清水エスパルスのスタジアムDJ仲田雄一さんが今季最も熱くなったシーンは?臨場感あふれる“特等席”も実は…
SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」に、清水エスパルスのスタジアムDJ仲田雄一さんをお招きしました。パーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さんがオンラインで話を聞きました。(2025年4月29日放送)
(ヒデ)仲田さん、なんで昨年はこの番組に出てくれなかったんですか?
(仲田)いやいや、むしろ、なんで声かけていただけなかったんですか?先日、鬼頭さんに声をかけていただいて、やっと来たかと。
(ヒデ)ようやくですね!
(鬼頭)まずはプロフィールをご紹介させてください。仲田雄一さんは静岡県森町出身、現在44歳。昨年からエスパルスのスタジアムDJを担当、今年で2シーズン目です。バスケやラグビー・静岡ブルーレヴズのスタジアムDJも担当されているんです。
(ヒデ)どういう経緯でエスパルスのスタジアムDJのお話が?
(仲田)きっかけは清水エスパルスさんからお話をいただいたんですが、詳しいことは分からなくて。昔、静岡のFM局でレポーターをやっていた時のことをディレクターさんが覚えていてくれたとか、そんな話を聞いたことがあります。
(ヒデ)ちゃんと、やっぱ耳心地がいいとか、引っかかってたんでしょうね。やってもらえるかなと思ったら、二つ返事でOK?
(仲田)二つ返事でしたね。
(ヒデ)元々サッカーをやられていたんですか?
(仲田)中学に上がった年がちょうどJリーグ発足の年で、ブームに乗ってサッカー部に入りました。でも全然うまくならなくて、けがもいっぱいしちゃって。高校からは体を動かすのが得意じゃないと思って、バンドやったりDJをやったりと。
(ヒデ)声の仕事を始めたのはどういう流れで?
(仲田)就職活動があまり芳しくなくてですね。その時、仲良くなったやつが「ラジオのDJとか向いてんじゃないの?」って言ったので。そいつに人生を狂わされたという(笑)
(ヒデ)バンドでもボーカルとかやっていた?
(仲田)ボーカルはやってなかったです。ギターでした。
(ヒデ)それでラジオをやってみようかなと思ったらはまった?
(仲田)ラジオは好きだったんですよ、昔から。赤坂泰彦さんとか大好きで。
(ヒデ)それっぽいなと思いました。
(仲田)どうすればラジオのDJになれるのかなんて考えたことすらなかったので、友達に言われて考えたのが最初のきっかけですね。
国立競技場での衝撃デビュー
(鬼頭)エスパルスとの話ですと、実は2023年7月に国立競技場で行われた千葉戦。
(ヒデ)あれ?その場に行ってるよ。
(鬼頭)あの時にDJをされていたのが仲田さんだったんです。
(ヒデ)われわれとはニアミスでしたね!
(仲田)初めて清水エスパルスの試合で喋らせていただくというのが、あの国立の大舞台で。本当にいいのかなと。
(ヒデ)すごいな。デビューがドームのKAT-TUNみたいなもんでしょ!シンデレラストーリーというかスターダムですよ。緊張とかされました?
(仲田)隣にずっとスタジアムDJをやっていた鈴木克馬さんがいて、試合前のアナウンスとかをしていたんです。だけど、なぜか選手紹介とかは僕がやるという。いいのかなって。一番最初に紹介したのがゴールキーパーの権田選手だったんですけど、サポーターの皆さんがあの「ドドドン、オーレー!」って返してくれるのかっていう心配がありました。
(鬼頭)「(喋ってるの)誰だ?」ってなるかもしれないというね。
(仲田)だから「オーレ」が返ってくるまでは結構ドキドキでした。
(ヒデ)へえー、そうなんですか。でもそれが返ってきた時、場所は国立ですよ。どんな感じでした?
(仲田)国立競技場で喋ったのも初めてでしたし、清水エスパルスの試合で、オレンジのサポーターの”壁”があって。電気グルーヴさんがライブやっていて。もうなんだかよく分からないままに1日が終わっちゃったという感じですよね。
就任1年目に感じたプレッシャーとは…
(鬼頭)仲田さんはエスパルスにとっては縁起がいいんですよ。スタジアムDJになって1年でJ1に昇格して、しかもJ2優勝したじゃないですか。アイスタでJ2優勝を決めましたから、目の前でそれを見てましたし。
(ヒデ)仲田さんは「苦しかったあの時代」みたいなことを経験せずに、良い思いをしているわけですよね。
(仲田)1年目から本当にありがたいと思います。
(ヒデ)これはもう引きがあるんですよ。昇格、優勝の瞬間はどうでしたか?
(仲田)初年度でサポーターの皆さんにどれだけ受け入れていただけるのかっていうドキドキは毎週あったんですよね。DJが変わって成績が落ちましたと言われるのは嫌だなと。そんな中で、昇格決まって優勝してという。昇格が決まった試合はアウェイだったんですけど、パブリックビューイングを清水でやっていまして。そのイベントに呼んでいただいたんですが、昇格決まった時のパルちゃんが、もう高校野球の甲子園の9回裏みたいになって。
(ヒデ)そりゃそうだよね。
(鬼頭)その前の年をみんな知ってますからね。
(ヒデ)みんな一緒に戦ってるんだよね。
(仲田)あの姿を見て、感動しちゃったんですけどね。サポーターの方からも「縁起がいいね」とか「持ってるね」って言っていただけるんで。これからどれだけやらせていただけるか分からないですけど、1年目からみんなと喜べるっていうストーリーをつくれたのは、これから先、いいシーズンもあればそうじゃないシーズンあるにせよ、自分の中の拠り所として持っていけるのはとってもありがたいなと。
実はゴールシーンが見えない!?
(鬼頭)仲田さんは清水エスパルスの試合中はいつも両チームの間にいるんですよ。ちょっとアウェイよりの、選手や監督がいるベンチの1.5メートルぐらい後ろに座ってらっしゃるんです。あそこは特等席ですよね。ピッチサイドで、サポーターも綺麗に見えるんですよ。
(仲田)ただ、ゴールシーンが全く見えないんですよ!
(ヒデ)そうでしょ。だって目線が低いもん。どうせだったら上からの方がいいじゃないですか。チーム事情とか造りの問題があるからしょうがないけど、普通は俯瞰で見たいですよね。
(鬼頭)ただ、運営の人たちが使う機械が全部後ろにあるんですよ。その人たちとやり取りがスムーズにしやすいようにあの場所になっているんでしょうね。
(仲田)なので、めちゃくちゃ臨場感のある場所にいながら、ゴールシーンはモニターでしか見えないんです。
(ヒデ)そこはサポーターの反応を見ながらおしゃべりしているんでしょう。ところで、お仕事上、何を大切にされてますか?
(仲田)やっぱり一番大事なのはファンの皆さんであり、選手でもありますから、僕が前に出すぎないというか。主役はやっぱりあくまでサポーターの皆さんや選手というところを心掛けています。あとは、自分が担当させていただいてるチームとか、そのスポーツをめちゃくちゃに愛するということだと思います。
エスパルスへの“加入同期”の活躍が刺激
(鬼頭)エスパルスは今勝ち続けて暫定5位まで上がってきました。ここまでの戦いをご覧になっていてどうですか?
(ヒデ)一番熱くなったシーンは何ですか?
(仲田)ホーム開幕戦での松崎選手のスーパーゴールは、めちゃくちゃ気分が上がりましたね。僕は昨シーズンから担当しているので、昨年から加入した選手は勝手にエスパルスの同期みたいな気持ちでいるんです。
(ヒデ)分かります。お互い1年目だよね、みたいな。
(仲田)松崎選手もそうですし、沖選手とか蓮川選手とか矢島選手とか。今、みんな本当に欠かせない選手になっているというところがとても頼もしいなと思います。ベテランもステップアップするし、若い選手もどんどんステップアップしていくというところがとても頼もしいなと思って見ております。
(ヒデ)選手、チームはスタジアムDJに鼓舞されてますけども、実は仲田さんも選手に鼓舞されているところがあるということなんですね。だから相乗効果でスタジアムって盛り上がるんでしょうね。
(仲田)楽しいですね。ユニフォームで放送席にいますけど、試合中は基本座ってらんないですからね。ゴールが生まれそうな時だけすっと席に戻ります。
(ヒデ)確かに座ってる場合じゃないよね。
(鬼頭)今週末はいよいよ国立で名古屋グランパスとの対戦が控えています。ホームゲームとして開催することになりますが、この一戦はどんな風に捉えてますか?
(仲田)毎年国立がオレンジ色に染まるというのが、最高だと思います。競技場の周りにオレンジのサポーターがたくさんいて、普段はなかなかアイスタに来られない関東圏のサポーターの皆さんもいっぱい来られると思うんで。昨年、一昨年は国立に対して少しネガティブなイメージがあったかもしれないですが、もう払拭したと思ってるので。今年はきっと素晴らしい試合で勝ってくれるんじゃないかなと思います。
(仲田)最後にエスパルスサポーターの皆さん、リスナーの皆さんに熱いメッセージをお願いいたします。
(仲田)アイスタはサポーターファミリーの皆さんのおかげで、J1に上がっても要塞になりつつあるんじゃないかなと思っております。本当にサポーターの皆さんの熱い声に僕も影響されてどんどん声もでかくなっていきます。それでもっともっと会場が盛り上がっていくといいなと思っておりますので、ワンファミリーでこれからも一緒に戦っていってください。よろしくお願いします。
(ヒデ)ありがとうございました!