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【中高生の性教育】親も子どもも知っておきたい 「コンドーム」の正しい装着方法を国内シェアNO.1メーカーが解説

コクリコ

コンドームはアダルトグッズではなく、法律で定められた医療機器です。正しく使えば、性感染症や望まない妊娠から私たちの体を守ってくれます。コンドームメーカーとして性教育に取り組むオカモト株式会社に、コンドームの正しい使い方を聞きました。正しい装着動画付き。全3回の3回目。

親も子どもも知っておきたい シェアNo.1メーカーが教える正しいコンドームの装着方法

私たち自身や大切なパートナーを性感染症などから守ってくれるコンドーム。正しく使えば高い効果を発揮しますが、使い方が間違っていると性感染症や望まない妊娠につながってしまうことも。コンドーム国内シェアNo.1メーカーとして性教育に取り組むオカモト株式会社の和田翔雅さんに、親も子どもも知っておきたい、コンドームの正しい使い方を、わかりやすく教えてもらいました。

コンドームはアダルトグッズではなく「管理医療機器」

──普段、コンドームのことを話題に出すことがありません。子どもたちに正しいコンドームの使い方を知ってもらうためにも、今日はコンドームについて、とことん教えてください。

和田翔雅さん(以下、和田さん):あまり知られていないことかもしれませんが、実はコンドームは医療機器です。避妊と性感染症予防の補助を使用目的とし、薬機法上はクラスⅡの「管理医療機器」に分類されています。長さや強度、厚み、穴・破れ・水漏れがないことなど、一定の規格が法律で決められていて、その基準をクリアしたものだけが認可されます。

つまり、コンドームは決してアダルトグッズではなく、性感染症などのリスクから私たちの体を守ってくれる予防ツールなのです。

中学校や大学のイベントでも性教育を伝える、「オカモト株式会社」和田翔雅さん。

──コンドームが医療機器だとは知りませんでした。

和田さん:コンドームの歴史は古く、ゴムが登場するまでは絹や麻、魚の浮き袋や羊の腸など、人類はさまざまな材料を使ってコンドームを作ってきたともいわれています。

そして、1844年にイギリスで、現在のようなコンドームの前身となるゴム製のコンドームが開発されました。

今ではゴム製が主流になったコンドームですが、どれも同じではありません。薄さ、素材、サイズ、デザインなどさまざまなコンドームがあるので、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

「オカモト」で発売されているさまざまなタイプのコンドーム。

サイズが合わないとはずれたり漏れたりすることも

──実際にコンドームはどのように選べばいいのですか?

和田さん:選ぶポイントとしては、素材や大きさ、デザインなどいくつかのポイントがありますが、サイズ選びも一つのポイントです。細すぎれば締めつけがきつく、コンドームに対してネガティブな印象を持ってしまいます。

一方で、大きすぎれば外れてしまったり、精液が漏れてしまったりして、期待する効果を得られないこともあります。

素材によって伸び方も変わります。

和田さん:コンドームには標準サイズの他に、S、L、XLなどのサイズ展開があります。メーカーによって多少の違いはありますので、まずは標準サイズをお試しいただき、お好みに合わせて他のサイズをお選びいただくのがおすすめです。

コンドームにもさまざまなサイズがあるので、購入時に確認すると安心です。

ゴムアレルギーの人は素材にも注意!

和田さん:ほかには、例えば素材なら、大きくわけて天然ゴムラテックス製と合成素材製があります。

天然ゴムラテックス製は、とても伸びが良くしなやかで、最も一般的なコンドームの素材です。色や大きさ、厚さなど種類が豊富で、さまざまな商品があります。

一方で、合成素材の中でもポリウレタンは、フィルムのような素材でより薄いコンドームを作ることができます。肌が敏感で、天然ゴムにアレルギーがある人でも使用できるのがメリットです。

どの素材が自分に合っているかは、装着してみた使用感で決めるといいでしょう。商品の箱を見ると、裏側などに素材が書かれているはずですから、一度、確認してみるといいと思いますよ。

正しい使い方5つのポイント

──コンドームは、正しく使えば避妊率は約98%ですが、使い方が正しくないと約15%となり、避妊に失敗することもあると聞きました(※1)。正しい使い方のポイントを教えてください。

和田さん:コンドームを使用するときは、次の6つのポイントに気をつけましょう。

1.爪が伸びていないか確認

①最初にまず、自分の手を確認しましょう。爪が伸びていたら、コンドームを傷つけて破ってしまうことがあります。また、コンドームは油との相性が悪く、破裂の原因になることも。手のひらにハンドクリームなどがついていないかもチェックしましょう。

2.「表」と「裏」を確認する

②コンドームの表と裏を確認します。個包装の袋に記されていることもあるので、忘れずにチェックしましょう。

3.コンドームを端に寄せてから開ける

③開封するときに気をつけることは、コンドームを端に寄せてから袋を開けること。端に寄せることで、開封時にコンドームに傷をつけてしまうことを防ぐことができます。

4.先端部分の空気を抜く

④取り出したら、表と裏を確認し、“精液だまり”と呼ばれる先端の部分を指の腹で空気を抜きながら亀頭にのせます。こうするでコンドームの破れを防ぐことができます。

5.指の腹でゆっくりと巻き下ろす

⑤亀頭にかぶせたら、指の腹を使ってゆっくりと転がしながら根本まで巻き下ろして装着していきます。

射精後はすみやかに、精液が漏れたり、コンドームが抜けたりしないように、根本を押さえながら外します。使用後のコンドームは、精液が漏れないように根本を縛ってから、ゴミ箱などに捨てましょう。

なお、コンドームは必ず膣への挿入の前から装着しておくことが重要です。精液以外にも、射精前のカウパー腺液にも、少量の精子が含まれているので、最初から装着しておくことが大切です。

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コンドームはアダルトグッズではなく、私たちの体を守ってくれる医療機器であること、正しく使わないと効果が得られないことなどをオカモトの和田さんに教えていただきました。

性感染症や望まない妊娠を防ぐために、私たちも正しい知識を身につけて自分と大切な人の体を守りたいと思います。

取材・文/横井かずえ

【参考資料】
※1 厚生労働省研究班 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ
https://w-health.jp/delicate/anticonception/

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