イカの街・函館がサーモンの街に？国内初キングサーモンの完全養殖成功へ「脂のってくどくない」
函館市や北海道大学などがキングサーモンの海面養殖に成功し、7月4日試食会が行われました。「イカの街・函館」が「サーモンの街」と呼ばれる日は来るでしょうか。
脂がのった刺身、寿司に塩焼き、そして揚げ物。
キングサーモンをふんだんに使った弁当です。
函館市と北海道大学などの研究グループが2024年から函館漁港で始めたキングサーモンの海面養殖。6月、初めて水揚げされました。
北海道大学の藤本貴史教授は「函館地区でイカが不漁だったり漁業生産が落ちてきた。その中で魅力的な魚を作れないかというのが一つ始まったきっかけ」と話します。
函館市は「イカの街」として知られてきました。しかし、2025年は初水揚げの量がほぼゼロで史上初めて、初セリが中止となりました。
「わたしゼロ、ゼロだもん、こんなの初めてだ。ゼロ」「4匹しかいないよ」「廃業だね。本当に廃業だ。やってられないもん」と嘆くイカ漁師たち。
函館市のスルメイカの取扱量は2008年に約9000トンありましたが、2023年は過去最低の317トン。2024年は過去2番目に少ない400トンでした。
スルメイカに代わる函館の新たな名物を目指して挑戦したのが、キングサーモンの養殖。
函館市と北海道大学などの研究グループがキングサーモンの稚魚を育て始めたのは2022年。人口受精でふ化した中で大きめな137匹を選び、2024年から函館漁港で海面養殖を行ってきました。
6月、105匹が初水揚げされました。生存率は約8割で予想よりも多く生き残りましたが、平均2.3キロほどの重さで個体の大きさにはばらつきがありました。
キングサーモンの完全養殖は国内ではほかに例がないといいます。
藤本教授は「私にとっては（養殖試験は）成功です。点数をつけるならまだまだ伸びしろがあるので70点。最終的に目指すのは一般的な養殖の魚にして函館といえばキングサーモンだねと言われるようにしたい」と話します。
脂がのったキングサーモンは刺身に寿司、塩焼き、揚げ物など、さまざまに調理され鮮やかな色合いの弁当に。
7月4日、試食会が行われました。
「どれも脂ものっているけどくどくない。そして新しさを感じましたね。海を取り巻く環境は大きく変化しています。水産業も持続可能で発展し進化していく、これはあるべき姿じゃないかなと思います」と話すのは、函館市の大泉市長。
函館市の新たな名物を目指して、市や北海道大学などはキングサーモンを商業化できるようさらに研究を進めるんですって。
函館が「サーモンの街」になるのか、これからが楽しみですね！
みんテレ7月9日OAのものです。
（上記の情報は記事作成時点でのものです。
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