保育料を安く、企業誘致の用地を、小山田小にスクールバス復活を、四日市市議会一般質問
三重県の四日市市議会は10月1日、一般質問があり、県内自治体では高めの設定になっている保育料を下げられないか、北勢バイパスや東海環状自動車道の工事が進むなか、企業誘致への取り組みは、などの質疑があった。
この日は新風創志会の辻裕登さん、平野貴之さん、無会派の今村厚美さん、市民目線の会の小林博次さん、田中徹さん、水谷一未さんの6人が質問に立った。
〇高め設定の保育料は改善を
辻さんは、四日市市の保育料を県内の他自治体と比較し、「ざっとだが、いなべ市の2.5割、津市より2割ほど高い印象だ」と指摘した。市側は、待機児童数が問題になっている今、保育料を引き下げるとさらに入所希望が増えてしまう可能性があるなどと回答した。
辻さんは、「保育料と待機児童の関係は切り分けるべき」とする他自治体の担当者の考え方を紹介し、森智広市長は「待機児童を減らすのが最初の目標だが、高いレベルになっていることは改善しないといけない。全体的な引き下げ、第2子無償化、どのような方策がいいか、考えていく」と回答した。
辻さんは、北勢バイパスや東海環状自動車道の工事が進み、企業誘致のチャンスが来ているとし、市に企業誘致を進めるよう求めた。市側の答弁では、現時点では企業から問い合わせを受けたとしても紹介できる用地がないといい、市は用地確保を考えていくとした。
〇スクールバス、復活への工夫を
小林さんは、小山田小学校区の一部の地域で、路線バスが廃止になったことで約3.5キロの山道を歩いて通学する状態が生まれており、イノシシなど害獣や交通事故、熱中症などの心配が出ており、不登校の原因にもなりかねないなどと指摘した。市は、過去に、一時的な措置で2年間スクールバス運行をしたと経緯を説明、国の定めが4キロ以上となっており、現時点ではスクールバス復活が難しいとした。小林さんは、スクールバスを市バスやコミュニティーバス、生活バス、福祉バスなどとの両使いで導入している自治体もあるとし、何らかの検討を強く要望した。
平野さんは、日常的にアートが存在する街のあり方を「目指せ1% For Art」と提唱、市街地のトイレを舞台にアートフェスティバルを開いた大分市などの取り組みを紹介した。四日市では中央通り再編で、新しい公園づくりに取り組んでおり、そこでの検討も求めた。また、薪ストーブの愛好家を巻き込み、森をきれいにしてもらい、そこで出た木材は薪用に持ち帰ってもらえば、里山保全との両立になるのではと提案した。
〇河原田で11月に「のり愛みかん号」の実証実験
今村さんは、市内にある認知症カフェの運営課題や啓発について質問。さらに、子ども園が増えるなかで閉鎖される幼稚園の跡地利用について、認知症カフェを含む、子どもから年配者まで幅広い年代の人たちが集える居場所として利用できないかと提案した。
田中さんは、11月から河原田地区で始まるオンデマンドバスの実証実験について質問した。市側は、時刻表で走るのではなく、AIが判断して最適な運行をすると説明した。来年1月までの3カ月間、8人乗りワンボックスカーで午前6時半から午後8時まで運行する。地元のみかんにちなみ、「のり愛みかん号」の愛称も決まったという。
水谷さんは、市内の避難所の状況について質問し、高齢者や障害者などに配慮できる福祉避難所を増やしていくことについて、市の考えを聞いた。市の説明では、介護老人福祉施設の1カ所がその第1号にほぼ決まったといい、ほかにも登録を増やせるように相談中という。