留学生が名張の酒蔵を見学 日本酒の魅力を世界に発信へ
名古屋国税局は2月15日、三重大学の留学生を対象に、三重県名張市で酒蔵見学会を開いた。中国、ベトナム、ドイツ、タイなど8つの国と地域から15人が参加し、昔ながらの酒造りへの理解を深めた。
昨年12月に「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本酒への注目度が高まる中、魅力を海外に発信するのが狙い。参加者には、自身の公開SNSアカウントに見学の様子を投稿してもらう。
一行は同市の観光名所・赤目四十八滝を見学後、滝の伏流水を仕込み水などに使っている瀧自慢酒造(赤目町柏原)を訪問。伊賀地域の米を使ったこだわりの酒造りの工程を、同社の杉本隆司社長(62)の解説や映像で学び、日本酒を造る途中の「もろみ」が入ったタンクを木の棒でかき混ぜる作業を体験した。
その後は純米大吟醸や純米にごり生酒など6種類の日本酒を飲み比べて味や香りの違いを楽しみながら、酒に合うように市内の日本料理店が用意した漬物やかんぴょう巻きなど6種類のメニューに舌鼓を打った。
カンボジアからの留学生で日本語教育を学ぶ3年のチム・ソッキアさん(22)は「日本酒は初めて飲んだ。自分の国の酒より強いが、甘みがあって、料理とめっちゃ合っていた」、同3年のケイ・メイリーさん(22)は「造る工程も興味深い。どんな酒がどんな料理と合うかなど、わかったことをいろんな人に教えたい」と笑顔で話した。