JR八王子駅南口集いの拠点 愛称は「桑都の杜(そうとのもり)」 開設500日前に発表
2026年10月の開設に向けてJR八王子駅南口の八王子医療刑務所跡地に整備を進めている大型複合施設「(仮称)八王子駅南口集いの拠点」について、市はオープンまで500日前の5月20日にセレモニーを開き、施設の愛称が「桑都の杜」に決まったと発表した。
2018年に閉鎖された八王子医療刑務所の跡地を含む約5万2000平方メートルの敷地に、公園やライブラリ(図書館)、交流スペース、歴史・郷土ミュージアムなどが整備される。防災機能も備え、災害時には公園が広域避難場所に、建物は一時滞在施設になる。土地は3分の2を市が国と都から取得し、残りは国から無償で貸与。2041年までのPFI事業契約で既存施設の解体、新施設の設計・建設、維持管理や運営まで行う。契約金額は約187億円。
応募886件
市は今年1月17日から2月10日にかけて施設全体の愛称を公募し、市内在住・在勤・在学者から886件の応募があった。施設のコンセプトに合っているか、近隣の施設名と類似していないかなどの条件から候補を8案に絞り、その中から市内の小中学生にWeb投票を募った。その結果、1万323票の投票総数中、最多の2785票を獲得した「桑都の杜」に決定した。市担当課によれば、同じ愛称の提案が4件あったという。
市は愛称に込められた思いを「『桑都』は養蚕や織物が盛んだった八王子のかつての呼び名。文化や歴史にふれあい、みんなで大切に育てていく場所になってほしいと思い『杜』とした」と説明している。
市のシンボルに
子安町の桑都日本遺産センター八王子博物館(はちはく)で開催された愛称発表セレモニーには、投票に参加した子どもたちを代表して市立第三小学校の6年生19人が出席。パネルにかぶせられていた布を初宿和夫市長と一緒に外して愛称を披露すると、会場から拍手が沸き起こった。
あいさつに立った初宿市長は、医療刑務所になる前の八王子監獄署からのこの地の歴史に触れ、「世紀を超えた中で、子どもたちの思いを愛称に込めさせていただいた。八王子の新しいシンボルとなり、100年先も親しまれる場所にしていきたい」と期待を寄せた。
セレモニー終了後、出席した小学生には特別に集いの拠点のバーチャル体験の時間が設けられた。子どもたちはVRゴーグルやタブレット端末を使って施設の3Dモデルを見学。順番に端末を譲り合いながら「目の前に建物が見えた」「広くて色々なスポーツができそう」などと興味津々にのぞき込んでいた。
このバーチャル体験はオープン500日前イベントの一環として、6月8日(日)に旭町のえきまえテラスで実施される。正午から午後4時まで。