藤沢市 子育て世代にデジタル通知 郵送コスト削減へ実証実験
郵便料金が10月1日(火)から値上がることを踏まえ、藤沢市は現在ハガキで通知している行政情報をデジタル郵便に置き換える「郵送DX」の実証実験を実施中だ。子育て世代に送付する「児童手当の支払通知書」を専用アプリ登録者にスマートフォンなどのデジタル端末を通じて知らせる仕組み。郵送コストをどれだけ節約できるかを検証した上で、将来的な市民の利便性や満足度向上を目指す。期間は11月中旬まで。
郵便料金の改定は消費税率引き上げ時を除き、30年ぶり。市デジタル推進室によると、昨年度は全課で3億円ほどの郵送費が掛かっており、今回の値上げ率約30%で単純計算すれば、1億円弱の支出増になるという。
そこで市は通知物の郵送に掛かる税金を削減しながら、子育て施策に充てられるかを検証するため、デジタル郵便を受け取る協力者を募集。郵送対象となる市内在住で中学生までの子どもがいる約2万8千世帯のうち、4割の体験を目標に掲げる。利用促進を目的に、応募者が増えるほど使えるポイントの当選確率・金額が上がるキャンペーンを行っている。
「ふじさわID」発行
また市は10月から、市民が興味のある情報を受信できたり、オンラインで行政手続きができたりする「ふじさわID」も発行する。
これまで市民が公共施設を利用する際には、各所に足を運び、現金で利用料金を支払わなければならなかったのに対し、利用登録から決済までオンラインで完結できるようになる全国の自治体で初の取り組み。一度登録すれば、市民が氏名・住所といった情報を何度も入力する手間を省けるほか、公民館や体育館、会議室など公共施設のオンライン予約が可能で、クレジットカードや電子マネーなどでキャッシュレス決済ができる。来年1月に公共施設予約システムがリニューアルされた段階で、4月以降の予約分から利用可。
ID運用に合わせ、将来的には妊娠届作成や面談予約、出産子育て応援給付金申請などの手続きをオンラインで行う「子育てプラットフォーム」の構築も図っていく。