無病息災、炎に願い 愛川・八菅神社で火渡り
愛川町の八菅神社で3月28日、1年間の無病息災を祈る伝統の火渡り儀式が行われた。
八菅山は古来から山岳信仰の地とされ、修験者たちが集う道場として知られた。春の例祭の中で行われる火渡りは奈良時代から伝わり、往時の荒行を今に伝える伝統行事を一目見ようと、町内外から多くの見物客が訪れた。
山伏装束をまとった修験者らがほら貝を吹きながら境内に姿を現すと、斧や弓、槍を使った儀式を行い護摩壇に火を放った。見物客は燃え盛る炎に向かって一斉に護摩木を投げ込み、炎で崩れ落ちた護摩壇の残骸の中を修験者が一気に渡り切ると、境内に大きな歓声が響いた。
儀式を終えると、見物客も裸足になって火渡りを体験した。綾瀬市から孫らと訪れた男性は、「心願成就を願って歩いた。家族が1年間無事に過ごせたら」。6歳の孫は「足が速くなるようにお願いした。火が燃えていたけど怖くなかった」と笑顔を見せた。
八菅神社氏子総代会の足立原威会長は「今年も多くの方にお越しいただいた。愛川の観光振興に役立てるよう、これからも伝統を受け継いでいきたい」と話した。