープニング練り歩き」をお願いしていました。普段、この練り歩きの時間は最初の写真撮影タイムですので、目線欲しさに女性ファンが名前を叫んだりするのですが、この日は男性9割の男祭り。最初は無言でシャッターを切る男性ファンを見かねたケチャップさんが「黙って撮るんかい?」ときっかけを作ると、その後清水さんを呼ぶ野太くて小さな声が会場に響きわたっていました。ケチャップさんからファンの皆さんへ「現役引退後、解説やテレビ出演で清水さんってこんなに喋り面白かったんだ」って思った方? といきなりの質問。ほぼ全員が手を挙げると清水さんは「イメージってありますよね。ごく一部ではありますが当時は記者の方のなかに、あることないことを面白おかしく記事にする方がいて、誰がどう切り取っても自分や周囲がマイナスにならない言葉を選んでいた」と、誤解が生まれないよう最大限の注意をしていたとのこと。気を遣うシーンがなにかと多かったようです。

プロに行けるなんて思っていなかったアマチュア時代、3年で結果が出なかったらすっぱり引退のつもりだった!

浦和学院から東洋大に進み、1995年のドラフト3位で長嶋巨人に指名を受けた清水さん。ルーキーでいきなり1年目から活躍してびっくりしたというケチャップさんが、「大学時代や高校時代から注目していた人?」とファンに質問すると、同世代のお客さんが「浦和学院時代から有名だったので注目していた」との返事が! でも清水さん自身は「高校時代は同期の鷹野(史寿)の方が有名でしたよ。一番初めに野球で勝てないと思ったのが鷹野だった」とのこと。

「野球は高校までかも」と大学や専門学校の受験を考え始めたなかで、運も味方して東洋大学に野球推薦で進んだものの自分はあまり乗り気ではなかったそうです。大学4年時もプロから声はかかってはいたものの現実的に考えてはおらず、社会人野球へ進むことも決まっていたこともあり、仮にドラフト3位以上だったらプロへ行こうとそのような気持ちだったそうです。実際にドラフト3位で指名を受けて嬉しかったそうですが、一方で自身の中で「プロで通用するのか?」と怪しい気持ちもあったようで、「3年やって結果が出なかったら辞めればいいだけ」と割り切ってプロ入りを決意したそうです。厳しい世界なのは想像していたけれど、実際にキャンプ初日に周囲のレベルがあまりにも高く「えらいところに来ちゃったな」と、それがプロの第一印象だったとのこと。

運を味方につけたルーキーイヤー、土壇場で力を発揮して一軍残留!

当時のメンバーは、高卒で先にプロ入りし主力で活躍していた松井秀喜さん、村田真一さん、広澤克実さん、シェーン・マック、川相昌弘さん、落合博満さんなどそうそうたるメンバー。特に落合さんは「キャンプも俺流で全くの別メニューでしたので、グラウンドでも宿泊先でもほぼお見掛けすることはなかったです」(一同爆笑)

そんななかで掴んだルーキー開幕一軍。「僕はいただけですけど」と謙遜された清水さんですが、キャンプ中から常にギリギリだったことは間違いなかったそうで、当時の外野の主力選手が怪我による離脱で外野手が手薄となり、清水さんと大野倫さんのルーキー外野手が繰り上げで一軍キャンプに帯同。いよいよ主力が戻って来て、この打席が一軍最後になるだろうという打席でホームランを放つなど、首脳陣に落とす理由を与えなかった清水さん。ケチャップさんから「持ってますね」と言われた時に「これは持っていたと思います」と答えていました。

ここぞという場面での数少ない運を掴むのが一流選手たる由縁でもありますが、再び同じような状況が巡ってきます。後から首脳陣に聞いたところ、試合終わりで二軍へ行くことが決まっていたというオープン戦で、清水さんはベンチスタートでした。試合前の練習でシェーン・マックさんが頭にボールが当たるアクシデントがあり、レギュラーのマックを無理させる必要がないからと清水さんが試合途中でマックに代わり試合に出場。そこで当時西武ライオンズにいたアジアンエクスプレス郭泰源さんからホームランを放ち、二軍に落とす理由を首脳陣に与えなかったそうです。「僕は他には何もありませんが、運だけはありました」という清水さんですが、プロ野球の世界で14年、打率3割を7回マークし通算安打数も1428本、2億円プレーヤーですから、もちろん運だけで残せる数字じゃありません(笑)。

松井秀喜さんから学んだ「継続する力」

運も味方につけ、ルーキーながら開幕一軍を勝ち取った清水さんは、ギリギリの中での一軍生活の中で、結果を出し続け2年目以降もレギュラーポジションを獲得し続けました。「ここのあたりは何がよかったのか?」との質問に対して、ここでも「自分は何も武器がない。なので言葉で説明しろと言われても難しいですが、与えられたことに対して一生懸命やる。それだけでした。」とのこと。そして続けて「松井秀喜がそうだった。」とおっしゃってました。
当時すでにジャイアンツの主軸だった松井さん。清水さんはプロ入り前、プロ野球選手は試合開始時刻の2時間前くらいに球場入りすると思っていたらしいのですが、当時の松井さんは18時プレイボールの時も、お昼には球場入りして黙々とバットを振っている姿をよく見ていたそうです。ちなみに試合後も素振りを行い、遠征時には午前中、試合後とホテルの部屋でも松井さんは素振りを欠かさなかったそうです。
「主力の松井が普通に毎日やっていたら、その前後の若い選手は引っ張られるし、その日の結果が良くても悪くてもやっている松井を見たら、何も武器を持っていない俺もやんないと、だよな」となったそうです。

長嶋さんから受けた一度きりの直接指導

当時の監督は長嶋茂雄さん。長嶋さんの現役引退は1974年なので清水さんの世代は当時1歳。プレーの印象は正直なかったようですが、後に写真や映像で当時の様子を見たりして「すごい人」という印象が強かったようです。「長嶋さんから直接指導を受けたのか」という質問には「仁志さんにも同じ質問しました? これで直接指導を仁志さんが受けていたら嫉妬しちゃう(笑)」と。当時マンツーマンで指導を受けていたのは松井さんくらいだったそうですが、ある日、試合前の打撃練習の時に長嶋さんから「お前は足を上げて打つタイプの選手だから、タイミング絶対遅れるな」ということと「姿勢をまっすぐ。猫背にならないように姿勢を綺麗にしろ」というアドバイスをいただいたそうです。これが唯一の直接指導だったとのことですが、ただその後も打撃練習の時には後ろから見てくれていたそうで、ある練習の時に自分が出来ていなかったのか「お前、何回言ったらわかるんだ」といきなり頭をはたかれたことがあったそうです。清水さんは「気にかけていただいてるんだ」と、ものすごく嬉しかったと言っていました。

『ラブすぽ』恒例の、打撃フォーム再現コーナー

『ラブすぽ』恒例の「打撃フォーム見せて」のコーナーで、「僕の打撃見たって何も役にたたないでしょ」と最初は遠慮気味の清水さんでしたが、ケチャップさんが「お客さん何人か草野球やってますから、役に立ちます」と強引に押し切るとそこから背筋のピンと伸びた綺麗なフォームを再現。一斉にシャッター音が鳴り響いたのは言うまでもありません。
当時、同じ左打者で足を高く上げる打撃フォームの高橋由伸さんとも、タイミングの取り方についてはよく話をされたそうです。難しいインコースのボールの捌きの極意や、中距離打者として「100点満点の打撃でヒットが出るのはプロとしては当たり前。50点や60点の打撃でいかにヒットを打てるかを考えていた」とのコメントが非常に印象的でした。

「選手の賞味期限」勝負への意識の変化

30歳を過ぎた頃に少し衰えを感じたという清水さん。真っすぐのストライクを捉えることができないどころか、バットに当たらなくなったことがあったと。「そのあたりが自身の賞味期限だったのかな」と振り返ってくださいました。勝負へのこだわりに変化が生じてきて「昔はヒットを打つ打たないの勝負。徐々に試合に出る出ないの勝負。最後は一軍なのか二軍なのかの勝負。」となってきて引退を考えるようになったそうです。現役生活最後の1年は、高校時代に縁がある埼玉の西武ライオンズへトレード。トレードは自ら志願したそうですが、ライオンズ入りは偶然だったそうです。身体は元気なんだけど、最後どう辞めようかを考えた時に声を上げてくれて嬉しかったそうです。当時のライオンズの1番片岡、2番栗山、3番中島、4番中村。この1番から4番の布陣が自身の現役の中でも最強だったんじゃないかとも語ってくれました。

『ラブすぽ』恒例2ショット撮影会で思いがけないサプライズ!

と、ここから皆さんお待ちかねの2ショット撮影タイムが始まりました。ここで清水さんが「先輩じゃないですか!」と驚きの声をあげます。お客さんのなかに、東洋大学時代の1学年先輩で、当時寮の部屋も同じだったという方が会場にきていて、驚きの対面となりました。後から分かったのですが、この先輩は野球もさることながらスキーも上級者で、清水さんは大学時代に寮でスキーの国際大会をテレビで一緒に観ていたそうです。その時に流れていたテーマソングを聴いて「この曲カッコイイな」と思い、プロ入り後、打席での登場曲にしたというエピソードを語ってくれました。

そしてたっぷりと質問タイム

スムーズに写真撮影が終わったので、その後の質問コーナーはたっぷりでした。いろいろな質問が飛び出し、ひとつひとつに真面目にていねいに答えてくださる清水さん。「監督を務めるならどのチームがいいですか?」との質問には「マネジメントが重視されるプロ野球よりは、技術やコーチングが必要なアマチュアが自分に合っている気がする」とのことでした。また別の方から、リーグ優勝や日本一を経験されましたが、強かった時のジャイアンツってどんな雰囲気でしたか?」という質問に「チーム全員が同じ方向を向いている、と感じた時は強かったです。個人個人が活躍してても、それぞれ見ている方向がバラバラだった時は、不思議とチームが勝てなかったですね。引退して解説なんかも担当するようになって、そういったことが初めて見えてきました」と清水さんが答えると、会場からは「おおー」と思わず納得と感嘆の声が挙がりました。

その他多くの質問に真摯に回答する姿が印象的だった清水さんですが、最後ケチャップさんから今年のジャイアンツについて聞かれると、「投手陣がいいので、大きなアクシデントが無ければ間違いなく強いでしょう!」と力強い言葉が!
会場の西武ライオンズファンのお客さんから「ライオンズについては?」と質問が挙がると、しばし迷って「一生懸命応援します!」と両古巣にもエールを送っていました。

といったところで、21時ちょうどにゲームセット。集合写真を撮って終了となりました。初めて『ラブすぽ』に来てくださった方は、清水さんとの距離が近くて終始驚きだったようです。最後の挨拶で「皆さんの声援が選手の力になります。今年も力強い声援を送ってください」と、自分のことではなく野球界のことを一番に考えている清水さんのコメントが激アツでした。

写真・天野憲仁

下村泰司


(しもむら やすし)

フリーアナウンサー
小学校3年生で野球をはじめ、高校時代は3年夏に主将として甲子園出場。地方局アナウンサーを経てその後はスポーツ業界に長年身を置きスポーツマーケティング会社やプロ野球球団のスタッフとして仕事に従事。3年前にフリーランスに転身し現在は主にMLBの実況などを担当。『『ラブすぽ』』スタッフ歴は約3年でアスリートの話に毎回刺激を受けながら肉体改造を誓うも日々増量中・・・

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