初めての葬儀で後悔しないために!情報をアップデートして備えよう
時代とともに、葬儀に対する考え方や社会事情、執り行い方も変わっています。
近年増えている失敗事例などを参考に、いざという時に後悔しないための情報を備えておきましょう。
教えてくれたのは…
株式会社あさひ葬祭 代表取締役 田中秀和さん 葬祭業歴28年。2014年に出身地の野田市で「あさひ葬祭」設立 https://www.sougi-soudan.jp/
変わる葬祭スタイル それに伴う失敗事例
東日本大震災以降、火葬だけの「直葬」が増え、コロナ禍には三密回避のために「家族葬」や、通夜を行わない「一日葬」が増えました。
それに伴い、家族葬専門の小さな葬祭ホールも急増し、競争が激化しています。
ホームページやチラシに大きく表示されている安い価格を信用して依頼したところ、実際にはその価格で葬儀を行えず、多額の追加料金を請求された、という事例が増えています。
中には10倍以上の葬儀価格になってしまったという事例も。
また、小さなホールだから「予算もこのくらいだろう」と見た目で判断して依頼し、10人前後の家族葬で200万円近い葬儀費用を請求された事例もありました。
残念ながら、最初から追加費用を請求するのが目的の葬儀社も存在します。
国民生活センターに事例が公表されているので、一度チェックしてみてください。
会員制度のメリット・デメリットとは
会員制度を設ける葬儀社も増えました。
会員になると事前にじっくり葬儀の打ち合わせができ、いざという時には電話一本で依頼できます。
非会員より割安の会員価格で葬儀が行えたり、近隣のお店で特典が受けられることも。
しかし、月々の会費が安いからとか、付属のサービスが魅力だからと安易に会員になるのは禁物。
途中で解約すると数万円の手数料を取られることもあります。
何より、一度入会すると「この会社に葬儀を依頼しないと悪いな…」という心理が働くもの。
肝心の葬儀の費用や内容、スタッフの質などを十分検討せずに目先の特典やサービスだけで葬儀社の会員になって、後悔したという事例が増えています。
このような失敗をしないためにも、数社の葬儀社から相見積もりを取るなど、事前のリサーチが大切です。
故人の安置場所を決めておきましょう
大きな病院では、なるべく早く故人を移動してほしいと言われます。
葬儀社や安置場所が決まっていないと、病院指定の葬儀社が搬送する場合が多くなり、そのサービスや料金に納得がいかなくても断るのが困難になり、葬儀費用が高額になってトラブルに。
安置場所は、自宅か葬儀社を選ぶことになります。
自宅安置は弔問客が多い場合や長期療養で自宅に帰れなかった方が選ばれます。ただし、ご遺族が外出しづらい点がデメリットです。
葬儀会社に安置するのを選ぶのは、家族葬を行う場合で近所に知られたくない方や、ご自宅がマンションなど集合住宅で自宅安置が困難な方で、面会時間に制約があるのがデメリットです。
いずれにしても事前に決めておくと、少し心にゆとりが持てると思います。
なお、「直葬」でも最低1日は安置するのが決まりですので、注意しましょう。
長引く火葬待ちで考えておくべきこと
超高齢社会は必然的に亡くなる方も増えるもの。
2022年には過去最多の156万人、40年には年間約167万人に達する見込みです。
問題なのが、亡くなってから火葬までの待機日数が長引く傾向にあること。
長引く分、故人のお手当や安置に費用が必要になります。
とは言え、お手当の種類と内容を理解していないと、必要以上に高額なお手当を行ってしまう可能性も。
以下を参考にしてください(参考料金はいずれも、あさひ葬祭の場合)。
故人のお手当の種類と内容例
エンゼルケア(病院で行う医療措置)
火葬日までの待機日数(目安)/5日程度待つ場合
内容/感染症予防などの衛生保全と故人の身なりを整えるため、アルコール除菌やタオルなどで体を拭き、治療などによる傷口の手当てなどを行います。
死化粧(納棺師が行う措置)
火葬日までの待機日数(目安)/10日くらい待つ場合
内容/故人の身なりを整え、化粧を施すこと。家族が行っても大丈夫ですが、専門の納棺師が行うこともできます(料金例/44000円)
湯灌(ゆかん)(納棺師が行う措置)
火葬日までの待機日数(目安)/10日くらい待つ&衣服を着せ替えたい場合
内容/故人の体をお湯で洗い清めること。大きく分けて、簡易浴槽を利用してお湯で体を洗い流す湯灌と、アルコール綿で体を拭く古式湯灌の2種類があります。(料金例/浴槽使用110000円(浴槽使用)、古式湯灌55000円)
エンバーミング(特殊な外科処置)
火葬日までの待機日数(目安)/数週間延期したい場合
内容/ご遺体を1カ月以上保存できるようにする処置方法。殺菌消毒して専用剤を注入し、遺体の腐敗を防止します。ドライアイス無しでも衛生的に長期保存が可能になります(料金例/165000円)
まとめ
・葬儀社のリサーチを行い、資料請求または直接来店し、葬儀費用を確認しておきましょう。
2、3社の相見積もりを取ると相場が分かります。
・前もって安置場所も検討しておくと安心です。
・故人のお手当の種類を知ることで、費用を節約することができます。