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「150kgクロマグロ獲った!」ルアーキャスティングで1時間45分の死闘を制す【山口】

TSURINEWS

激闘の末仕留めた150kgクロマグロ(提供:週刊つりニュース西部版APC・濟郁恵)

6月1日、山口県下関市の小串漁港から出船し、地元海域でクロマグロキャスティングに挑戦。ナギの絶好コンディションの中、何度もナブラを追いながら粘り強く誘い出すと、目の前にスーパーボイルが出現。キャストしたルアーに巨体が襲いかかり、ファーストランで200m走られる激闘の末、ついに150kg超の大物をキャッチ。仲間と船長のサポートのもと、1時間45分の死闘を制した。

地元海域でクロマグロ釣り

6月1日、6月分の遊漁船でのマグロの漁獲量の枠が解禁となり、実質地元の海域でのマグロ釣りが解禁となった。1年前から計画していたこの日の海は、クロマグロキャスティングをするには最高ともいえる風もない波もないナギというコンディション。

山口県下関市・小串漁港の剛龍丸で午前4時に出港してポイントに向かう。マグロは思いのほか近くの海域を回遊しているようで、角島を見渡すことができる沖合辺りを回遊しているらしい。わずかな睡魔と闘いながら気がつくとポイントに到着となった。

今回のタックル

今回のタックルは別図の通り。普段、青物のキャスティングで使っているラインは6号程度なのだが、今回は12号、最初はしっかりルアーを投げれるか不安でしかなかった。ルアーは船長おすすめのポップクイーン200を装着。フックはクラフターズの4.5/0とシングルフックを選択。

タックル図(提供:週刊つりニュース西部版APC・濟郁恵)

釣行開始

いよいよ釣り開始。クロマグロキャスティングは基本的にはナブラを探してそこにルアーを投げ入れるというスタイル。ゆっくり辺りをクルージングしながらみんなでマグロを探す。すると突然船の後方でマグロが跳ねた。

仲間の「出た」という声の後もドラム缶のようなマグロが水面を割って飛び出していた。船長も状況を見て船を回す。しかし単発で跳ねるもののなかなか後が続かない。そこから幾度かマグロが跳ねて出ているのを見つけて近づくも、到着するタイミングにはもうナブラは沈んでしまう。

いったんクルージングを止めて誘い出しをしてみることになった。マグロが近くを泳ぎ回っているのは確実だ。ロッドを握る手にも力が入る。このタイミングでほかの船は誘い出しでマグロを掛けてファイト中ということだった。

この海上で今まさにマグロとの闘いが繰り広げられていると思うと、気持ちも高まりルアーをキャストする腕にも自然と力が入る。

巨大魚がヒットするもバラシ

幾度かクルージングと誘い出しを繰り返していた時、漁探にマグロが映ったとのことで、みんなでルアーをキャストし続けていると、ミヨシの仲間のルアーにすさまじい水柱が上がり走りだした。しかしその直後ラインブレイク。

仲間も私も何が起きたのか分からず茫然と立ち尽くしてしまった。船長いわく、近年まれに見るサイズだったとのことで、とんでもない魚と対峙しているという実感が不安をかき立て、それ以上にワクワクしてしまっている自分もいることに気がついた。

クロマグロがヒット

しばらく沈黙が続いたが、急に船のエンジンがかかった。すると眼前にはマグロのスーパーボイル。船が近寄っても沈まず、むしろこちらに向かって来るのではないか。

初めて見る光景に足がすくむ。そんな恐怖を払い飛ばすように船長の「マグロの向かう方向に投げて」の声。仲間のヒットや外れた、出た、乗らないの声。急いでマグロが来る姿を確認してルアーを投げ込む。狙った場所にルアーが入った。

アクションを入れて止めるを2回繰り返したところで大きな水柱が上がった。その瞬間、すさまじい勢いでドラグがうなった。ファーストランはすさまじい勢いであっという間に200mもラインが出された。

クロマグロとの激闘

仲間に体を支えられながらミヨシに上がって船のフォローに合わせてリールを巻く。マグロの走りはまだ止まらない。ラインの残りが50mになったあたりでやっと止まった。

ここからが勝負だ。とにかく巻ける時に巻く、走るときは待つ。船長の言葉や仲間の応援に励まされながら数メートルずつ間合いを詰めて巻いているとまた突然にマグロが泳ぎだす。突然の泳ぎに私自身も引きずり回される。

これがマグロのお散歩だと船長から告げられる。なんと豪快なお散歩だろうか。悠々と泳ぎだすマグロに対して何という魚と私は闘っているんだろう…とロッドを強く握った。

長時間のファイト

1時間以上がたっただろうか、またマグロの動きの様子が変わってきた。どうやら旋回して上がってきているようだと船長から告げられた。あと、もうひと踏ん張りだ。

しかし、男性でもここからのやり取りがとてつもなくつらいらしい。真下を旋回するマグロ、船長いわく大型のマグロは素直に回ってはくれないらしい。その言葉通り「8の字」を描くように、また不規則にマグロは旋回をはじめた。

マグロが船から離れて近づいてくるタイミングでラインを巻き取り、下に入る時は船にラインを当てないようにリールを外向きにロッドを返しながら耐える。あと10m。旋回して近寄るタイミングでとにかく巻く。

150kg超えのクロマグロを手中

ギラリと銀色の魚体が船の下から現れた。やっと魚が見えた、デカイ! 見たこともないような魚体が悠々と旋回していく。仲間もあと少しあと少しと励ましてくれる。仲間と船長に支えられて誘導されながらミヨシから胴の間に降りた。

マグロとの距離はあとわずかだ。しかし簡単にはリールを巻かせてくれない。船べりにロッドを叩きつけそうになるのを仲間と船長が支えてくれる。本当に少しずつ徐々にマグロとの距離が近くなり、いよいよルアーに引っ張られるように水面に浮き上がった。

暴れるでもなく滑るように船に近づいてきた、目の前で船長がモリを打つ。1時間45分あまりのファイトの末にマグロをキャッチした瞬間だ。魚は150キロオーバーの正真正銘クロマグロであった。

自分の体より遥かに大きなクロマグロ(提供:週刊つりニュース西部版APC・濟郁恵)

事前準備も成果につながる

経験のないことばかりで、仲間や船長に頼ってばかりのファイトではあったが、事前にファイトについて学んでおいたこと、わずかながら体力作りと筋トレをしていたこと。

また、タックルを離すことなく最後まで頑張れたこと、そんな自分を褒(ほ)めてあげたいとも思ったし、それを許してくれた仲間には感謝しかない。そして、的確な判断とアドバイス、繊細な操船でフォローしてくれた船長にも、この上ない感謝の気持ちでいっぱいだった。

しかし、今回のクロマグロキャスティングは課題と反省点がたくさんあった。来年はこの経験を生かし、レベルアップして再度クロマグロキャスティングに挑んでみたいとも思う。

※当日中に水産庁釣果登録済み。

協力してくれた仲間にも感謝(提供:週刊つりニュース西部版APC・濟郁恵)

<週刊つりニュース西部版APC・濟郁恵/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース西部版』2025年6月27日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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