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春高バレー昨年初出場8強の浜松修学舎、魅せるバレーで再び旋風巻き起こせるか<全日本バレーボール高校選手権>

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(左から)小岩井和哉選手、小川湊選手、扇谷暉琉主将、斎藤日向選手


全日本バレーボール高校選手権大会(春高バレー、2025年1月5日開幕)に、静岡県男子代表として2年連続2度目の出場を決めた浜松修学舎。2022年夏の全国中学校体育大会(全中)で優勝した浜松修学舎中の主力がそのまま浜松修学舎高に進み、昨年の春高は初出場で8強入り。粘り強い守備と変幻自在の攻撃が話題となり、修学舎旋風を巻き起こした。

全中優勝メンバーが2年生となり、迎える2度目の春高の目標はセンターコート(4強入り)。1回戦は個々の能力が高い瀬戸内(広島)、2回戦に進めばシード校で昨年準優勝の福井工大福井が立ちはだかる。厳しい組み合わせとなったが、持ち前の組織力に磨きを掛けるべく、練習に励んでいる。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)

強みは組織力と精度…森監督「雑になったら駄目」

初出場の昨年とは違い、警戒され、研究される立場になった。非力だった下級生軍団にパワーとスピードが付き、全中優勝メンバー以外に新戦力の台頭もあった。ただ、森貴明監督は「この1年間、調子が上がって来なかった」と話す。

選手の体が大きくなり、パワーとスピードが付いた分、プレーが雑になったという。スタメンの平均身長は約180センチ。全国では小柄な方だ。「このサイズでパワー、スピードが付いたところで全国では対応できない。うちは雑になったら駄目なんです」。あくまでもチームの強みは組織力でありプレーの精度。「セッター(若杉宙選手)を生かすなら7割以上のAパスで持っていかないと」と強調する。

今夏の全国高校総体(インターハイ)は2回戦で開智(和歌山)に逆転負け。相手サイドアタッカーの強打に押し切られた。守備の要、關屋幸馬選手が大会直前のけがで万全ではなかったとは言え、相手の攻撃力を封じ切れず、サーブとブロックに課題を残した。夏以降は春高に向けて、サーブの強化、ブロックのポジショニングとフロアディフェンスの連係を磨いてきた。

全中優勝メンバー健在、新戦力も個性豊か

(左から)谷倫誠選手、若杉宙選手、赤堀悠人選手、關屋幸馬選手


昨年の春高ではミドルブロッカーの大塚奨選手、小旗真ノ介選手とリベロ小泉瑛須斗選手ら3年生が堅守を担った。そのポジションに入ったミドルブロッカーの小川湊選手と平岩希空選手、リベロ小岩井和哉選手ら2年生の新戦力が今年の春高の鍵を握りそうだ。

攻撃面での選手層は厚みを増している。扇谷暉琉選手と赤堀悠人選手ら得点力のある両エースは健在。さらに高さ、パワー、スピードに加え守備力もある斎藤日向選手のバックアップとしての存在が心強い。また、扇谷暉琉選手の弟で県準決勝でスタメン出場したサウスポーの扇谷逞心選手も決定力がある。斎藤、扇谷逞の両選手ともサーブレシーブが乱れた場面で力を発揮してくれそうだ。

扇谷主将と、鍵を握る新戦力に意気込みを聞いた。

スタメン唯一の3年生・扇谷暉琉主将

昨年の春高も経験したスタメン唯一の3年生。

「インターハイではサーブレシーブが崩れ、ハイセットになった時にサイドが打ち切れなかった。インターハイ後にチームが力を入れてきたのはブロックと後ろ(レシーバー)の関係。全国にはサーブで崩れないチームが多い。ブロックで仕留めきれなかったら後ろのレシーブから切り返すということを重点的にやってきた。(春高の)県予選決勝はそれができておらず、相手のミスで得点する場面があった。どんな状況でも自分たちのバレーができるようにしたい」

攻撃の切り札・斎藤日向選手

サーブレシーブが乱れた時の攻撃の切り札的な存在。愛知・福江中出身で、全中優勝メンバーがそのまま進学すると聞いて浜松修学舎を選んだ。昨年の春高は大会直前に体調を崩し、3回戦にようやく間に合い途中出場。最高到達点は330センチとされる。

「昨年まではスパイクを下に打ち付けていて自分の打点を生かせていなかったけれど、高い打点からコーナーに打つ、決まるコースに打つ練習をしてきた。強気に、自分のスタイルを出していかないと交代で出る意味がない。自分の力を発揮し、勝利に貢献したい」

成長著しいミドル・小川湊選手

中学まではアウトサイドヒッター。高校でミドルブロッカーに。昨年の春高は1回戦で途中出場。昨年の3年生ミドル大塚選手を目標に、ブロックを強化してきた。

「(大塚)奨さんに比べるとパワーが足りないけれど、(県予選決勝で)4本のブロックを決められて自信になった。春高は、ほぼ初めてのようなもの。緊張はしないタイプなのでめちゃくちゃ楽しみ。チームの平均身長が小さいのでサーブをうまく使っていきたい。自分がブロックで引っかけて切り返し、チームで点を取る。粘り強いプレーをしたい」

父は出羽海親方・小岩井和哉選手

主にサーブレシーブを担当するリベロ。主にスパイクレシーブを担当する谷倫誠選手とともに守備の要を担う。東京・安田学園中出身で大相撲の出羽海親方を父に持つ。小学生のころはバレーボールをやりながら相撲の大会に出場していたが、本格的に相撲に打ち込んだ経験はなく、父からは「やりたいことをやりなさい」と言われてバレーを選んだという。

「リベロは目立たないポジション。いい意味でも悪い意味でも目立たないようにしたい。インターハイでは普段受けたことのない(速い)サーブを経験した。その後、練習では台上からドライブで打ってもらい、拾う練習をしてきた。ブロックとの連係もだんだん良くなってきている。自分のプレーの1本1本をしっかりして、チームの目標のセンターコートに立てるようにしたい」 

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