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区内に残る大蛇伝説 民話から紐解く

タウンニュース

巳年の今年、有馬の影取谷戸に伝わる「影取大蛇」の伝説を追った―。

丘と丘に挟まれた谷を「谷戸(やと)」と呼ぶ。宮前区内では初山のとんもり谷戸が有名だが、有馬にも影を取る大蛇の住んでいたという影取谷戸の地名が残され、有馬梅林公園の近くには伝説を示した説明板が立っている。

宮前区歴史ガイドまち歩きによると、かつて大蛇が棲むという沼が有馬の峯道の北側にあり、峯道を通る人の影が沼に映ると大蛇に影を取られ大勢が亡くなったという。村の娘「おせん」が大蛇の犠牲になった後、村人は沼を埋めてしまった。ある夜、雷鳴が響き、影取谷から青い光が尾を引くように飛んで行った。その話も忘れられた頃、向こうの山の崖が崩れ白蛇の骨が出てきた。村人は水上様の使いだとし、丁寧に祀ったという。

「この伝説は、昭和8年発行された尋常小学校の副読本『郷土之お話』にも採録されている」と教えてくれたのは、数年前から大蛇伝説を調べている馬絹在住のイラストレーター・貴房さん。「郷土之お話」バージョンは、概ね案内板の話に似ており、違うのは「重い病にかかり死んでしまった」のではなく、水面に映った姿を吸い取られそのまま実体も消えて永久に行方不明になってしまったことだという。

昔から蛇は各地で神聖視され、ご神体としても信仰を集めていた。鎌倉幕府後家人・和田氏の氏神として祀られた南野川の和田八幡宮にも、「池の主」という大きな白蛇伝説があり、池を埋められ棲家を追われた白蛇が逃げついた場所と言われている。歴史愛好家たちは「名望や信仰などから、各地でこうした伝説が生まれたのではないか」と推測している。

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