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大切なのは“睡眠休養感” 睡眠習慣の改善に必要なこととは?

TBSラジオ

近年、睡眠による休養を十分取れていない人が増えているというニュースをよく耳にしますよね。そこで今回、医療ジャーナリストで医師の森田豊さんに、睡眠についてのお話を伺いました。

「実は昨年末に厚生労働省が、推奨する睡眠時間や生活習慣を世代ごとに示した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」というものを新たにまとめました。 これは「睡眠による休養を十分取れていない人が増えている」などの問題があまり改善されていないことから、再度まとめられたということです。最近では、睡眠時間や傾向を調べるアプリを有効に活用している方もいらっしゃいますよね。今回は、このガイドを参考にしながら改めて自分たちの「睡眠」について考えてもらい、改善できる機会にできればと思います。」

必要な睡眠時間は年代によってバラバラ!高齢者は寝過ぎに注意

「一般的に成人が推奨されている睡眠時間は6時間以上が目安とされています。小学生は9時間~1時間、中学生・高校生は8時間~10時間が推奨されていますが、逆に高齢者については、8時間以上にならないことを目安に必要な睡眠時間を確保してほしいとされています。高齢者は長く床についていると眠りが浅くなったり、寝つきを悪化させますし、8時間以上寝床にいる人では、死亡リスクがおよそ1.5倍を超えるという報告もあるみたいです。私たちも年齢を重ねてきて、寝つきが悪くなったり、長時間寝られなくなったりすることは、なんとなく実感していますよね。体の中には、睡眠を促すホルモン「メラトニン」が分泌されているのですが、年とともに、このメラトニンの分泌の量が減るんです。40歳以上では、10歳の時の5分の1ほど。とても減少しています。さらに、年とともに日中の活動量が減ってくるので、昼間に活動的でなくなることも睡眠時間を短くしていると考えられています。」

特に大切なのは“睡眠休養感”

「この“睡眠休養感”というものは、“目覚めたときに体が休まった”と感じるものです。アメリカで行われた調査では、40歳から64歳の働き盛りの世代について、睡眠時間が5時間半未満で“睡眠休養感”が低い人ほど、死亡リスクが高まったという結果が紹介されました。冒頭でもお伝えしたとおり、「成人の睡眠時間は6時間が推奨」とされているのがその理由で、睡眠時間が短ければ、“睡眠休養感”は得られにくいです。これからは寝起きのタイミングで、この“睡眠休養感”を意識してみてほしいです。今回の報告では、睡眠休養感を高めるには、睡眠時間の確保だけでなく、就寝間際に食事を取らないことや、朝食をきちんと食べたりすることも大切だとされていたので、自分の生活を改めて考えてみてください。」

また、子供についての研究結果で、睡眠時間が不足すると、肥満のリスクが高くなってしまったり、学業成績が低下したりしたという報告も。対策としては、生活習慣の改善で、小学生から高校生までは1日に1時間以上の運動をしたり、ゲームやスマートフォンの利用時間を2時間以下にすることが推奨されています。「寝る子は育つ」とはよく言ったもので、親が子供の睡眠時間や睡眠休養感をある程度管理してあげることも、必要なのかもしれません。

日本は世界各国の平均睡眠時間より1時間以上短い

世界各国の平均睡眠時間は8時間28分で、日本の平均は7時間22分。これは各国の平均時間よりも1時間短く、先進33カ国の中で最も短い結果となりました。これは世界経済開発機構(OECD)が2021年に発表したデータなのですが、3年ほど経った今でも、あまり変わっているとは思えません。この番組でも何度もお話ししていますが、ここからは改めて「睡眠を取りやすくする環境づくり」についてお話しします。

①体内時計を整えるため、日中にできるだけ日光を浴びる機会をもつこと
②就寝の1時間から2時間前に入浴して、体温を上げてから布団に入ること
③寝室にはスマートフォンやタブレットを持ち込まず、可能な限り暗くして寝ること
④寝る前にリラックスする時間を作ったり、無理やり寝ようとしないこと

ここ数年、ずっと言われていることですが、なかなか難しいですよね。その他にも、1日のカフェインの摂取量をコーヒーだとおよそ4杯分としていて夕方以降は控えることや、深酒はせず、眠るためのお酒は控えること、ニコチンが入ったタバコをやめること。また、仕事の時間がバラバラだったり交代勤務の仕事についている人は、眠気や疲労改善のため、昼寝をしたり、夜勤中に20分~50分の仮眠を取ったりしましょう。

睡眠休養感などが低下していると感じたり、生活支障があるときは、速やかに医療機関を受診してくださいね。

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