土蔵造り歴史ある酒蔵の2階が旅情を誘うアジアンカフェに【nanahime】ノスタルジックな宿場町に気鋭の若手店主が集う 話題の滑川瀬羽町の注目点
かつて北国街道の宿場町として栄えた滑川市瀬羽町。
人も物も行き交う通り沿いには当時の宿や商店などの町屋が軒を連ね、現在もその頃の面影を残します。なかでもひと際目を引くのが、旧・宮崎酒造。国の有形文化財として登録され、映画『大コメ騒動』のロケ地としても使用されました。
その瀬羽町を舞台に毎年夏に行われているのが、なめりかわランタンまつり。
港町としてさまざまな国の文化の影響を受けながら、かつては日本人町も存在していたというベトナム中部のホイアンの美しいまちなみが瀬羽町に通ずるとして、ベトナムランタンを飾りつけるようになりました。
旧・宮崎酒造もその会場のひとつとしてカラフルなランタンの光に包まれ、異国情緒に彩られます。
今回は、そんな滑川の夏にぴったりなアジアンカフェを紹介します。
ノスタルジーと異国情緒が同居する 滑川・瀬羽町
店があるのは、国の登録有形文化財でランタンまつりの会場にもなっている旧・宮崎酒造。土蔵造り2階建ての重厚な建物には酒蔵、麹蔵、衣装蔵が今も残り、かつて大店としてまちをにぎわせた酒屋としての面影を感じられます。
歴史ある酒蔵の2階に アジアンカフェ
そんな建物の2階にあるのが、カフェ「nanahime」です。
古い建物なだけあって、太くて立派な梁や柱がめぐらされている店内は、重厚そのもの。天井も決して今の建物のように高くはありませんが、不思議と圧迫感はありません。
店主は、小さなころから東南アジアが好きだったという明日香さん。
店内には明日香さん自ら描いたベトナムの絵や、現地で買い付けた雑貨が並んでいます。
東南アジアに和をプラス メニューにも漂う旅情感
辛みが苦手な人でも食べられるグリーンカレー
そんな「nanahime」では、内装だけでなくメニューからも異国情緒を感じることができます。
グリーンカレーは、明日香さんがタイの友人からレシピを教えてもらったり、さまざまな店のカレーを食べ歩いたりして作ったもの。辛さやスパイスが強すぎず、本格的でありながら辛いものに不慣れな日本人でも食べやすいように工夫されています。
白玉とタピオカが一緒に… もちもちのカラフルぜんざい
甘味のぜんざいも、和とアジアンが同居しています。
カラフルな見た目のぜんざいは、その名も「nanahimeぜんざい」。
青や赤の色をつけたカラフルな白玉にぷるん&もっちりなタピオカが交じり、さらにあずきや緑豆、黒豆などの豆類がたっぷりと入っています。
食べ慣れた味の安心感と好奇心をくすぐる変則感が両立していて、まさにこのロケーションにぴったりの旅情を味わえます。
店のメニューは、決して東南アジアのエスニック料理ばかりではなく、うどんや煮豚がメインのポーク定食などもあり、ラインナップの幅が広いのも特徴です。
子供からお年寄りまで、誰もが楽しめる店を目指しているんだとか。
ベトナムの定番スイーツ「チェー」も
豊富なメニューの中で、特に暑い夏にオススメなのが「ベトナム風チェー」です。
チェーは、ベトナムの屋台などで売られている伝統的なスイーツで、フルーツと豆、ゼリー、タピオカなどを組み合わせたもの。あたたかいものも冷たいものもあり、店や家庭によってレシピもさまざまです。
「nanahime」のチェーは、フルーツにタピオカ、白玉、自家製のココナッツアイス、そしてじゃりじゃり食感のかき氷を合わせています。よく混ぜてから食べるのですが、もちもちの白玉とはじけるタピオカ、じゃりじゃりのかき氷と口に入るものによって食感がガラッと変わり、ひと口ごとに違うスイーツを食べているよう。
外の暑さを忘れるほど、ひんやり感と甘味を楽しめます。
ランタンまつりでは限定のお好み焼き風グルメも登場
2025年は8月7日(木)から10日(日)にかけて行われるランタンまつり。
瀬羽町通りのメイン会場となる旧・宮崎酒造は混雑が予想されるため、「nanahime」も当日はメニューの数を絞って営業する予定です。
その代わり、当日にしか味わえない限定メニューも登場するんだとか。
そのひとつが、「バインセオ」。
米粉を薄く焼いた生地に野菜をたっぷりと包んで食べるベトナム南部の料理で、“ベトナム風クレープ”とも“ベトナム風お好み焼き”とも言われます。
「nanahime」では色鮮やかなハーブも使う予定で、日本のお祭りで定番グルメのお好み焼きとはひと味もふた味も違ったものになりそう。
美しいランタンと一緒にベトナムのグルメも味わえる特別な機会になりそうです。
【nanahime】
住所 富山県滑川市瀬羽町1860 旧宮崎酒造2階
営業時間 11:00~16:00
定休日 火曜