「育児疲れかな? ま、そんなもんでしょ」妻の異変を軽く受け流す37歳男のお気楽思考
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
37歳、すべてが順調そのもの
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「え? 離婚ですか…? まったく考えたことはありません。子どももできたばかりで、これから家族として、僕も妻も子どもと一緒にもっと成長していこうって考えています。
なんで離婚の可能性なんて、尋ねるんですか? 僕は離婚なんて、これまで一度も考えたことはないですよ」
明るい表情で話し始めたハルキさんは、今の家庭や夫婦関係に対しても「なんの不満もなく、すべてが順調そのものです」と胸を張ります。
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両家とも良好な関係
「世の中の夫婦がどうなのか、僕にはわからないですけれど、うちは夫婦喧嘩もほとんどありませんし、両方の実家との関係も良いほうだと思います。
どっちの実家にも初孫なので、息子のこともとても可愛がってくれていますね。
まあ妻とはもう、男女っていうよりも完全に家族って感じですけど、子どもができればほとんどの夫婦はそうなりますよね?
だから僕自身は、なんの不満もないです」
妻である奈緒さんとは、前職の職場で知り合ってスピード婚。出会った最初の段階から「なんとなくこの人と結婚するかも」と予感したほど、印象的な存在だったそうです。
妻の笑顔が減った
「妻との相性は、いいほうだと思います。あ、夜の生活はあんまり相性が良くないですけど(笑)。人としてっていうのかな、生活していくうえでの価値観や金銭感覚は合っていますね。
今は子どもが小さいので、妻は仕事を辞めて一時的に専業主婦をしています。だから経済的にはちょっとしんどい部分もありますけど、まあ許容範囲です。
あ〜…、だけどひとつだけ、気になる点はあるかな」
妻に対して不満もなければ夫婦仲に対して問題も感じていないと強調するハルキさんですが、強いて言えば、結婚をしてから妻の笑顔が減ったように思えると打ち明けます。
まあそんなもんでしょ
「妻がね、暗くなりました。
前はもっと明るい人だったんですけどね。育児疲れかな? ってあまり気にはしていませんけど、昔よりも笑わなくなりましたね。
僕の目を見て話してくれる頻度も、減った気がします。でもまあ、育児に追われているとそんなもんでしょう。不満ってほどではないです。
そのうちまた昔みたいに明るく笑ってくれるでしょ。
でもまあ、子どもが小さいうちはいろいろ大変だろうからなあ…。そうなると妻は年単位でしばらく暗い人ってことなんですかね?
まあどっちでもいいです。妻の笑顔が減ったところで、家庭に何か問題があるわけではないので」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)