【相模原市】相模の大凧まつり 物価高で運営費資金募る 市がふるさと納税活用
相模原市を代表する伝統行事「相模の大凧まつり」の運営費確保のため、相模原市はふるさと納税制度を活用したガバメントクラウドファンディング(GCF)で寄付を募っている。昨今の物価高騰や警備費増加などにより、財源確保が課題となる中、伝統文化と大凧製作技術の継承に向けて、広く支援を呼びかけている。
相模の大凧まつりは、天保年間(1830年ごろ)から続き、子どもの成長、五穀豊穣、社会の安寧などを祈念し行われてきた。新戸・上磯部・下磯部・勝坂の4地域の各保存会が大凧を作り、毎年5月4日と5日に相模川河川敷で揚げている。毎年揚げられる凧のサイズとしては日本一の大きさとされ、2025年度には2日間で延べ16万5000人が来場した。
運営するのは、相模の大凧文化保存会の会員らで構成される実行委員会。運営費は相模原市からの補助金と企業の協賛金、地元住民からの寄付、各地区保存会の会費などで捻出してきた。しかし、近年の物価高や会員減少などにより、財源確保が課題となっている。同実行委員会の八木亨委員長は「これまで通りのやり方で、来年も継続してできるという状況ではなくなってきた」と危機感を募らす。
ここ数年は観客の増加に伴い安全面から警備員を増員。今年は2日間で80人以上動員している。また、大凧で使用する和紙の価格は10年前と比べて2倍になったという。
こうした状況から同実行委員会も協賛企業集めに奔走した。3年で倍増し、現在15社に上る。
八木さんは「あと5年ほどで相模の大凧まつりは200年の節目を迎える。今回の制度を活用することで、支援もそうだが大凧まつりを全国的にPRできることにも期待たい」と話す。
目標200万円
募集期間は12月14日まで。目標金額は200万円に設定されている。寄付金は準備・開催経費や製作費、広報宣伝費などに充てられる。
GCFは、自治体や返礼品から寄付先を選ぶ従来のふるさと納税とは違い、寄付の使い道から寄付先を選ぶことができる。市内外を問わず寄付が可能。詳細や申し込みは相模原市のウェブサイトから確認できる。