渋谷で脳を再起動!?“スマホ認知症”対策にもなる「脳リブートルーム」を体験してきた
脳が膨大な量の情報に日夜さらされ続けている昨今。ほんの1時間だけでもデジタルツールから離れ、“脳をリブート(再起動)”してみるのもいいかもしれません。
TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷サクラステージに併設する「SHARE LOUNGE」内に、7月15日から21日までの1週間限定で、「脳リブートルーム」が登場中です。早速体験してきたので、そのもようをお届けします。
■ 脳を“再起動”する感覚を体験することができる「脳リブートルーム」
近年、スマートフォンへの依存が「記憶力の低下」「集中力の低下」「物忘れ」といった「スマホ認知症」を引き起こす可能性が指摘されているなど、デジタルツールの過度な使用と脳の影響への関心が高まっています。
そんな中で今回、渋谷サクラステージ SHIBUYA サイドの4階にあるTSUTAYA BOOKSTORE 渋谷サクラステージ「SHARE LOUNGE」内に登場したのが、「脳リブートルーム」。
2025年2月に「SHARE LOUNGE Olive LOUNGE 渋谷」で実施された「冴えるーむ(ROOM)~聴くだけで記憶と集中力がアップ?~」に続く第2弾として登場しました。
前回が記憶や集中力を上げて仕事の質を高めようとするコンセプトだったのに対し、今回の「脳リブートルーム」はその逆。デジタルデトックスとガンマ波サウンドにより、日々酷使される脳を静かに整えることで、思考やひらめきを“再起動”させる体験を提供することをコンセプトとしています。
利用料金は、同ラウンジのソフトドリンクプラン通常料金と同じ1時間1650円。受付で申し込むことで利用できます。
忙しい現代人の“新たな習慣”になりうるかもしれない「脳リブート」を、仕事・プライベートを問わずデジタル漬けの日々を送っている記者が、実際に体験してみました。
■ 「脳リブートルーム」を体験してみた
「脳リブートルーム」はシェアラウンジの奥の方にある「窓際ハイバック席」の一角に設けられています。脳疲労や集中力に関連する書籍が並ぶ棚が設置されているのが目印です。
ブース内にあるのは三方を囲われた1人分のシートと、テーブル。テーブルの上にはスマホなどデジタルデバイスを隔離するのに使うコンテナと、外部刺激を遮断するためのアイマスク、シオノギヘルスケアが展開するオープンイヤー型イヤホン「kikippa イヤホン」が用意されています。
今回のブースの要となるのが、この「kikippa イヤホン」に搭載されているガンマ波サウンドという技術。
「ガンマ波」と呼ばれる40Hz前後の脳波は、記憶や集中力に関係しており、加齢などにより弱まることが、2005年に発表された論文※で報告されています。
(※=Herrmann, C. S. & Demiralp, T. Human EEG gamma oscillations in neuropsychiatric disorders. Clinical Neurophysiology 116, 2719–2733 (2005))
ガンマ波サウンドはイヤホンの音声をガンマ波と同じ周期で変調することで、頭の中に意図的にガンマ波を生み出すことができる世界初のテクノロジーです。
席についたらまず、テーブルの上のコンテナにスマホを入れて手元から離します。その後、専用の音楽プレイヤーに接続された「kikippa イヤホン」を耳にかけ、アイマスクを着用。
あとは心を落ち着け、イヤホンから聞こえてくるジャズやヒーリングミュージックに耳を傾けながら、静かに自分自身と向き合うだけ。
ガンマ波サウンドに変調された音楽は、最初こそ、その独特な音のゆらぎと震えがあるため、戸惑うかもしれません。
しかしそのゆらぎに身を任せるように聞いていると、次第に慣れてきて、ガンマ波サウンドが生み出す独特な音調の中にゆっくりと浸っていくような心地がしてきます。
あくまで記者個人の感覚ですが、ガンマ波サウンドで音調が変わった音楽を聞いていく中で、自分の意識が徐々に、原曲のメロディーを探るように働いていく感じがありました。
たとえるならそれは草むらを分け入って正しい道を探し当てようとするのにも似た感覚で、記者はその探り当てようとする意識の働きに“集中”を感じることができたように思います。
またガンマ波サウンドにくわえて、スマホを手元から離して視覚情報を遮断したということも、“集中”を感じる大きな要因でした。
記者は仕事・プライベートを問わず、日夜SNS、メディア、動画サイトなどを徘徊しているため、デジタルデバイスから離れるのは風呂と睡眠中だけというような状態です。文章、映像、画像といった視覚情報を、酸素の次くらいの重要度で摂取しています。
今回体験自体は30分程度でしたが、たとえその短時間であっても意識的にデジタルデトックスをし、視覚情報を遮断したことで、体験後には思っていた以上に頭の中が整った感覚を得られました。まさに脳が“再起動”されたようです。
■ 「デジタルデトックス」しながら「脳を鍛える」という習慣
「脳リブートルーム」の広報担当者の話によると、「脳リブートルーム」の体験時間は1時間単位で、受付で予約が可能とのこと。ただし15分で満足した場合は15分で切り上げてもよく、反対にもっと体験したいという場合は、「脳リブートルーム」の空き状況次第で延長するのも問題ないようです。
また、「脳リブートルーム」を展開した狙いや目標についても詳しくうかがうと、「まずはスマホ認知症対策として、なかなか自身では脱却しづらいスマホ依存のきっかけを提供できたら」という思いから、デジタルデトックスなどで脳を整理する今回のコンセプトが生まれたと明かしてくれました。
一方でデジタルデトックスを実践しても、避けることができないのが記憶力や集中力の低下など、スマホ認知症の具体的な症状。
こうした課題に対して有効になってくるのが「脳を鍛える」こと。その手段の1つとして、今回使用したガンマ波サウンド搭載の「kikippa イヤホン」など、勉強や家事、運動中など日常のさまざまなシーンで脳を鍛えることができるデバイスがあることも知ってもらうきっかけとなれば、とのこと。
「脳リブートルーム」をきっかけに、ビジネスパーソンなどデジタルデバイスが手放せない人たちが、「デジタルデトックス」しながら「脳を鍛える」という習慣が広がっていくことを期待しているとのことでした。
情報過多な日常に疲れを感じている方は、ぜひ一度脳を再起動させ、思考やひらめきの力を鍛え直してみてはいかがでしょう。
<取材協力>
脳リブートルーム(TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷サクラステージ「SHARE LOUNGE」内)
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025071602.html