常盤台在住寺島雅春さん 希望の歌、甲子園に響け 横浜清陵高の校歌作曲
常盤台在住の寺島雅春さん(72)は元音楽教諭で、第97回選抜高校野球大会に初出場する県立横浜清陵高校=南区=の校歌を作曲した。3月21日に初戦を迎える選手に向け、「(横浜清陵の)スクールカラーであるコバルトブルーのように、甲子園でもさわやかな表情で悔いなく戦ってほしい」とエールを送る。
2003年11月、厚木高校で教頭を務めていた寺島さんのもとに、清水ケ丘高校と大岡高校の再編統合で04年4月に開校した前身校の横浜清陵総合高校の校歌を作曲してほしいという依頼が舞い込んだ。これまでに複数の校歌を作曲した実績を持ち、校舎周辺の雰囲気などを踏まえて作曲するという寺島さんは、南区清水ケ丘にある同校に足を運ぶことにした。
みなとみらい地区の景色が望める小高い丘の上にある同校の周辺には、清水ケ丘公園などの自然が広がる。友人と談笑しながら坂道を下る生徒の表情から、「自分たちで新しい学校の歴史を築いていこう」という前向きな印象を受けたとか。野地安伯さんが作った校歌の作詞からは希望にあふれる若人の生き生きとした姿が見えたといい、フラット系の変ホ長調にするなどして明るい雰囲気の曲に作り上げた。
17年に横浜清陵総合から現校名の横浜清陵に改称。校名変更に伴い、歌詞が「横浜清陵総合」から「横浜清陵」に差し替えられたが、それ以外はそのまま受け継がれている。寺島さんは「統廃合により校歌が刷新する学校もある中、大変ありがたいこと」とほほ笑む。
勝利の音色に期待
これまでに同校野球部の試合を観に行ったことがあるという寺島さん。「神奈川の県立校が選抜大会に出場するのは1954年の湘南以来、71年ぶりと聞き驚いている。選手たちには、ぜひ勝利の校歌を歌ってほしい」と期待を込める。
横浜清陵は3月21日の第1試合で広島商業と対戦する。