’今さら聞けない’新NISAのイロハ
今年の1月に制度が変わった「新NISA」。スーさん・小倉さんが全くわからない・・・ということで、ファイナンシャルプランナーの佐藤沙也加さんに、初歩の初歩から教えていただきました。
ただ一点、注意をしていただきたいのですが、あくまでも「投資」になるので、運用したお金がマイナスになってしまうリスクがあります。
自身のリスクに対する考え方と向き合いながら、慎重に判断していただきたいので、その点には注意してください。
新NISAとは「資産形成を支援する制度」
そもそも「NISA」という制度は、「株や投資信託から得られた利益に対する税金をゼロにするので、自身で資産を形成してくださいね~」という制度。通常だと、投資したときの利益や、分配金、配当金などに対して、およそ20%の税金がかかります。例えば、10万円の利益が出た場合、およそ2万円の税金がかかるので、残るのが8万円。NISAだと税金がかからないので、丸々10万円が手元に残るということになります。
元々NISA自体はあったんですが、正直、制度のわかりにくさや使い勝手の悪さがあったので、制度が変更されました。例えば、税金がかからない期間が「期間限定」だったものが「無期限」になったり、年間の投資の上限の金額が増えたりしました。こんな風に旧NISAに比べて、柔軟な使い方ができるように。これにより、これまで投資をやったことがないような初心者の方で「やってみよう!」と思う人が増えたことで、注目されています。
証券会社によっては、100円からでも始められる!
そもそもNISAを日本語にすると「少額投資非課税制度」といい、制度自体が少額から始められるようなシステムになっているんです。証券会社によっては、100円から投資信託を購入することが可能です。また、以前は個別の株式は原則100株からの購入となり、例えば株価が1000円とすると、10万円の手元資金が必要でした。しかし最近は、制度の変更により1株から、例えば1000円でも購入できるようになっています。なので、自分に身近な企業や応援したい企業があるのに「高くて買えない」と思って投資をしていなかった人でも、1株で株主になることができます。
昔は、投資=資産家が行う、というイメージがあったと思いますが、新NISAのように、投資初心者の方でも始めやすい投資環境が整ってきています。
<シミュレーションをしてみよう!>
新NISAの年間で投資できる金額は、トータルで360万円までになります。最大1800万円までが「税金がかからず持っておける限度額」となり投資に使えるので、最短5年、360×5年で1800万円満額にすることができます。これを投資などで運用して、年間5%の利益を出し続けることができれば、およそ40年で資産1億円を達成することができる。
こんなに上手くいくことはあまりないかと思いますが、新NISAを有効に使えば「これもあり得る」ということ。
もちろん少額から投資している方も多くいらっしゃいます。ですので、ご自身の資産状況をみながら、始められるといいかと思います。資産をNISAで全てをまかなおうという考え方ではなく、老後の準備をしたり、子供の養育費の準備などにしたり、プラスになった分でたまに美味しいものを食べる、といった使い方でも大丈夫。全ての資産のうち、「一部はNISAを活用する」という考え方だと、重く捉えすぎずに始めることができるかと思います。
自分で決めることは3つだけ!
ここからは具体的な始める手順について。
新NISAを活用してできる投資はいろいろな種類があって非常に奥深いんですが、例えば本を買って知識を完璧にしてから臨もう!とすると沼にハマってしまったり、結局難しいことに手を出すのをやめておこうとなってしまいがちです。NISAは「始めしまうと解約できない」などの縛りもなく、いつでもやめることができます。なので、まずはNISAでの投資というものが自分に合っているのかどうかを確認するためにも、「とりあえずやってみる」ということが、第一歩かと思います。よくわからないと、始めるために決めごとが多いのもネックですよね。
でもご自身で決めなければならないことは、実は3つで、
①金融機関 ②積立て金額 ③投資商品
だけ!
・一つ目の”金融機関”
新NISAを始めるためには、何よりも金融機関を決めてNISA口座を開かなければなりません。金融機関というのは、銀行や証券会社をいいますが、特に最近ではネット証券での開設が目立っています。ネット証券は商品が豊富な上に、取引にかかるコストが抑えられているのが特徴なので、初心者の方には、私はネット証券をおすすめします。ネット証券ならば、お持ちのスマートフォンやパソコンがあれば、手続きすることができます。
・二つ目の”積立て金額”
NISAでは、毎月決まった日に自動引き落としされる積み立てタイプと、マーケットの状況を見ながら自由なタイミングで投資信託や個別株式に投資できるタイプがあります。初心者の方であれば、タイミングを見計らって売り買いするのは難しいと思うので、積立てタイプからスタートされると良いと思います。その積立て額が、ご自身の無理ない範囲だといくらなのか、また目標額があればいくら積立てる必要があるのかを逆算して決定しましょう。
・三つ目の”投資商品”
本当に悩みだすと、一番難関ポイントかもしれません。ただ今回は、初めての方にとっての投資ハードルが少しでも下がればと思いますので、比較的人気のある、いろんな人が購入している投資信託で良いと思います。証券会社では投資信託の人気ランキングを出しているので、楽観的に感じるかもしれませんが、最初は一番人気のもの!でも良いと思います。
具体的には、ひとつの投資信託で全世界の株式に分散投資しているようなものや、日経平均株価に連動した値動きをするようなものがあげられます。
現に、みんなが買っているということは多くの投資家から支持されているということ。
安定性があるともいえますし、人気があるものには資金も多く集まるので、運用規模が大きいので、マイナスになるリスクが低いというメリットもあります。単純な選び方のようにも思えますが有効な投資手法です。
・佐藤沙也加さんのプロフィール
・1990年生まれ 茨城県ひたちなか市出身
・地方銀行や総合保険代理店に勤務し、「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」や「CFP」、証券業務を扱うことのできる「証券外務員一種」などを取得。
・中小企業や個人の資産形成に役立つ適切なアドバイスが人気で、現在は、新NISAやiDeCoの活用術に関するセミナー講師として、全国で活躍中です。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)