「プレミアム・アウトレット」の売上高が過去最高、インバウンドを取り込む三菱と台湾進出の三井
三菱地所グループが運営するアウトレット型の商業施設「プレミアム・アウトレット」の2024年度のテナント売上高が過去最高の4345億円を記録した。この数値は前年比7%増に値する。
三菱地所グループは全国で10の「プレミアム・アウトレット」を運営しており、売上高は2期連続で過去最高となった。この要因の一つはやはりインバウンドの影響だ。売上高トップの「御殿場プレミアム・アウトレット」は富士山の近くに立地し、都心からの直行バスなども多い。観光のついでにアウトレットでのショッピングを楽しみたいという層を取り込んでいる。アウトレット事業は売上高とともに店舗面積も増加傾向にあり、京都では周辺道路の開通時期に合わせて「京都城場プレミアム・アウトレット」を開業予定だ。
三菱地所グループのアウトレット事業が好調であるのに対して、三井不動産グループはどうだろうか。2024年度第3四半期決算説明資料を見ると、ららぽーと、三井アウトレットパーク、ララガーデンなどを含む国内施設の売上高は2022年度末から緩やかに減少していることがわかる。では三井グループのアウトレット事業は不調なのだろうか。国外に目を向けると必ずしもそうではないことがわかる。2025年度には愛知県にららぽーと安城を開業し、着実に国内の施設数を増やしながらも台湾を中心にアジア進出に力を入れていることが伺える。2026年度以降には台湾の高雄市にららぽーと高雄が開業する予定だ。