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ブルーイノベーションら4社、国産ドローンポート試作機を初公開。大阪・関西万博での運航管理の取り組みも説明[JapanDrone2025]

DRONE

ブルーイノベーションら4社が国産ドローンポート試作機を初公開。安全保障を考慮した国産化を進め、ドローン運航の効率化を目指す

点検用球体ドローン「ELIOS 3」の販売や点検ソリューションの開発・提供を手掛けるブルーイノベーションは、VFR、Cube Earth、Prodroneと開発を手掛ける「国産ドローンポート」の試作機を初公開。また、開催中の大阪・関西万博に関する取り組みについて発表した。

VFR、Cube Earth、Prodrone、ブルーイノベーションの4社は、中小企業などの開発研究を支援する経済産業省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)」で、「国産ドローンポート」の開発を提案。2023年10月に採択されて以来開発を続けており、今回のジャパン・ドローンでその試作機が初公開された。

撮影に応じるCube Earth 武田全史社長、VFR 蓬田和平社長、ブルーイノベーション 熊田貴之社長、Prodrone 戸谷俊介社長

大阪・関西万博会場における運航管理について、イメージ図をもとに説明する熊田社長

ドローンポートとはドローンの自動充電や保守を担う離着陸場で、ドローンの運航の効率化、オートメーション化には欠かせない機材とされている。現在国内で運用されているものはほぼ海外製となっており、安全保障の観点から、4社で国産ドローンポートの開発を手掛けることとなった。

今回展示されたドローンポートには、離着陸の安全性や、現場の多様なニーズを汲み取れる汎用性、日本が主導したドローンポートの国際標準「ISO 5491」に準拠する拡張性を取り入れた。カバーを閉めた際の大きさは1250mm×1000mm×1000mm、重さは400kgと大ぶりだが、これはまだ国産ドローンポートの最初の1歩。今後は各社が持つ強みや技術を持ち寄り、国内ニーズに合ったものへとブラッシュアップしていく方針だ。

大阪・関西万博において、ブルーイノベーションはドローンなどエアモビリティの運航管理を担当している。ドローンや、大阪・関西万博の目玉展示の1つである空飛ぶクルマが今後ますます社会導入されると、ヘリコプターなど有人航空機も含めて飛行する空域を共有する事態が想定される。そこで重要になるのが、エアモビリティの適切な運航管理だ。同社では大阪・関西万博を「リアルな社会実装の場」として捉え、ドローンの安全な運航管理を支援している。

大阪・関西万博での取り組みに参加するJUIDAの久保大輔理事、ブルーイノベーションの熊田社長、東邦薬品の緒方宏司氏

具体的には日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が空の利用のガイドラインを策定。ブルーイノベーションはそれに則って飛行するドローンの位置情報などを、自社開発の「SORA PASS」といった運航管理システムを用いて、リアルタイムでチェックする体制を取っている。今後、大阪・関西万博では空飛ぶクルマの2地点間飛行が予定されているが、その際にもこのシステムは大いに活躍する見込みだ。

ドローンポートだけでなく、ELIOS 3やドローン・ロボット管理プラットフォーム「Blue Earth Platform」の紹介なども展示された

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