キリンビール 「ビール産業の祖」に献酒 横浜外国人墓地で
「日本ビール産業の祖」と称されるウィリアム・コープランドの命日である2月11日、キリンビール(株)横浜支社と同横浜工場が、同氏をしのぶ墓前祭を中区山手町の横浜外国人墓地で行った。
コープランドはノルウェー出身のアメリカ人技師で、明治期の1870年に横浜にビール醸造所「スプリングバレー・ブルワリー」を開設。日本で初めて産業として継続的にビールを製造した人物だ。その跡地に同社の前身である「ジャパンブルワリー」が設立され、1888年に「キリンビール」が発売された。現在跡地のキリン園公園=中区千代崎町=には、同社発祥の地の記念碑が建てられている。
ノルウェー駐日大使らが参列
123年忌となる今年は、キリンビールの社員や関係者、ノルウェーとの国交樹立120周年を記念してクリスティン・イグルム駐日ノルウェー大使が訪れるなど、約60人が参列。コープランドの墓前で献花やビールによる献酒が行われた。
キリンビール横浜支社の佐藤俊雄支社長は、コープランドの功績にふれ「ビールの美味しさ、楽しさをこれからも継承していきたい」とあいさつ。イグルム大使は「日本とノルウェーの120年の歴史はコープランド氏の存在で強固になっている。末永く両国の友好関係に貢献されると信じている」と述べた。
コープランドの妻ウメの弟(英学者の勝俣銓吉郎)の孫、勝俣力さん(68)=東京都立川市=は「当時外国人と結婚し、横浜の地で事業を立ち上げるには周囲の協力も大きかったと思う」と当時をしのび、「コープランドが始めた事業。これからも発展していってほしい」と話した。