『家庭教師ヒットマンREBORN!』など天野作品が並ぶ『天野明展 The Characters』レポート 声優・井上優も大興奮!
『家庭教師ヒットマンREBORN!』や『鴨乃橋ロンの禁断推理』などを手掛けてきた人気漫画家の天野明。天野作品の原画や世界観を楽しむことができる展覧会『天野明展 The Characters』が、池袋・サンシャインシティ 文化会館ビル4F 展示ホールB(東京都豊島区)にて2024年6月23日(日)まで開催中だ。
SPICE編集部は、テレビアニメ版『家庭教師ヒットマンREBORN!』の山本武役を務めた声優・井上優とともに本展を巡った。展示の様子を写真とともにお伝えする。
※本記事は展示内容に触れています。ネタバレを避けたい方はご注意ください。
山本武を演じた声優・井上優と会場へ潜入!
本展の入り口には、天野作品に登場するキャラクターの描きおろしパネルがある。早速、井上は自身が演じた山本武のイラストを見つけるが「ツナ(沢田綱吉)の左側が獄寺(隼人)で、右側が山本(武)なのは珍しい」とコメント。その疑問の答えは明らかになるのか……?
本展は『鴨乃橋ロンの禁断推理』、『エルドライブ【ēlDLIVE】』、『家庭教師ヒットマンREBORN!』と天野作品を遡っていくような展示構成になっている。
オープニングエリアでは、キャラクターブックをイメージした空間で、3作品の名場面を散りばめたキューブとキャラクターたちのオブジェが出迎えてくれる。井上は「こんなに大きくイラストを見られるのは贅沢ですね」と話しながら、じっくり展示を見る。『家庭教師ヒットマンREBORN!』のキューブを見ながら「このコマを持ってくるんだ(笑)」とにんまりしていた。
『鴨乃橋ロンの禁断推理』エリア
続いては、2020年より「少年ジャンプ+」で連載中の『鴨乃橋ロンの禁断推理』エリア。物語に登場する個性豊かな面々を、印象的なシーンとともに紹介している。なお、作中に登場するキャラクタープロフィール情報は、本展にて初公開だという。
後半部分では、ロンとトトを取り巻く難事件を鍵となる人物や場面とともに辿っていく。会場には事件現場をイメージしたブースも多数用意されており、展示を巡りながら『鴨乃橋ロンの禁断推理』の世界を楽しむことができる。「これはここに来ないと見られないですね」と話す井上は、特に原画をじっくりと鑑賞。
そして、会場にいくつか用意されているフォトスポットも実際に体験! カメラの前で表情豊かな姿を見せてくれた。
『鴨乃橋ロンの禁断推理』とは?
闇に埋もれた真実を暴く異色コンビ、訳あり探偵・鴨乃橋ロンと、ピュアでマヌケな刑事・一色都々丸が鮮烈に謎を解き明かす!天野明による名探偵ミステリー活劇。2023年10月よりTVアニメ1st Seasonがスタート。TVアニメ2nd Seasonは2024年10月より放送開始。
『エルドライブ【ēlDLIVE】』エリア
次は、2013年より「ジャンプLIVE」、「少年ジャンプ+」で連載された『エルドライブ【ēlDLIVE】』エリア。仲間との「絆」や宙太たちの「成長」が感じられるシーンの数々を、宇宙船「ジャンルノR」をイメージした空間に散りばめている。モニターを用いた展示では、珠玉のカラーイラストの数々を高精細で堪能できる。
井上は展示内にお気に入りのキャラクターのメリエスを見つけ、「メリエス好きなんですよ。いい顔している」と話していた。
『エルドライブ【ēlDLIVE】』とは?
他の誰にも聞こえない“声”が聞こえる中学生・九ノ瀬宙太。周囲から独り言の多い変わり者扱いされていた宙太はある日突然、宇宙に住む者の平和と治安を守る宇宙警察・エルドライブにスカウトされる。未知なる世界に少年が挑む宇宙警察活劇。
『家庭教師ヒットマンREBORN!』エリア
最後は、お待ちかね(?)の『家庭教師ヒットマンREBORN!』エリア。2004年より「週刊少年ジャンプ」で連載された本作のイラストが149点も展示されている。
リボーンやツナをはじめとした登場キャラクターたちの「性格」や「特徴」、それぞれが持つ「覚悟」が感じられるシーンが展示されている。ボンゴレファミリー守護者の証「ボンゴレリング」や繊細かつ気迫あふれる原画とともに。個性豊かなキャラクターたちの魅力に迫る展示となっている。
「お汁粉が好きなんて知らなかった」。テレビアニメ版で山本武の声優を務めた井上だが、その井上でも知らなかった設定をこの展示で発見できたという。ここでも井上は原画をじっくりと眺め「原稿はこういう風にできているんですね。トーンが貼ってあったり、ホワイトの修正があったりしてすごく面白い。一筆ごと、一塗りごとに思いを感じます」などと話していた。
なお、展示の一部は曜日がわりの展示になっており、何度訪れても楽しめるような工夫も(月曜:山本武、火曜:ランボ、水曜:笹川了平、木曜:雲雀恭弥、金曜:六道骸、クローム髑髏、土曜:沢田綱吉、日曜:獄寺隼人)。
『家庭教師ヒットマンREBORN!』とは?
何をやってもダメな中学生・沢田綱吉(通称・ツナ)の前に現れた、家庭教師リボーン。外見は赤ん坊、本職は殺し屋のリボーンは、「死ぬ気弾」を駆使しながら、ツナに超スパルタ教育を開始。スタイリッシュなバトルシーンと、個性豊かなキャラクターたちが人気を博し、今なお根強い支持を得ている。
最後に現れた圧巻のエンディングエリア!
『家庭教師ヒットマンREBORN!』の展示が終わり、展覧会もここで終わりかと思いきや……。
カーテンを抜けた先に、これまでのキャラクターが一堂に会するエンディングエリアが登場! 天野明が本展のために描きおろした53体のキャラクターとセリフは圧巻だ。
このエンディングエリアで、井上が話していた「ツナの左に獄寺(隼人)が、右に山本(武)がいるのは珍しい」という言葉の答え合わせもできた。さすが天野明本人も監修しているだけあって、ファンも納得の仕掛けだ。ぜひ会場でそれぞれのキャラクターのメッセージもじっくり読んでほしい。
なお、展覧会公式ショップでは、受注品3アイテムを含む139アイテムを販売する。名場面アートボードやキャラクターのアクリルスタンド、ランボのモジャモジャきんちゃくなど、大変充実しているので、こちらもぜひお見逃しなく。
天野先生の歴史が凝縮された、まさに『天野明展』
鑑賞を終えた井上にショートインタビューをした。
ーー展示はいかがでしたか?
とても楽しかったですね。もう1回ちゃんとじっくり見たいです(笑)。
特に原画を見られるのがすごく貴重だと思うんですよ。アニメ版で関わっていた身として、単行本やグッズなどのイラストはもちろん拝見してきたんですが、原画を見るのは初めてで、とても新鮮でした。また、今回の展示は『鴨乃橋ロンの禁断推理』、『エルドライブ【ēlDLIVE】』、『家庭教師ヒットマンREBORN!』と天野先生の作品を遡るように展示されていますが、アナログな作品からデジタルな作品への移り変わりも感じられて、その点もとても面白かったです。
ーー改めて『家庭教師ヒットマンREBORN!』という作品はご自身にとってどういう作品ですか?
人生の中で大きな影響をいただいた作品で、思い入れがあります。僕は何かのイベントや取材の前は大抵本をめっちゃ見直すんですよね。話がパッと出てこないとアレかなぁ〜と思って。当時の収録現場でも「REBORN!博士」みたいに言われるぐらい、読み込んでいたんです。
でも、今回はあえてあんまり見直さないでみたんですね。展示を見て感じることを大切にしたかったから。だからその点でもとても新鮮な気持ちで、作品を眺めることができましたし、『家庭教師ヒットマンREBORN!』以外の2作品もじっくり振り返ることができたのでよかったです。すぐにでも3作品をまた読み直したい気持ちです(笑)。
ーー本展示をどんな人におすすめしたいですか?
どの作品から天野先生を知ってくださったかは人によると思うんですよね。現在連載中でアニメ放送も始まった『鴨乃橋ロンの禁断推理』から知った人は、ぜひ過去の天野作品も知ってほしいですし、『家庭教師ヒットマンREBORN!』の頃から応援してくださっている方は、他にももっといろんな魅力的な作品もあるんだと追っていただければいいなと思います。天野先生の歴史が凝縮された、まさに『天野明展』ですので、ぜひ多くの人に来てほしいですね!
『天野明展 The Characters』は、池袋・サンシャインシティ 文化会館ビル4F 展示ホールB(東京都豊島区)にて、2024年6月23日(日)まで開催中。
文=五月女菜穂、撮影=大橋祐希