MIXIがオーストラリアのスポーツベッティング会社を約352億円で買収
MIXIは2月26日、オーストラリアに2024年10月に新設した連結子会社を通じて、同国のブックメーカーのポインツベット・ホールディングス(Pointsbet Holdings、以下ポインツベット)を買収すると発表した。ポインツベットは、クラウドベースのベッティングプラットフォームをオーストラリア、米国などで展開しており、スポーツやレーシングのカテゴリーで事業展開している。ポインツベットは、オーストラリア証券取引所に上場しており、MIXIは全株式を3億5200万オーストラリアドル(約352億円)で取得する。
MIXIの調査によると、オーストラリアのオンラインベッティング市場は約6.6兆円規模で、今後も拡大していくとみている。MIXIは2019年にスポーツ事業に参入し、観戦事業とベッティング事業を手掛けており、競輪、オートレースのインターネット投票サービス「ティップスター(TIPSTAR)」は黒字化を達成している。今期4月〜12月のスポーツ事業は、売上高は前年同期から21.0%増となる283億9400万円、営業利益は11億1300万円(前年同期は8億9300万円の赤字)と好調だ。
一方、ポインツベットの2024年6月期決算は、売上高にあたる売上収益は2億4500万オーストラリアドル(約245億円*)、営業利益は300万オーストラリアドルの赤字(約3億円の赤字)、親会社株主に帰属する当期純利益は4200万オーストラリアドルの赤字(約42億円の赤字)で、営業利益、最終利益とも3期連続の赤字。特に最終赤字は2023年6月期は約276億円、2022年6月期は約267億円と、巨額の最終赤字を計上している。2025年6月期の業績予想は、売上高は260億円から270億円を見込んでおり、営業利益は11億から14億円と黒字化が見えてはいるものの、最終利益は非開示としている。
スポーツベッティングを巡っては、日本においては公営競技等を除いてスポーツを対象に賭けを行うことは賭博罪にあたるが、海外では合法国が増えておりスポーツベッティング市場は拡大の一途だ。日本でもスポーツベッティングの導入を求める声があがっており、2024年に自由民主党本部で行われた「プロボクシングの発展を応援する国会議員の会」の総会に出席した大橋ボクシングジムの大橋秀行会長は、「ファイトマネーを上げるもうひとつのもの」としてスポーツベッティングの導入を訴えている。国内での解禁はまだ議論段階だが、MIXIは今後発展していくであろうグローバルでのベッティング市場をリードしていく考えだ。
*1オーストラリアドル=100 円(MIXIの発表時のレートで換算)