素材など扱う理系大、概算の総事業費350~380億円、JR四日市駅前の新大学で基本計画案提出
三重県四日市市のJR四日市駅前に市が開設をめざす新大学について、専門家による四日市市大学基本計画策定委員会(委員長・谷口研二大阪大学名誉教授)は7月23日、基本計画案を森智広市長に提出した。素材、半導体、情報などを扱う理系大学で、駅と一体化した建物のイメージなどをまとめている。概算の総事業費は350~380億円。市は、この案を受けて、市としての基本計画づくりに入る。
谷口委員長が森市長に直接、手渡した。昨年3月にまとまった基本構想に基づき、1年余をかけてまとめた。谷口委員長は「全国から進学したいと思ってもらえる魅力ある大学をつくってほしい」と話した。森市長は「正式な基本計画をまとめていきたい。令和13(2031)年の開設に遅れることのないように進めたい」などと話した。
森智広市長に基本計画案を手渡す谷口研二委員長
基本計画案によると、設置する大学の骨格については、四日市市が中心となる公立大学(収容定員800人)と四日市看護医療大学(同600人)の合計1400人の規模を考えており、公立大学の部分は、三重大学が正式に進出を決めれば、同大と市が中心の公立大で収容定員800人を構成するという。四日市看護医療大学の進出の有無については協議が進行中といい、進出が正式に決まっている状況ではないという。
新大学の学部・学科は素材、半導体、情報などを扱い、設置主体は、公立大学は市が中心になって設置し、三重県や周辺市町との連携も含めて検討する。大学の運営は公立大学法人を設けて行うとしている。
概算の総事業費については350~380億円を想定、公立大学のみの工事費は230~250億円としている。JR四日市駅から港地区へとつながる自由通路の工事費や駅舎を含む鉄道施設についての補償費は算出中で、これらの額には含まれていないという。
大学の建物に関しては、商業施設、大学の低層階部分、大学の高層階部分が一体的に整備されるイメージが描かれている。これまで、橋上駅になるとの説明もあったJR四日市駅の新駅については、ビル内に取り込む形になるのかなど、なお検討されている模様だ。