“昭和のやり方”はもう通用しない?45歳部長に、キャリアのプロが授けた“シンプルな解決策”
「若いメンバーはプライベート重視で、飲み会にも誘いづらい」
「昔のように“背中を見て学べ”では通用しなくなってきた」
そう語るのは、大手IT企業グループ会社に勤める45歳男性。部長になって6年、これまでのやり方が通用しないと感じています。成果を求めたい一方で、残業や飲み会を強いるのはハラスメントになりかねない。多様な価値観を持つ部下たちとどう向き合えばよいのでしょうか。
※本記事は、Podcast「5分で整うキャリア思考」の一部を抜粋・編集したものです。
📻Podcast本編はこちら
相談内容
45歳/男性
大手IT企業のグループ会社で働いています。部長になって6年、現在は4チーム計25人をまとめています。これまで培ってきたやり方が通用しないことが増えてきたと感じています。若いメンバーは、仕事に対する価値観が自分とは違っていて、プライベートを重視するメンバーが多いです。成果を出してほしいのですが、残業を強いるようなことはハラスメントになりそうで怖いですし、プライベートを大事にしていそうなので飲み会にも誘いづらいです。昔は「背中を見て学べ」で通用したのですが、今はそうはいかなくなってきました。多様な価値観を持つメンバーとどうやって良い関係を築き、チームをまとめたらいいか分からなくなってしまいました。
残業や飲み会は必要条件ではない
坂井さんはまず、相談者が気にしていた「残業」「飲み会」という点に切り込みます。
「成果のために残業をしなければならない、信頼のために飲み会に行かなければならない──その前提自体を疑ってほしいのです」
「 残業も飲み会も“必要条件”ではない。大事なのは“信頼関係”だけです 」
昔のように「長時間一緒に働けば信頼関係が深まる」時代ではありません。
残業はコストもかかり、必ずしも成果に直結するとは限らない。飲み会もあくまで“関係づくりの手段の一つ”に過ぎないと坂井さんは語ります。
信頼関係には「2つの軸」がある
坂井さんによると、部下との信頼関係は次の2軸で考えるとシンプルになります。
・認知的信頼(能力への信頼)
「この上司は仕事ができる」「決断力がある」と部下から認められること。
ポイントは、 顧客・事業に一生懸命である姿勢を見せること です。
・情緒的信頼(人間性への信頼)
「この上司は自分のことを大切にしてくれる」と感じてもらうこと。
具体的には、
部下の困りごとに寄り添う 成果を褒める 自分の弱みも素直に見せる
など、謙虚さと感謝を示すことが重要です。
「残業や飲み会が信頼の条件ではありません。 むしろ大切なのは“決断を先延ばしにしないこと”や“部下の努力を見逃さないこと” 。こうした基本姿勢こそ、信頼の礎になるのです」と坂井さん。
まとめ:複雑に考えすぎない
✓ 残業も飲み会も必須条件ではない
✓ 信頼関係は「認知的信頼」と「情緒的信頼」で築ける
✓ 多様化時代でも、基本は“成果に真摯”“人に誠実”
坂井さんは最後にこう強調します。
「多様な価値観がある時代だからこそ、 信頼の“ファンダメンタル”を外さないことが大切 。複雑に考えず、シンプルにこの基本を実践すればチームはついてきます」
プロフィール
坂井風太
早稲田大学法学部卒業後、2015年DeNAに新卒入社。旅行事業部(現エアトリ)に配属後、ゲーム事業部、小説投稿サービス「エブリスタ」に異動。2020年にエブリスタ代表取締役社長に就任。M&Aや経営改革などを行うと同時に、DeNAの人材育成責任者として人材育成プログラムを開発。2022年にDeNAとデライト・ベンチャーズ(Delight Ventures)から出資を受け、株式会社Momentorを設立。組織効力感や心理学をもとにした人材育成と組織基盤構築の支援を行っている。
企業サイト 株式会社Momentor X(旧Twitter) 坂井風太
Podcastでもっと詳しく聴く
📻5分で整うキャリア思考(ごふキャリ)
お悩みは随時募集中
🤲お悩み募集フォーム