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25年11月のデフリンピックに合わせて実施する新作公演『TRAIN TRAIN TRAIN』 制作発表にて森山開次、和合由依、栗栖良依が意気込みを語る

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TOKYO FORWARD 2025 文化プログラム『TRAIN TRAIN TRAIN』制作発表より

東京都及び公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場が、2025年11月のデフリンピックに合わせて実施する新作公演『TRAIN TRAIN TRAIN』の制作発表が、2024年9月22日(日・祝)に「TOKYO パラスポーツFORWARD」にて行われた。この度、制作発表でのスタッフ・出演者のコメントが公開されたので紹介する。

新作公演『TRAIN TRAIN TRAIN』は、東京で世界陸上とデフリンピックが開催される2025年に、東京都が実施する3つのアートプロジェクト「TOKYO FORWARD 2025 文化プログラム」の一つ。 東京2020パラリンピック開会式のキャスト・スタッフが集い、新たな仲間を加えて創作する新作で、「Train」をモチーフに、車いすの少女が不思議なSLと旅をする冒険譚だ。

9月22日(日・祝)の制作発表では、演出・振付の森山開次、出演者の和合由依、アクセシビリティディレクターを務める栗栖良依の3名が登壇し、それぞれに意気込みを語った。また、制作発表会当日は小池百合子東京都知事より応援メッセージが寄せられた。

本公演では、オーディションにて出演者を募集。障害の有無に関わらず応募可能で、11月に詳細が公開される。

『TRAIN TRAIN TRAIN』制作発表より

■森山開次(演出・振付)よりコメント

森山開次(演出・振付)

東京2020大会パラリンピックを創り上げたチームに新たな仲間が加わって、来年11月に東京芸術劇場で「TRAIN TRAIN TRAIN」という舞台作品を発表します。

東京2020パラリンピック開会式が終わって、本当にみなさんの感動が冷めやらない状態で、作り手である私たちも興奮が冷めなかったのですけど、そのなかで次に何ができるか皆で一生懸命考えて、数日後には、一枚絵を描いたんですね、それがSLの絵だったんです。
今回の作品は、一人の少女が、不思議なSLに出会い、旅をする物語なんですが、その中でさまざまな乗客に出会い、それぞれのストーリーを体験し、少女も、そして出会う人たちも自分の大切なものを見つけていく、そんな夢が抱ける物語を作っていきたいと思います。

その物語を身体表現でどこまで迫れるのか。観客の皆さまに、身体表現が素敵だなと思っていただければ嬉しいですし、舞台の中で寂しいこと、辛いこと、楽しいこと、嬉しいこと、たくさん経験してほしいです。楽しんでいただけるように、精一杯努力して創り上げていきたいと思います。

東京2020パラリンピック開会式で楽団を率いて素晴らしい音楽を奏でてくれた蓮沼執太さんが、この作品でも音楽を手掛けてくださいます。あの開会式での絆をこの作品に活かしてくださると思います。

今作には、さまざまな人々に集まっていただきたいので、一般公募のオーディションを考えています。詳細は11月上旬に発表しますが、一緒に参加するキャストやスタッフも今後お知らせしていきますので楽しみにしていてください。

■和合由依(出演者)よりコメント

和合由依(出演者)

パラリンピック開会式が終わって3年になりますが、まさか再会できるとは、そして作品づくりができるなんて。この3年で、自分もアップデートした部分があるので、それを今回の表現に生かしてパラリンピック開会式の作品以上のものを作っていきたいと強く思っています。

(これからオーディションを受ける方へのアドバイスは? との質問に)

アドバイスを言えるほどの立場ではないですが、私は、素でいることを心掛けています。
オーディションでも、人対人として関わる時もそうですが、オーディションに落ちても受かっても、素をみてほしいので、大きく見せようとせずにそのままの飾らない自分でいこうと、いつも決めています。

■栗栖良依(アクセシビリティディレクター)よりコメント

栗栖良依(アクセシビリティディレクター)

アクセシビリティディレクターとして、障害のあるパフォーマーが安心安全に表現したり、誰もが楽しんで鑑賞できるような作品にしていくためにディレクションしていきます。障害のあるパフォーマーと森山開次さんのようなプロのアーティストの方の間に入って、それぞれの強みを生かし合いながら新しい表現のアイデアに昇華させていく、通訳や潤滑油のような橋渡しとなる役割を担っています。パラリンピックの開会式でも同じような役割を担ったので、今回もしっかり伴走していきます。

東京2020パラリンピックの開会式では、障害のある人が障害を理由に舞台に立つことを諦めなくて済むような環境を作りたいと思い、何年もかけて整備に取り組んできました。そこで培ったレガシーを、東京2020大会で終わらせるのではなくて、さらに来年デフリンピックが開催される東京の街へと、浸透させていくべく頑張っていきたいです。そんな想いがあっての、今回の企画です。


小池東京都知事による応援メッセージ(当日はMC代読)
東京2020パラリンピックの開会式に感動された方も多いのではないでしょうか。
和合由依さんが演じた「片翼の小さな飛行機」が、様々な出会いを通じて、 最後には、自分の翼で飛び立つという物語に、私も大変感動しました。
当時のキャスト・スタッフの絆がレガシーとして残り、2025年のデフリンピックに合わせて、新作を発表できることとなり、とても嬉しく思います。
今年の11月には出演者オーディションで募集しますので、障害の有無に関わらず、ぜひチャレンジしてください。

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