「酒は百薬の長」はもう死語!? 寝酒が快眠を妨げる理由は?【眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話】
お酒は疲労回復面ではメリットなし
飲むなら適量で、睡眠前には水を
「酒は百薬の長」という言葉は、もう死語だと理解してください。「赤ワイン1杯は健康長寿」と言われていた時代もありましたが、最新の研究では1杯の飲酒も有害であることが示されています。ただ、健康面以外では、コミュニケーションに役立ったり、一時的ではあるものの気分を解放してくれるのも事実。医学的には断酒がベストですが、どうしても飲酒したい際はやはり適量にするのがベター。
アルコールの90%は肝臓で処理されますが、その代謝のプロセスで活性酸素が発生します。適量を超えれば、それだけ活性酸素が増えることになり疲労も増していきます。さらに脱水も起こりやすく、自律神経とその中枢に大きな負担をかけることになるのです。
夜、なかなか寝付けないため、寝酒をして寝るという人もいますが、それは酩酊して寝落ちしているだけ。睡眠の質は大きく低下し、脳を疲労から回復させる深い眠りである「ノンレム睡眠」の時間が短くなってしまうのです。さらに危険なのが、酔って寝るといびきをかきやすくなること。アルコールが喉や舌など気道周りの筋肉を弛緩させ、気道を狭くしてしまうのです。自律神経が休まらないばかりか、睡眠時無呼吸症候群の危険もはらんでいます。睡眠前によい飲み物とはコップ一杯の水なのです。
快眠を導く飲み物はなに?
お酒は飲み過ぎれば、アルコールやアルコールの代謝過程で生じるアセトアルデヒドの作用によって、脱水症状を起こしたり、眠りが浅くなったり、マイナス効果が増えていく。お酒が好きで気持ちよく飲みたいなら、自身の体質にあった適量の範囲をしっかり守ることが大事。なお、睡眠前に飲むといい飲み物は水。
これはNG!
寝酒飲み過ぎ
お酒は寝る3時間前まで
水が疲労回復にキク理由
脱水症状
体内の水分(血液やリンパ液など)が不足している状態
体液減少
体温調節機能が低下し、疲労感があらわれる
自律神経の疲弊
血液循環や心拍、血圧を調整する
自律神経がフル稼働
POINT:昼寝の前はカフェイン飲料
夜就寝前のカフェインはNGだが、昼寝前はおすすめ。覚醒作用が働き、20~30分後のちょうどいい時間に目が覚める。昼寝は20分程度、12~15時の間にするとよい。
コップ半分(80~100ml)の水をこまめに飲むとよい!
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話』著:梶本修身