大分トリニータ 残り4節、集中力を高め戦う集団に 【大分県】
リーグ最終局面を迎えた大分トリニータ。今季もけが人が続出し、開幕当初に掲げていた攻守に切れ目のない「シームレスなフットボール」は思うように落とし込めなかった。特に後半戦は低空飛行が続き、残り4試合でJ3自動降格圏の一歩手前となる17位。18位との勝ち点差は5と予断を許さない状況にある。
前節の長崎戦から今節の試合まで、通常より1週間長い2週間の準備期間は、「最初の1週間はコンディションを調整し、その後の1週間は次の対戦相手に向けての準備をした」と片野坂知宏監督。けが人が続々と復帰し、ようやくメンバーがそろったことで、指揮官の選手選考の選択肢、戦術の幅も広がることになりそうだ。
今節の水戸戦に向けて万全を期する
残りの対戦カードを見ると残留争いをする水戸の後は秋田、群馬、仙台と手強い相手が続き、勝ち点を積み重ねるのは容易ではない。しかし、守備を固めて自陣に引きこもるようなチームではないだけに、十分に勝機はある。片野坂監督は「チームに悲壮感はない。周りに惑わされず、勝つために集中し、パワーを出すだけ」と、残留争いから抜け出すための必須事項に「集中」を掲げる。今週からマスコミ、ファン、サポーターに対し練習公開を週1回のみに制限し、戦うメンタルを目覚めさせる。
新スタジアムのこけら落としとなった長崎戦後、片野坂督は「スタジアムの雰囲気、相手の『勝つ』というメンタルにのまれた」と後悔の念をあらわにした。残り4試合で同じ言葉を口にすることだけは許されない。対戦相手によって戦い方は変わるが、今一度、勝ち点を得るためには何が重要かを整理し、チーム全体で意思統一しておくことが大切になる。
「残留争いを抜け出すために集中力が必要」と語った片野坂知宏監督
(柚野真也)