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これから天気予報でよく使われる「寒気」と「寒波」の違いは?【天気クイズ】

TBSラジオ

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今日は天気が好きすぎる気象予報士・増田雅昭さんによる「天気のミカタ、キキカタ、クイズ!ご当地ワード編」

覚えることで生活の役に立つかも!という天気にまつわるクイズ。

天気のミカタ、キキカタ、クイズ!わかっているつもり編

普段、天気予報や日常会話で使われる、天気の言葉。わかっているつもりで、「実は意味が違った!」なんてことがあるんですよね。今日は、そんな勘違いしやすい天気クイズを出します。

第1問:「雨模様」という言葉がありますが、“本来”どのような天気を表しているでしょうか?

1.これから雨が降りそうな曇り空
2.弱い雨が降っている状態
3.青空なのに雨が降ってくること

正解は「1.これから雨が降りそうな曇り空」

増田:「雨もよう」や「荒れもよう」の「もよう」は、「今にも、そうなりそうな様子」をあらわしています。
「催す(もよおす)」つまり「そういう兆しがある」という言葉が変化して「もよう」になったと言われています。「雨模様」というのは「雨になりそうな状態」。つまり、降る前の曇り空というわけですね。

ただ、今では、すでに雨が降っている場合に雨模様と言ったり、すでに天気が荒れている場合に荒れ模様と言ったりする人も増えています。そういう動きを受けて、辞書でも新しい意味として、「雨模様」は「すでに小雨が降っている状態」と載せているものもあります。

「雨模様」と聞いて、本来の意味=これから降るぞと想像する人もいれば、すでに降っていると想像する人もいるわけですね。言葉から天気の様子を想像してもらわなくてはいけないラジオでは、補足無しだと、ちょっと使いづらい言葉になっています。

第2問:「しぐれ」とは、どんな意味でしょうか?

1.夏に降る激しい雨
2.秋の終わり頃の、にわか雨
3.冬の初め頃に降る、雪と雨が混ざったもの

正解は「2.秋の終わり頃の、にわか雨」

増田:3と間違った方が多いのではないでしょうか?わたし自身も気象予報士になる前は、”みぞれ”のイメージでした。時の雨と書いて「しぐれ」。時に降る雨、一時的に降る雨という意味ですね。
・秋の終わりから冬の初め頃の変わりやすい天気のことで、曇ったり、日が差したり、サーっと雨が降ってきたり。その雨を「しぐれ」と言います。大陸から冷たい空気がやってくるようになると、温かい日本海の上で、露天風呂の湯気のように雲ができます。
・気象衛星ひまわりで見ると、何本ものすじが縦じまに並んでいるので「すじ状の雲」と言われたりしますが、さらに細かく見ると、すじも、細かいつぶつぶの雲で構成されています。
・冬は、それらの雲が日本海側の各地に雪を降らせます。
・ただ、秋の終わりや冬のはじめ頃は、地上の温度がまだ高いので、降ってくる間に溶けて、雨になるんですよね。
・細かいつぶつぶの雲がたくさん通って雨を降らせるので、降ってはやんでを繰り返します。つぶつぶの雲の隙間に入ると、日が差したりもします。
・日本海から雨雲が流れ込んでくるような地域で起こる現象なので、関東の平野部では、なじみが薄い現象ではありますね。
・京都の北山地方のほうから来る雨雲を「北山しぐれ」と言うなど、「しぐれ」には地域の名前がついていたりもします。

第3問:これから天気予報でよく使われるようになる「寒気」そして「寒波」という言葉。この違いはなんしょうか?

1.温度の低さ
2.寒さの期間
3.寒さを運んでくる北風の強さ

正解は「2.寒さの期間」

増田:寒気=まわりの空気に比べて、冷たい空気。寒波=広範囲に2~3 日かそれ以上の期間、ふだんより著しく気温の低い状態をもたらす現象。
つまり、寒気が波のように次々とやってきて、何日も影響が長引くのが寒波です。
例えるなら、「強い寒気」→短距離ランナー、「強い寒波」→長距離ランナーですね。

われわれ気象予報士は、使い分けています。寒気より「寒波」のほうが、影響の範囲が広く、影響の度合いも大きいわけです。急激に低温になるとか、広範囲で大雪になるおそれがある時に「寒波」を使いますので、「寒波」と聞いたら、注意の意識を一段上げてください。

第4問:「やや強い風」とはどのぐらいの風をあらわすでしょうか?

1.服の裾が揺れるくらいの風
2.傘をさすことができないくらいの風
3.人や傘が飛ばされるくらいの風

正解は「2.傘をさすことができないくらいの風」

増田:気象庁の目安では、風速10~15メートルを「やや強い風」と言います。

風速10~15メートルというのは、傘をさすことができない、風に向かって歩きづらい、大きな木全体がゆれる、高速道路で運転していると車が横に流されそうになる。それくらいの風です。

・「強い風」=風速15~20メートル。一部の人が転倒してもおかしくない。電線が音を立てるくらいの風。

・「非常に強い風」=風速20~30メートル。何かにつかまってないと立っていられない。屋根瓦が一部ではがれ始めるような風。

・「猛烈な風」=風速30メートル以上。トラックが横転したり、看板が飛んだりします。外を歩くのは、かなり危険な風です。

「やや強い風」でも、けっこう影響のある風です。「やや強い風」と聞こえてきたら「風対策しないと!」と思っていただくのが良さそうです。

(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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