西中洲でハイコスパな和食コースを満喫!21時からの“チョイ飲み”もお勧め
いろんな分野で続く値上げに、店も消費者も頭を悩ます今日この頃。そんななか、抜群のコスパで客を驚かせる和食店が今夏デビューしました。アッパーな店も多い西中洲で、上質なコースを11,000円で提供する「料理屋 しょう。」です。ブレイクする日も近そうな、新たな“予約困難店候補”を紹介しましょう。
8月1日、年季が入ったビルの2階に「しょう。」は現れました。カウンター6席の店内は程よい広さで、初めて来た気がしないくつろぎを感じます。この心地よさを生むのは32歳の店長・前田翔さん。人好きのする笑顔と、落ち着いた物腰で仕事に臨む料理長です。
宮崎で生まれ育ち、18歳より大阪で修業を開始。和食と寿司を10年学んだ後、奥様の仕事の都合で福岡に移住したのだとか。そして、来福4年目に思わぬ出会いが。ある飲食店オーナーに人柄と腕前を見込まれ、「自分の店を作ってみないか」と声をかけられたのです。
実は、その直前まで独立の準備を進めていたという前田さん。けれども「全面的に支援するから自由にやってみて」というオーナーの言葉に動かされ、信頼に応えるべく申し出を受けたと言います。「驚くほど幸運な出会いでしたね。オーナーには感謝しかありません」
そうした想いと共に、今の自分のありったけを投じたおまかせコース。期待に胸躍る食事は、秋の息吹をはらむ八寸から始まりました。この日はダルマ鯛の西京焼き、タコの柔らか煮、さつまいもの甘露煮、ムカゴなどを一皿に。その一つひとつから伝わる堅実な仕事は、前田さんの技量や和の伝統への敬意を十分に物語っています。
さらに、ヤイトカツオのお造りと椀物の後には牛ヒレ肉の朴葉焼きが登場。朴葉の風合いと味噌の香ばしさが、佐賀県産「なかむら牛」の旨味をいっそう引き立てます。「炭火焼きも良いけれど、もっとお客様に喜んでいただきたくて」と、あえて一手間加えた一品。その狙い通り、和食特有の風雅な“贅”が全体から薫っていました。
これに続く揚げ物は、ハモと胡麻豆腐の揚げ出しの小鍋仕立て。蓋を開けるとグツグツたぎる餡が見え、直後にふくよかな香りがフワリ。松茸や佐賀産の香味海苔から放たれる、濃厚な“香りまでうまい”逸品です。熱々の餡と溶け合い、徐々に柔らかさを増す衣の食感もたまりません。
そしてコースは終盤戦へ。料理は前田さんが握る6貫の寿司で締められます。「昔は寿司職人が夢でした」と語る前田さんは、大阪時代に寿司屋で修業を3年経験。その成果を映した寿司はさすがの本格派です。シャリは濃さの違う赤酢を2種類合わせ、酸味の立ちすぎない食味を表現。すでに満腹の客には、巻物にして持ち帰らせてくれる配慮も嬉しいですね。
最後の甘味を完食すると、胃袋はすっかり大満足。原価を惜しまず、質とボリュームを両立させるサービス精神は圧巻でした。あまりの値頃感に「これで本当に11,000円?」と念押しする客も多いでしょう。
「僕がこの店で一番重視するのもコスパです。そして、お客様の希望には最大限お応えすること。ご要望があれば、まずはなんでもお伝え下さい」。そんな顧客第一の努力の先に、前田さんが目指すのは「気軽に来られる普段使いの隠れ家」です。
21時からはアラカルトの注文を受けるのも、その目標を実現するため。2軒目に訪れて“チョイ飲み”利用するのも歓迎だそうです。この使い勝手の良さは覚えておく価値ありですよね。久々に「良い店発見!」と周囲に教えたくなる西中洲の新星。リピーターも日々続々と増えています。
※下は21時以降のアラカルト例
料理屋 しょう。
福岡市中央区西中洲3-19 ベイヒルコート2F
092-401-1433
21:00までの入店は要予約