【特集記事】のんびり巡る、フラワー長井線の癒し旅 |山形おすすめ日帰り旅行
山形県南陽市の赤湯駅を起点に、長井駅を経由して、終点の白鷹町の荒砥駅まで約30kmを走る山形鉄道「フラワー長井線」。
全国初の市庁舎と一体の「長井駅」や、国の登録有形文化財に指定された「羽前成田駅」など駅自体も魅力的ですが、開園110年を超える日本有数のあやめが見られる「あやめ公園」、縁結びで有名な山形県内有数のパワースポット「熊野大社」など、駅付近に県内でも人気の観光地があり、日帰り観光におすすめです。
そんな長井線の開業は1913年。
赤湯ー梨郷間が長井軽便線として1913年に開業し、1923年に全線開通(鮎貝~荒砥間)したそうです。
つまり、今年2023年は「長井線全線開通100周年」なのです!
そのため、2023年は100周年にちなんだイベントが開催されています。
詳しくは公式HPをご覧ください。
フラワー長井線沿線は見どころが満載で、どのように巡ったら良いか迷ってしまいますが、今回私は、赤湯駅を出発して羽前成田駅まで行き、そこからあやめ公園駅、長井駅、宮内駅で途中下車をして、赤湯駅に戻ってくるというルートで巡ってきました。
山形鉄道株式会社 webサイトより
そして、今回の日帰り旅で使ったのが、「土・休日フリー切符」。
こちらの切符を購入すると、フラワー長井線が
「1日1,000円で乗り放題!」「大人1名につき小学生以下2名まで無料!」なんです!
これはお安い、、、。
是非こちらの切符を使って列車旅を楽しんでみてください。
※利用日:土曜日、日曜日、祝日限定
※販売場所:赤湯駅、宮内駅、長井駅、荒砥駅、車内(乗車時に運転士にお声がけください)
詳しくはこちらをご覧ください。
それでは、早速、フラワー長井線おすすめ日帰り旅をご紹介していきます!
① 赤湯駅 (8:59発)
まずは、赤湯駅からスタートです。
赤湯駅は、パラグライダーを模したアーチ型の屋根が可愛い駅舎。
なんと、産業省グッドデザイン賞を受賞しているんですって。
南陽市にある南陽スカイパークでは、パラグライダー体験をすることができますので、気になる方は是非行ってみてください。
それでは、こちらのイエローの車体に、色とりどりのダリアがちりばめられた華やかなラッピング列車に乗り込みます。
こちらのダリアの列車の他に、花の名所が点在する本線の魅力を広めていくことを目的に、フラワー長井線沿線の4地域の花「長井市のあやめ」「南陽市の桜」「白鷹町の紅花」「川西町のダリア」をモチーフにした列車もあるんですって。
どんな列車に乗れるのか、ワクワクしますね。
今回の旅で全ての車両に乗れるかな?
それではフラワー長井線の旅、スタートです!
土・休日フリー切符は列車の中で運転士さんから購入します。
窓の外に広がる景色を眺めながら、ゆったりのんびり過ごすのも良いですね。
それでは、次の駅に行ってみましょう!
② 羽前成田駅 (9:37着・10:38発)
今どき珍しい木造の駅舎の羽前成田駅。
1922(大正11)年に開業し、大正期からの鉄道の歴史を伝える貴重な建築と言われているそうです。
2015年には登録有形文化財に登録されました。
電灯もレトロで温もりを感じます。
駅の中には、木造のイスや吊るされた鉄瓶など歴史を感じる雰囲気に、タイムスリップしたような気持ちになります。
駅の入口から、ホームに続く扉を開けると、気持ちの良い風が入ってきました。
列車の時間まで少しあるので、周辺を散策しようと、駅の正面にある周辺マップを見てみます。
●創菓処 日進堂
近くにお菓子屋さんがあるようです。
行ってみましょう。
5分くらい歩くと可愛い外観のお店が見えてきました。
創菓処 日進堂は、全国菓子博覧会名誉大賞など、数々の賞を受賞した100年続く老舗のお菓子屋さんです。
「白うさぎ」と、あやめだんごの「あやめっ娘」を購入しました。
どうして、うさぎ?と思いましたが、実は羽前成田駅の隣の駅は「白兎駅」なんです。
そして、長井市はあやめのお花が有名です。
こういった地元ならではの商品を見るとついつい購入したくなります。
お菓子を食べながらまったりとしていると列車が入ってきました。
今度はオレンジがベースの車体に「白鷹町の紅花」が散りばめられた列車です。
こちらも素敵ですね。
どこか懐かしく、心地よい雰囲気の羽前成田駅をあとにし、次は、あやめ公園駅に向かいます。
創菓処 日進堂
<営業時間>
8:30~18:30
<定休日>
なし
<住所>
長井市成田1667
0238-88-2477
③ あやめ公園駅 (10:41着・12:04発)
あやめ公園駅に到着!
長井市のシンボル「あやめ」。
長井市には、あやめが咲き乱れる日本有数のあやめ公園があります。
それでは、あやめ公園駅から徒歩数分の距離にある、あやめ公園に向かいます。
今回特別に、長井市役所の佐藤さんに園内をご案内していただきました。
佐藤さん、本日はよろしくお願いします!
ここからは、会話形式で進めさせていただきます。
佐藤さん「あやめ公園には様々な品種のあやめがありますが、長井固有の品種もあるんです。それは、長井古種と呼ばれ、全部で34種類。また、その中の13種類が長井市の天然記念物になっていて、その13種類が全て見られるのは、全国でもこの“あやめ公園”だけなんです!」
私「え!そうなんですか!知らなかったです!」
私「園内には沢山のあやめがありますが、どのくらいの品種があるのですか?」
佐藤さん「このあやめ公園では、大体500以上の品種を守っています。」
私「500!?そんなに沢山の品種があるのですね。周りを見渡すと、お花の色が違うのは見て分かるのですが、他にはどんな違いがあるんですか?」
佐藤さん「例えば、こちらは改良により6枚くらいの花弁があります。その方が見栄えが良くなるだろうと改良された品種です。」
佐藤さん「たいして、長井古種は必ず花弁が3枚なんです。こちらはこちらで凛とした可愛さがあるんです。」
私「へー!本当ですね!お花の色だけでなく、花弁の数にも違いがあったんですね!」
佐藤さん「ちなみにこちらの花はこれで満開なんです!」
私「えーーーー!」
佐藤さん「爪のように開くので、この咲き方を爪咲きと言うんです。」
私「なるほど!だから名前も”長井 鷹の爪”というんですね。」
私「気になったのですが、それぞれのお花の名前がかっこいいですよね。」
佐藤さん「そうなんです!長井のあやめは全て長井にちなんだ名前になっています。三淵渓谷の”三淵の波”や、その三淵渓谷に身を投げたとされるお姫様の名前の”卯の花姫”など、先人が付けてくださった素敵な名前のお花が沢山あります!」
長井古種の中でも様々な色・形・長さのあやめがあるので、是非皆さんもそれぞれ比較して見てみて下さい。
私「これがSNSで話題のアンブレラスカイですね!」
佐藤さん「そうです!コロナ禍でイベントができなくなった代わりに、お客様に目で楽しんで頂けたらと思って始めた企画なんです。」
地面に写る傘の影も可愛い、、、。
佐藤さん「こちらはお土産屋さんです。」
私「扉が空いていて、開放感のある雰囲気がとっても素敵ですね!」
佐藤さん「あやめにちなんで作られた、それぞれのお菓子屋さんの“あやめだんご”がおすすめです。」
私「今日食べた日進堂さんのあやめだんごの他にもこんなに沢山のあやめだんごが!色々と選べていいですね。」
私「なんですかこのインパクト抜群のかりんとうは!」
※撮影のために許可を得て、持たせて頂きました。
佐藤さん「これは、大わらじを模して作ったかりんとうです。こちらも人気ですよ。」
そうこうしている内に列車の時間です。
佐藤さん、長い時間お付き合いいただきましてありがとうございました。
あやめのお花を沢山知ることができ、とても楽しかったです。
あやめ公園の余韻に浸りながら列車を待っていると、ピンク色の列車が見えてきました。
「南陽市の桜」がモチーフの列車に乗り、長井駅に向かいます。
あやめ公園
✤ あやめまつり開催期間中 ✤
(6月中旬~7月初旬)
9:00~18:00 (一部夜間営業日あり)
【まつり期間外は一般開放しています】
<料金>
無料
※あやめまつり期間中のみ有料
(大人 500円、小人 200円)
(団体20名以上 大人400円、小人100円)
<駐車場>
有り(約200台)
<お問合せ>
長井市観光文化交流課
0238-84-2111
④ 長井駅 (12:07着・13:45発)
あやめ公園駅から1駅分列車に乗ると、長井駅に到着します。
こちらの駅は、”全国初”の建物なのですが、皆さんは何が全国初か分かりますか?
正解は、全国で初めて「庁舎と駅が一体になった建物」なんです。
2021年にできたばかりの建物なので、中がとっても綺麗。
駅のフリースペースで、おばあちゃんがご友人と談笑していたり、高校生の皆さんが勉強していたりと、地元の方の交流スペースになっていたのが印象的でした。
お昼の時間になったので、ランチに行きます。
駅の近くにおすすめのカフェがあるとのことで向かってみます。
●Cafe&Lunch 山ノ下
今回、伺ったのはこちら、山ノ下。奥に見えるのが、長井駅です。駅に近くてアクセス抜群!
お店の中に入ると、手前にカウンター席があり、奥にはテーブル席がありました。
自然光が差し込む店内がとても爽やかで素敵な雰囲気。
フードとスイーツを注文しました。
タコスの具材をお米に乗せて食べるタコライス。
【タコライス】
スパイシーなお肉とたっぷりの野菜を一緒に食べられて美味しい~。
見た目が可愛いパンケーキも注文しました。
【アイスがのってるパンケーキ】
パンケーキとアイスの組み合わせって、本当に罪深い。
美味しくてすぐにぺろりと平らげてしまいました。
【ソルトナッツ&キャラメルで厚焼きパンケーキ (季節のメニュー)】
ご覧ください。
この厚みのあるパンケーキを。
フォークが奥まで刺さるほど、ふわふわのパンケーキ。
ソルトナッツとキャラメルが良く合います。
厚焼きパンケーキは、今回注文した季節限定メニューの他にも、定番メニューでも提供しているので、お好きなパンケーキをその時の気分で選ぶことができます。
美味しいごはんとスイーツで幸せな気持ちになったところで、次の駅に向かいます。
レッツゴートゥー宮内駅!
Cafe&Lunch 山ノ下
<営業時間>
ランチ:11:00~14:00
カフェ:14:00~18:00
<定休日>
月曜日
<住所>
長井市栄町1-6
0238-87-0666
⑤ 宮内駅 (14:11着・16:41発)
長井駅から7駅の宮内駅へ到着。
●熊野大社
駅から徒歩15分ほどの距離にある熊野大社へと向かいます。
大きな鳥居が見えてきました。
この大鳥居をくぐると、熊野大社はもうすぐそこです。
参拝の前に手水舎 (てみずしゃ)でお清め。
お花が浮かんでいてとても綺麗でした。
お御坂 (おみさか)と呼ばれる坂を上ります。
こちらの石段は47段あり、かつては馬に乗り参拝する方がいたことから、通常の石段よりも大きな造りになっているんですって。
太陽に照らされた木々の中を上っていくのは、なんとも気持ちがいいですね。
縁結びで有名な山形県内有数のパワースポット、熊野大社。
熊野大社には全部で三十柱の神様がお祀りされているそうです。
神社と言えば、おみくじ。
今回は春・夏・秋限定の水みくじを引いてみました。
ふふふ。今回は大吉でした。
今年は良いことが起こりそう!
なんと熊野大社の敷地内に風鈴のトンネルが現れました!(2023年6月中旬撮影)
可愛い雰囲気にテンションが上がります。
赤い風鈴のベンチもあり、沢山の参拝にきたお客さんが写真を撮影していました。
風鈴の音色のおかげで涼しげな気持ちになれました。
時期によって、風鈴から風車になったりと、雰囲気が変わるので、何度も訪れたくなりますね。
本宮の裏側の彫刻には3羽のうさぎが隠し彫りされていて、その3羽を全てみつけると良縁に恵まれる、願い事が叶う、と言い伝えられているそうです。
私は2羽を見つけて力尽きました、、。
皆さんは、ぜひ3羽のうさぎを見つけてみてください。
●icho cafe
神社を参拝した後は、境内にあるカフェでひと休み。
こちらは、熊野大社の古い売店をリノベした人気のカフェicho cafe。
木製のテーブルなど、木の温もりを感じつつ、落ち着いた雰囲気のおしゃれな店内。
ドリンクとお菓子をいただきました。
ドリンクは、アイスコーヒーと期間限定のローズソーダを注文。
ローズソーダは、icho cafeから徒歩数分の距離にある双松バラ園のばらまつりに合わせて考案されたメニューで、ローズシロップを使った爽やかなソーダでした。
来年はバラ園にも行ってみたいです。
こちらはレーズンサンド。
【レーズンサンド】
自家製ラムレーズンとバタークリームがクッキーでサンドされています。
うさぎが描かれていて可愛いですね。
icho cafeの店舗の隣には樹齢900年を超える大きな大きなイチョウの木があります。
青々としたイチョウも素敵ですが、秋になると鮮やかな黄色に色づいたイチョウを見ることができますので、是非様々なシーズンに行ってみてください。
2022年11月撮影
熊野大社
<住所>
山形県南陽市宮内3476-1
0238-47-7777
icho cafe
<営業時間>
10:00~17:00
<定休日>
なし
<住所>
山形県南陽市宮内 3707-1
0238-20-6110
⑥ 赤湯駅 (16:46着)
ラーメンの街、赤湯に帰ってきました。
今回は立ち寄れませんでしたが、次回は赤湯駅散策と共に赤湯ラーメンを食べたいと思います!
山形鉄道の清野さんからVISIT YAMAGATAをご覧の皆様へメッセージをいただきました。
(左) 清野さん、(中央) 山田さん、(右) 中川さん
列車を乗り降りしながら沿線を巡られる観光客の方や、鉄印 (御朱印の鉄道版)が目当ての方、近くに遊びに行く近所の方、また、長期休みにはおじいちゃんおばあちゃんとお孫さん…と幅広い方々にご利用いただいております。
長井駅や宮内駅、あやめ公園駅などには駅周辺にお店がいろいろあるので、街歩きとセットで楽しんでいただきたいです。
フラワー長井線 (山形鉄道株式会社)
公式HP
今回の記事では、フラワー長井線の旅をご紹介いたしました。
山形県は自家用車保有台数が全国でも多いことが知られている車社会の県です。
みなさんも、普段は車での移動が多いと思いますが、ゆったりと列車に揺られ、目的を決めずに街歩きをしてみるのもおすすめですよ。
ふらふらと街を歩いてみると、思いもよらなかった素敵なお店に出会うかもしれません。
皆さまも是非一度、フラワー長井線の旅を楽しんでみてください。