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【夜行バスの旅】新宿から片道4900円4列シートで金沢に行ってみた! 23時15分から始まる号泣必至の激安旅

ロケットニュース24

毎週、私は高速バスを使って東京まで通勤しているのだが、仕事帰りにバスの時刻表を眺めていたら……どうしても「いつもと違うバス」に乗りたくなってしまった。

なんせ「バスタ新宿」は日本最大のバスターミナル。ここから全国各地へバスが出発しているのだ。夜行バスに乗ればどこへだって行ける……! 

そんなわけで今回は、4900円の「KBライナー富山・高岡・金沢行き」で金沢に行くぞォォオオオオオーー! 出発時刻は23時15分、金沢駅到着は7時25分頃らしい。起きたら金沢とか最高過ぎる! と思っていたのだが……

バスが死ぬほど狭くて泣いた。

・満席

4列シートで満席。ブランケット等はなし。なかなか上級者向けの環境である。隣の座席(通路側)には10代もしくは20代前半と思われる男性が座っていた。あだ名を付けるなら「色黒のあばれる君」だろうか。窓側が私。

んで、この色黒のあばれる君がデカい & 1度寝たら全然起きないタイプで、休憩タイムが約2時間おきに訪れるものの、あばれる君は到着まで1度も起きず

一方の私は、耳栓をしていてもバスが駐車する度に「もう休憩か」と目を覚まし、隣のあばれる君をチラ見しては絶望的な気持ちになっていた。ついには前に座る男性も急にリクライニングをMAXまで倒してきたため、いよいよ1ミリも動けず

明け方になると窓側座席は窓から伝わる冷気によって寒くなる……これでもかと夜行バスの洗礼を受けた末に、予定より少し早く7時20分に金沢駅西口のロータリーに到着したのだった

・金沢駅

眠い……! 良い天気なのが救いだが、いつも以上に太陽がまぶしく感じる。完全に夜勤明けのテンションだ。

それはさておき、金沢駅といえば兼六園口にある「鼓門(つづみもん)」や「もてなしドーム」が有名。日本の伝統芸能である能楽に使われる鼓をモチーフにしたのが鼓門である。

日本で唯一「世界で最も美しい駅」のひとつに選ばれたことで知られている。かなりの迫力……夢ではない。どうやら無事に金沢に来れたようだ。

・レンタサイクル

記念撮影を終えたら、駅構内のサイクルポートへ。金沢市内には約70カ所のサイクルポートがあって、どこでも借りられ、返せるのが特徴だ。

公式サイトから「1日パスチケット(1430円)」を購入すると、自転車の解錠用パスワードが発行される。借りたい自転車を選んでパスワードを入力すれば、カギが解錠され利用可能に。23時59分までに近くのサイクルポートに返却すればOKという流れ。

・最初に向かったのは

電動アシスト自転車だから疲れていてもスイスイ。まず向かったのは……

24時間営業・年中無休の天然温泉健康ランド「ゆめのゆ」だ。これが40代の夜行バスの旅のリアルである。1日は長い。まだ8時。朝風呂からスタートしようではないか。

利用料金は大人950円。タオル・館内着・歯ブラシなども揃っている。案内によると、カプセルホテルで宿泊もできるようだ。

ドライサウナと県内最大級の炭酸温泉に癒される。薄れゆく意識の中で、色黒のあばれる君が現れ微笑んでいた……お互い良い1日にしような。

少し休んで9時30分に出発。完全復活である! 夜行バスの旅をするなら「朝営業のスーパー銭湯」からスタートすることを猛プッシュしたい。

・石川県庁へ

朝食前に行きたいところがもう一カ所ある。石川県庁だ。ゆめのゆから自転車で10分ほどの距離にある。

なんでも県庁の19階は展望ロビーになっていて一般開放されているらしい。地上約80メートル、東西南北360度ガラス張りの窓から景色を見渡せるそうだ。利用時間は10時から20時(1月〜3月は19時まで)。

10時ちょうどに展望ロビーへ。迎えてくれたのは、ちょびヒゲを生やしたド派手なダルマ。その正体は石川県の観光PRマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」である。

気持ちのいい景色を眺めていたら腹が減ってきた。よし、近江町市場へ行こう。

・近江町市場

大きな道路には「自転車マーク」がある。どうやら石川県では県民や観光客の都市内移動を活性化するため、多くの市町村でレンタサイクルやシェアサイクルが導入されているそうだ。

ただ、駐輪場を探すのが意外と大変。途中、同じレンタサイクルを利用しているグループと「この辺りで駐輪場見かけました?」「あっちの方にありましたよ」などと情報交換をすることもあった。

そんなこんなで、近江町市場に到着。300年以上の歴史を持つ「金沢市民の台所」で、アーケードには約170店の小売店が軒を連ねている。狙うは新鮮な魚介を使った海鮮丼だろう。

ちなみに昼時には行列になるので、混雑を避けるなら午前中に立ち寄るのがおすすめだ。やはり夜行バスで早朝に金沢入りするのは賢い作戦と言えるかもしれない。

・海鮮丼

近江町市場の入口付近にある「いきいき亭 近江町店」へ。手頃な価格で新鮮な海鮮丼が味わえる人気店だ。

注文したのは「いきいき亭丼(味噌汁付き)」のローカル(2200円)。ご飯は大盛り(無料)をお願いした。ちなみにローカルは地物のみで、ワールド(3300円)は地中海のマグロなども使っているらしい。急に英語を使うところがオシャレ。

金沢港で仕入れた鮮度抜群のネタはどれも絶品。身がプリプリで濃厚。北陸・金沢ならではの味である。笑えるほど美味しい。おかげで夜行バスの疲れが完全に吹き飛んだぞ。あばれる君と再会したら迷うことなくハグするだろう。

・兼六園

せっかく金沢に来たのだから観光もしておこう。兼六園を目指すことにした。

自転車から降りて「白鳥路」なる静かな散歩コースを歩いていると「トゥース!」している銅像を見つけた。

ちなみに白鳥路はホタルが生息するスポットで鑑賞会も行われるそうだ。トゥースとホタルが楽しめる貴重な空間である。

白鳥路を出ると前田利家公の銅像を発見。言わずと知れた加賀藩初代藩主。鯰尾兜(なまずおのかぶと)が金色に輝いていて最高に渋い。

前田家といえば兼六園。水戸市の偕楽園・岡山市の後楽園と並ぶ日本三名園のひとつであり、日本を代表する大名庭園(各藩の大名が築造した庭園のこと)である。

心癒されるザ・日本の風景を求めて多くの方が集まる場所だ。兼六園のシンボル・徽軫灯籠(ことじとうろう)には、撮影のための行列もできていた。

・手裏剣投げ体験

さて、金沢城公園も散策した後に坂道を下っていると「武将庵」なる戦国武将・忍者グッズ専門店の看板を発見。店内で「手裏剣投げ体験」ができるという……投げておくか。

手裏剣投げは5枚300円。店主曰く「人差し指と親指ではさみ、縦方向に投げるのがコツ」だそうだ。

なるほど。

シュッ!

グサッ!

的に当たると景品がもらえる。当たらなかったが「ほとんど当たっていましたので」と店主がサービスをしてくれた。割引券がもらえるのでお土産を購入する前にチャレンジするのもいいかもね。

・フランスチャンピオンの店

さて、ふたたび自転車にまたがり、次なる目的地「ひがし茶屋街」を目指していると……何やら気になる看板を見つけた。

「フランスチャンピオンの店」

お店の名前は「PARIS CUT CLUB クラタ」。凄腕オーナーが運営する本格派ヘアサロンらしい。気になったので話を聞いてみることに。

話を聞かせてくれたのは蔵田オーナーのお母様。オーナーの蔵田紀夫さんは1989年にフランスで開催された全国理美容競技大会で優勝。その後、審査員としても活躍し中国では「栄誉証書」を受けたという。金色のトロフィーが輝いていた

東京から観光で来たことを伝えると「それなら、ひがし茶屋街の茶房素心(そしん)に行くといいわよ」と蔵田さん。直行したものの、素心は驚くほどの大行列……なんとなく1人では入りづらかったため断念した。次回は必ず。

・大正111年創業のカフェへ

その後、訪れたのは大正レトロな純喫茶「金魚庵」。賑やかなメイン通りから少しそれた場所にあるため、知る人ぞ知る人気店といった感じだろうか。

注文したのはレトロ喫茶の大定番であるクリームソーダ。紅(アカ)・藍(アオ)・碧(ミドリ)の3色から選べるという。金魚鉢風のグラスに入っていてボリューミー。落ち着いた店内とレトロなドリンクで旅の疲れが癒えました。

・忍者発見

まだ旅は続く。ひがし茶屋街に隣接する宇多須神社へ。境内にはなんと……

忍者が隠れていた……!

外国人観光客に好評らしい。他にも隠れているので探してみると面白いかも。また「逆さ狛犬」「親子狛犬」にも注目だ。

・ふたたび近江町市場へ

浅野川を眺めながら、ふたたび近江町市場方面へ。

市場内に元祖金沢カレーこと「チャンピオンカレー」がある。通称・チャンカレ。

やはり定番の「Lカツカレー」は食べておくべきだろう。ミニサイズ(930円)を注文。

カレールーの上にカツ、その上にソースをかけて千切りキャベツを添えた金沢ならではのカレー。どろっとしたルーが濃厚だ。この濃厚さが金沢の味である。うまいっ!

・カプセルホテルにチェックイン

食後に近江町市場からすぐの「金沢カプセルホテル武蔵町」にチェックイン。夜行バスからのカプセルホテルということで、寝心地の良さに感動して泣いてしまうかも……カプセルホテルについては、また別の機会に詳しくレポートしたい。

・自転車を返却

すっかり夕方だ。疲れてしまったので自転車を返すついでに金沢駅でお土産でも買うことにした。23時59分まで自転車は利用可能だが、夕飯前には自転車を返しておきたい。お酒を飲むかもしれないし。

無事、自転車の返却完了。

金沢駅西口には「郵太郎」なる名物ポストがある。国鉄金沢駅の落成を記念して1954年(昭和29年)に造られたものらしい。ちなみに市内には郵太郎をモチーフにしたゆるキャラもいるそうだ。

歩いて近江町市場方面へ戻る。途中、市場の近くで昭和な雰囲気を漂わせる「喫茶チャルダ」を見つけた。

ブレンドコーヒーを頼みつつ、マスターにおすすめのお店を尋ねると「地元の人は外食するなら地下で食べるね。このあたりは観光客向けの価格設定だから」とのこと。なるほど地下か。

・地下へ

というわけで、お店を出て地下へ。コロナロードなる地下飲食街の看板を見つけたので行ってみることに。

…………

マジで1店も開いてねぇぇ!

・金沢おでん

その後、夜の金沢を散歩したのちに結局、近江町市場にある「近江町横丁」で金沢おでんの「おまかせ5種(1000円)」と「生ビール(630円)」で旅を締めくくったのだった。

天気にも恵まれて金沢を満喫できたぞー!

・帰りも夜行バスならプロ

本来ならこのまま夜行バスで新宿へ戻りたいところだが、それはまた次回で。夜行バスでしっかり睡眠が取れれば1日フルで観光できるだろう。

とはいえ、24時間営業の健康ランドの存在はかなりありがたかった。「朝早く到着してもどこにも行けない」というのが、夜行バスあるあるだからだ。

金沢に行くなら「ゆめのゆ」で疲れを癒してから出発するのがマジでおすすめ。まあでも疲れた分、楽しかったです。金沢最高ー!

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼ゆめのゆ最高!

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