笠間交差点 来年度中に6差路解消へ 予算概要に経費計上
6差路による渋滞や事故が多発する笠間交差点(栄区)について、横浜市が4差路への改良工事を25年度中に行う予定であることがこのほど、明らかになった。接続する環状4号線の拡幅も合わせると工事は28年度まで。今後、市会の承認を経て正式に決定する。
市が1月31日に発表した道路局予算概要で明らかになった。同交差点は環状4号線、県道大船停車場矢部、市道笠間第139号線、市道笠間第142号線が3つの信号機によって変則的に交差。渋滞や事故を引き起こしている。特に事故については、(一社)日本損害保険協会の調べで2023年の1年間に9件発生。県内で3番目に多い交差点となった。市道路局担当者は「複雑な構造がドライバーの迷いを生み事故につながっている」と分析する。
工事では県道大船停車場矢部の大船駅方面に伸びる道路と市道笠間第139号線をつなぐ道(地図中※)をなくすことによって4差路へと転換。また、老朽化した歩道橋の架替、バリアフリー化も合わせて行われる。
もっとも、渋滞の原因には複雑な6差路だけでなく、同交差点から鎌倉女子大前交差点までの環状4号線公田方面が1車線しかないことも挙げられる。そこで、市は4差路化に続き、環状4号線の片側2車線化工事も行う。全て終了するのは28年度の予定。なお、同区間は一部が鎌倉市であることから、鎌倉市部分は神奈川県が請け負う。また、車線の切り替えを夜間に行うことや、車線拡幅工事であることから、工期中に新たな渋滞は発生しないとみられる。
4車線で渋滞緩和
同交差点を国土地理院公開の航空写真で見ると、1944年時点で「市道笠間第139号線〜県道大船停車場矢部大船駅方面」と「県道大船停車場矢部戸塚駅方面〜市道笠間142号線」が交差。環状4号線は公田方面から伸び、交差点付近で止まっていた。しかし、戦後環状4号線が田谷方面に伸びたことで、6差路構造になったとみられる。
市道路局によると、交通量が多いのは、環状4号線を田谷方面から公田方面へ進むルートと、県道大船停車場矢部大船駅方面から環状4号線公田方面に合流するルート。特に後者はバス路線も多く、環状4号線の1車線区間で乗降のために停車することが、渋滞を引き起こす。4車線化はこのための対策だという。
また、目的の一つには横浜環状南線の開通に向けたICへのアクセス改善もある。環状4号線は栄IC(仮称)や公田IC(仮称)へ向かう際、メインとなる道路。新線開通前に周辺道路の交通環境向上を目指す。笠間連合町内会自治会の指田弘会長は「以前から6差路解消を訴える声はあった。渋滞改善は全面的に賛成」と話している。