「卵巣嚢腫」の発覚! 病気とともに歩んだ、私の妊娠生活
駆け出しライターの“まるもりこ”です。年長児ともうすぐ2歳になる2人の娘の母です。
次女の妊娠とともに私に発覚したのは、「卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)」。しかも、発見された時点でかなり大きくなっていました。第2子を授かったうれしさと同時に、常につきまとう不安と恐怖。
「卵巣嚢腫」とともに歩んだ私の日々を綴ります。
卵巣嚢腫!? 不穏な妊娠生活の滑り出し
第2子を授かり、初めて健診に行った産婦人科でのことです。エコーを見た先生の怪訝な表情に、胸騒ぎがしたのを覚えています。
医師の説明によると、私は「卵巣嚢腫」という病気で、左卵巣が肥大化していました。その大きさは、なんと7cm。先生によると、通常の卵巣の大きさは1cm程度。一般的に、5cmを越える大きさになると手術を検討するそうです。しかし、時間の経過とともに小さくなる可能性もあるというので、次の健診まで経過観察することになりました。
予想もしていなかった告知に不安がいっぱいで、私は我慢できずにネットで調べてみました。卵巣嚢腫の中身は良性であることが多いそうですが、妊娠中に捻転や破裂が起こると胎児の命に危険が及ぶ可能性があると、ゾッとするような情報も見つけてしまいました。私の2回目の妊娠生活は、病気の不安に怯えながらのスタートとなりました。
更に肥大化…。そして、里帰り出産を決断
4ヶ月の健診で再び確認したところ、私の卵巣は更に大きくなっていました。7cmだった腫瘍が、1ヶ月の間に13cmほどになっていたのです。出産前に手術で卵巣を摘出することを視野に入れ、紹介状をもらって総合病院の産婦人科に転院することになりました。
しばらくはそこで受診をしていましたが、出産の際のリスクや上の子(当時3歳)のお世話も心配でした。悩んだ結果、遠方にある実家へ里帰り出産することを決断しました。妊娠7ヶ月の時で、手術で卵巣を摘出できる時期は既に過ぎてしまっていました。
転院先の病院も決めずに実家へ向かってしまったため、到着してすぐ、緊急事態に対応できる病院を選び、お願いすることにしました。担当の先生は腫瘍の大きさに驚いていたようですが、卵巣嚢腫を抱えての出産自体は珍しくはないことを説明してくれました。しかし、腫瘍は変わらず13cm前後でした。
不安の中で出産。しかし、腫瘍はそのまま…?
先生のアドバイスで一時は安心しますが、夜になると不安がよみがえります。「なぜ私が?」という思いが私の頭の中でぐるぐると回っていました。痛みや違和感はありませんでしたが、腫瘍が腸を圧迫してひどい便秘になっていました。
私は、状況から出産は帝王切開の可能性があると聞いていましたが、腫瘍が子宮に押されて上がったので経膣分娩も可能とのこと。仮にトラブルが生じても少しでもスムーズなお産になるよう、出産するまで毎日妊婦体操に励みました。そのおかげか、経膣分娩で特にトラブルもなく、無事に次女は誕生。顔を見たときには、心底ほっとしました。
しかし、産後も腫瘍は小さくなりませんでした。実家から自宅に戻り、通院を始めると、ついに捻転を起こしてしまいました。産後5ヶ月のことです。今まで経験したことのない鈍痛で痛み止めも効かず、横になることもできませんでした。病院へ運ばれ、緊急手術で卵巣を摘出しました。
こうした経過を経て、第2子は妊娠39週、体重3140g、身長49cmで生まれました。卵巣が肥大化した狭いおなかの中で、よく頑張ってくれたと感心しています。
手術後に聞いた話では、腫瘍が2回転し、赤黒く変色して壊死寸前だったそうです。自分の体の中で大変な事態になっていたかと思うと、肝が冷える思いでした。普段から婦人科の定期健診を受けていれば、もっと早く気付けたかもしれません。定期健診の大切さを改めて実感しました。
今では自分自身の健康と、次女の健やかな成長に感謝して過ごしています。
[まるもりこ*プロフィール]
好奇心旺盛な元自衛官です。夫と2人の娘の4人家族。在宅ワークをしながら、育児に家事に遊びに、毎日大忙しです。最近は自分のお洒落はお構いなしで、娘たちの服のコーディネートを考えるのを楽しんでいます。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。