愛猫が迷子になったら…『ペット探偵』にお願いするときの5つの注意点 価格は?選び方は?
猫の脱走とプロに依頼する意味
内田百閒氏の「ノラや」に代表されるように、猫たちが家の中と外を自由に行き来できるような暮らし方をしていた時代は、猫が帰ってこなくなり飼い主さんが悲嘆にくれるといったことは、よくある話でした。
完全室内飼育と避妊・去勢が普及した現在でも、わずかな隙間などから脱走してしまう猫は決して少なくありません。ちょっとした物音に驚いてパニックになったり、窓や玄関の外に興味を持ったりと、脱走の原因はさまざまです。
ポスターやSNSなどで情報を発信したり、近所を探したりすることは、自力でもできます。しかし、普段家の中で過ごしていた時とは異なる行動をしてしまう、外に出た猫たちを探すのは容易ではありません。
そこで登場したのが、迷子になったペット探しを専門とするペット探偵です。猫をはじめとする伴侶動物たちの習性を熟知し、捕獲用の機材を完備し、経験も重ねているプロの捜索は、自力の捜索と比べて愛猫を見つけ出せる確率が格段に高いといえるでしょう。
とはいえペット探偵という仕事には、国で定めた資格や能力などの規定がありません。詐欺まがいの怪しい業者があるのも事実です。そこで、ペット探偵社の選び方や契約前に確認しておきたい事項などの注意点をご紹介します。
ペット探偵の費用
ペット探偵の費用は、業者によって異なります。捜索に費やした日数や時間で固定の報酬を支払う方式もあれば、無事に保護できた場合に必要経費に加えて成功報酬を支払うという方式もあります。また業者の拠点が遠地の場合は、出張費用が必要な場合もあります。
そのため料金相場といっても一概には言えませんが、おおまかに1日あたり2〜5万円と、それに加えて必要経費が請求されるというケースが多いようです。
業者の選び方
ペット探偵社はあまり身近な仕事ではありません。初めて依頼する方が多いでしょう。そこで、まずはペット探偵社を選ぶ際に考慮すべきポイントを整理しておきます。
✔猫捜索のプロであること
ペット探偵と名乗っている場合、捜索の対象となる動物は犬、猫、小動物、鳥などと多岐にわたっているケースがほとんどです。しかし、動物種によってそれぞれ習性が異なるため、しっかり「猫」に関する専門知識と経験のある業者を選びましょう。
✔信頼できる業者であること
ペット探偵に限りませんが、信頼度を測るのは容易ではありません。信頼できるか否かの判断基準は人それぞれですが、いずれにしろできるだけ多くの、しかも客観的な情報を集めましょう。
✔契約内容が明確であること
依頼する時点では信頼できていた業者でも、捜索が難航したり最終的な支払いの段階になって「聞いていなかった」とか「話しが違う」といったトラブルになる場合があります。そういった事態を避けられるよう、明確な契約内容で、疑問点が全て解消された状態で契約を結べることがとても大切です。
ペット探偵にお願いするときの注意点
1.猫の捜索実績
愛猫の捜索を依頼するのであれば、ペット探偵社で猫捜索の実績が多い業者を選ぶことをおすすめします。最近では「猫専門」を謳っている業者もあります。猫の習性をしっかりと理解していて、必要な機材も揃っている業者を選びましょう。
2.第三者による評価が高いか
まずは業者自身が立ち上げているホームページやパンフレットなどの情報を確認しましょう。同時にインターネットの口コミサイトなど、第三者による評価もチェックすることをおすすめします。点数だけではなく記載内容をよく読み、引っかかる点があった場合は、業者との事前確認の際に直接問い合わせてみましょう。
3.料金体系が明確か
業者によって設定している料金体系はさまざまです。必要経費を含めた一括での価格設定もありますが、必要経費を別途請求としている業者が多いので、事前に必要経費の価格もいくら位を見込んでおけば良いのかを確認しておきましょう。
また、捜索を開始してもらう前にみつかった場合のキャンセル料や、当初の予定で見つからなかった場合の延長料金などについても事前に確認し、最終的に請求される金額が把握できるようにしておきましょう。
4.契約書の有無
きちんと契約書を取り交わせるかどうかは非常に重要です。口約束だけだと、後からさまざまな面でトラブルになることが多いためです。また契約は、契約書の内容をしっかりと確認し、料金だけでなく業者の責任範囲やアフターフォローなども含め、不明な点がない状態で締結するようにしましょう。
5.ペット探偵社に依頼するタイミング
猫が脱走してしまった場合、自分の縄張りの外に出てしまったことになるため、すぐに遠くに行ってしまうことは稀です。すぐ近くで狭くて薄暗く人気のないような場所に身を潜めていることが多いです。
そのため、いなくなった直後はまず自力で探してみてください。周囲を1〜2時間捜索しても見つからなかった場合は、ペット探偵社への依頼を検討してみましょう。脱走後に時間が経過すればするほど、交通事故なども含めて猫の安否が危ぶまれるためです。
基本的には、「帰ってくるのを待つ」のではなく、積極的に探すことを優先しましょう。専門家に依頼するタイミングも、できるだけ早い方がよりみつかる率は高まります。
まとめ
家から出てしまった猫は、家の中で暮らしていた時の行動とは異なり、猫本来の習性に従った行動をとります。そのため迷い猫の捜索には、猫の習性を知った上で、地域の環境や猫の性格などを総合的に考慮して捜索方法を選び、常に猫目線で考えることが必要です。
迷い猫の捜索は、時間的な制約も含めてプロの専門家には敵わない部分が多いです。万が一愛猫が脱走してしまった場合は、しっかりと情報収集と比較を行った上で、信頼できるペット探偵社に依頼することも検討してみてください。