猫が『飼い主さんから誤解されがち』な3つの仕草とホントの意味
1.お腹を差し出す
1つ目は、ごろんと寝転がって、お腹を差し出す行動です。
目の前で愛猫が急に「ヘソ天」すると、猫飼い初心者であればあるほど、千載一遇のチャンスだと判断し、迷わず、いかにも柔らかそうなお腹をナデナデするところでしょう。
ところが、愛猫の本音は、飼い主さんの思惑とは必ずしも一致しません。「ヘソ天」には、たんに撫でて欲しいのではなく、「かまって欲しい!」や「遊ぼうよ!」「大好きだよ!」といった気持ちが込められています。
つまり、「ヘソ天」とは、メッセージ性に富んだ「観賞用」のモニュメントであり、美術館の展示品のように、多くの場合、じかに手を触れてはならないものです。
意図を読み違えた結果、せっせとお腹を撫でようとすると、引っ掻かれたり、噛まれたりなど、愛猫から手痛い反撃に遭うかもしれません。
愛猫がゴロンと横たわって、セクシーなお腹を見せつけてきたら、甘い誘惑には乗らず、まずは、冷静になって、行動の裏に隠された要望を読み取ってみてください。
2.モノを落とす
何度注意しても、愛猫がモノを落としまくって困る――そう思い悩んでいる飼い主さんもいるかもしれません。
次から次へとモノを落としていく愛猫の熱心さに、後片づけせねばならない飼い主さんは、「嫌がらせ?」と途方に暮れてしまうことでしょう。
一説によれば、猫がモノを落としたがるのは、好奇心をはじめ、遊び心、物理法則の研究、単なる暇つぶしなどの動機が含まれている、と考えられています。
さらに言うと、愛猫のモノ落としには、実は「飼い主さんの注意を引きたい!」という狙いも隠されている場合があります。
たとえば、飼い主さんお気に入りのワイングラスを、愛猫がチョイチョイと突っついて、テーブルという名の土俵際へと押しやります。旅先のオーストリアで買ったハンドメイドの有名ワイングラスです。
落下するまでの数秒間、飼い主さんの脳裏には、割れないように厳重に注意して持ち帰った旅路でのアレコレが駆け巡ります。
次に気づいた瞬間、思い出の数々が、破片となって床に飛び散っています。
会心の一撃で飼い主さんからの関心を見事に引き寄せた愛猫は、その様子を記憶にとどめ、「モノを落としたら、いとしの飼い主さんが注目してくれるの法則」を獲得します。
壊されて心配なモノに関しては、愛猫の手の届かない場所に保管するなど、日頃から十分に警戒しておきましょう。
3.飼い主さんの顔にしっぽを巻きつける
最後の3つ目は、飼い主さんの顔にしっぽを巻きつける行動です。
誰よりもくすぐったがり屋の飼い主さんにとって、「顔シッポ」は、悶絶必至のネコハラ行為であり、「わざとやっている!?」とつい疑心暗鬼になってしまう場面かもしれません。
それでも、愛猫から事情をよくよく尋ねてみると、どうやら飼い主さんの想いとは異なるようです。
動物行動学的に言うと、猫が相手にしっぽを巻きつける行為は、最大級の信頼感の証です。そのくすぐったさとは裏腹に、実は、あふれる想いがほとばしっています。つまりは、決してイタズラ心からではなく、飼い主さんを心から慕ったうえでの行動というわけです。
いったん愛猫の真意が理解できたら、「顔シッポ」と同レベルの親密さを表す、「オシリノアナー彗星」の急接近もまた、飼い主さんは快く受け入れてあげられるかもしれません。
まとめ
秒単位で気分がコロコロ変わる猫は、その行動ひとつで、ときに飼い主さんをミステリーの世界に誘います。
今回は、注意深く読み取らなければ、つい誤解してしまう猫の行動を3つ紹介しました。
「ヘソ天」や「モノを落とす」「顔シッポ」などの猫の行動には、表向きと違って、愛情表現や何らかの要求が含まれていることもあります。
日頃から温かい目で見守りながら、細やかな観察を通じて、愛猫の本音にいち早く気づいてあげてください。そうすれば、愛猫は、ますます飼い主さんのことが好きになるはずです。