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<静岡高校サッカー>シンプルな戦術貫く飛龍(沼津市)は伝統校の牙城を突き崩せるか

アットエス

>>飛龍のエース丹羽咲人が3回戦で5得点2アシストの大暴れ!監督「あいつが抑えられて負けたらしょうがない」

全国高校サッカー選手権静岡県大会で第3シードの飛龍が東部勢初の頂点に照準を合わせている。小細工なしのシンプルなスタイルで伝統校の牙城を突き崩すつもりだ。

初戦となった3回戦の富士見戦は9−1で大勝した。そのうち5得点は高さと強さを生かしたセットプレーから。最終ラインで無理にボールをつなぐことはせず、蹴って、走って、戦って、サイドから相手を押し込めていく。

「いろんなこと(ボールをつなぐこと)をやらせれば、やれなくはない選手たちだとは思うんですが、それよりも自分たちの良いところをどんどん尖らせていこうと」と話すのは菊川達也監督。

ロングスローも大きな武器の一つだ。トップ下の片岡飛翔(アスルクラロ沼津U-15出身)や左サイドバックの山本蒼空(リベルダージ駿東出身)ら高い技術を持つ選手も配置されているが、手数をかけない潔い戦い方はチーム全体に浸透している。

「ライン、重(おも)なってんぞー」「これでいいんか」。菊川監督がベンチから飛ばす関西弁のゲキに背中を押されるようにして、選手たちが躍動する。

飛龍の菊川監督と、富士見戦2G2Aの片岡飛翔


15年連続で決勝トーナメントに進出している飛龍のこれまでの最高成績は9年前のベスト4。東海大翔洋や浜松開誠館を撃破して勝ち上がったが、準決勝で藤枝東に0−1で敗れた。昨年は県高校総体で4強入りしたものの、ファイナル目前で静岡学園に2−3で屈した。

飛龍はこれまでに何度も中部地区勢の壁にはね返されてきたが、ことし5月に最新の人工芝グラウンドが完成。伝統校に食らいついていくための環境は整いつつある。

菊川監督は「例年のチームに比べて?ハマれば一発勝負で面白い戦いができるかも。戦いやすい相手、戦いにくい相手がいるので、ハマれば、ですね」とニヤリ。

チームの横断幕に記された「東部から全国へ」は、学校関係者だけでなく県東部地区サッカー関係者の悲願でもある。達成できそうなチームを挙げるとすれば、現状ではプリンスリーグに参戦している富士市立か、飛龍しかないだろう。

停滞気味の静岡高校サッカー界に新風を吹き込めるか。
 

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