IT業、女性の《リアル貯金額》。お金が足りない……。努力だけではどうにもなりません【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな総資産額を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【29歳 女性】
【貯金額】29歳、女性の場合
プロフィール
29歳、女性
IT業のプリセールス、年収540万円
1人暮らし
【相談内容】今のままではお金が足りません……
「支出が多く、自分の努力だけでは限界のため収入を増やしたいです。口座残高が足りなくなってくるとすぐにクレジット決済に頼ってしまいます。投資に興味があるので、おすすめのプランを教えてもらいたいです」
現在の資産額の水準は？
質問者さんと同年代である20代単身世帯の貯金額は、平均が121万円・中央値が9万円*です。
*……参考：金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査［単身世帯調査］令和5年調査結果」
質問者さんの貯金額は、平均を上回っているといえますね。
投資は安定した家計の先にある！資産形成の基本ステップ
質問者さんは、口座残高が足りなくなるとクレジットカード決済に頼ってしまう現状を改善したいとのこと。
また、投資に興味がおありなのですね。
資産形成の第一歩は家計管理から
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると質問者さんと同年代の女性の平均収入は353万円*である一方、質問者さんの年収は540万円。
平均より高い収入を得ているのに、クレジットカードに頼っている状況ということになります。
この場合、 最初に目指すべきは「収入の範囲内で生活すること」 です。
収入が多ければお金に困らないと思いがちですが、 本当にお金に困らない人とは「収入内で生活できる人」 です。
家計を見直し、毎月の収入内でやりくりできるように家計管理を始めましょう。
特に効果が大きいのは固定費(住居費・通信費・保険料など)の節約です。
固定費を一度見直せば毎月の支出が減り、長期間にわたって節約効果が続きますよ。
*……参考：国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
投資は家計が安定してから始めよう
収入の範囲内で生活できるようになったら、次は資産を増やすステップに進みましょう。
投資の基本は「リスク分散されたインデックス投資信託を長期で運用すること」です。
例えば、 毎月2万円を年利6％で35年間積み立て投資した場合、以下のような成長が期待できます。
・投資元本：840万円
・運用益：2,009万円
・合計資産：2,849万円*
*……金融庁「つみたてシミュレーター」で試算
これは「15年以上の長期運用」だからこそ可能な資産成長です。
投資は短期間で大きな利益を得るものではなく、 じっくり時間をかけて育てるもの。
焦らず一歩ずつ、家計の基盤作りから取り組んでいきましょう 。
まとめ
・質問者さんと同年代の貯金額は、平均が121万円・中央値が9万円です。
・まずやるべきは「収入の範囲内で生活すること」。
・投資の基本は長期投資。家計を整え、毎月無理なく積み立て投資ができる状態を作ってからコツコツ取り組みましょう。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆sino
ファイナンシャル・プランニング技能検定3級 日商簿記検定3級
資産形成や節約に関するアドバイスを得意とし、普段はライターとして活動しています。