川崎北部市場水産仲卸協同組合 「お魚を好きになって」 宮崎台幼稚園で食育授業
子どもたちに水産物への理解を深めてもらおうと、川崎北部市場水産仲卸協同組合(保坂朋宏理事長)は6月20日、宮崎台幼稚園(宮崎)で食育授業を行った。園児は魚に触れ、カツオの解体ショーに目を輝かせた。
同組合は、川崎市中央卸売市場北部市場の水産仲卸業者で構成される。水産卸売業には、産地から委託を受けて卸売を行う「卸」と、小売店や飲食店の仲立ちをする二つの役目がある。全国的に魚介類の消費量は2001年をピークに減少しており、今回の食育授業は、近年課題となっている魚離れに歯止めをかけようと企画された。
同組合は今年度から、83園が加盟する川崎市幼稚園協会の協力を得て、同園を皮切りに組合員による出前授業を実施する方針だ。
「本物の魚だ」「ウロコって硬いんだね」。同園のピロティに歓声が響き渡った。年長児約120人が交代でイベントに参加し、市場から持ち込まれたサバやタイ、アジ、ギンカガミに直接触れた。
解体ショーも
同園では、年少児から鰹節を削り、出汁を取って食する「クッキング保育」に取り組む。同組合は教育現場の意向を重視し、実演授業のテーマに鰹節の原型となるカツオの解体ショーを提案。当日は、組合員の保坂尚輝さん(30)が大会議室に集まった園児たちを前に、7・6kgのカツオをさばいた。胃から小さなアジやイカを取り出して「食物連鎖」について説明。「春の初ガツオは赤身がおいしい。秋の戻りガツオは脂がのっている」などのうんちくを交えながら、切り身になるまでを実演。子どもたちは、事前に用意していたカツオの角煮を食べた。土居福くん(6)は「いろんな形の魚がいて驚いた。魚に触れて楽しかった」と笑顔で話した。
保坂組合長は「子どもたちにおいしい魚を知ってもらいたい。触ってもらうことで興味をもってもらえれば。希望園と話し合いながら食育授業を続けていく」と述べた。