僧侶が教える「部屋掃除の極意」。一度に全部はNG!特に力を入れるべき場所を解説
多くの人の悩みと向き合ってきた真言宗の僧侶・山平 善清さん。日々の中で感じたのは、真面目な人や優しい人ほど一人で頑張りすぎてしまう、ということです。山平和尚によると、そこに落とし穴があると言います。山平和尚がすすめるのは「あの世」の神様のお力をお借りして人生をどんどん開運させること。そのための方法を1冊にまとめたのが書籍『日本一「楽」を生きるお坊さんの開運説法 あの世のお力借りてみな』(KADOKAWA)です。今回はこの本の中から、具体的な悩み相談と回答内容を、説法の形で紹介します。
※本記事は山平 善清著の書籍『日本一「楽」を生きるお坊さんの開運説法 あの世のお力借りてみな』から一部抜粋・編集しました。
掃除を極めて自分を見つめる
●42歳・女性・ゆみえさんのお悩み
「家の掃除がとてもおっくうで、今は家中ホコリだらけ。子どももアレルギー気味なので、なんとかしないといけないと思いつつ、どうしても重い腰が上がらずにいます」
お部屋の汚れや散らかりは、私たちによくない影響をもたらします。
「部屋は心を表す」ともいわれ、悩みがあるときは特に、部屋も汚れたり散らかったりしていることが多いものですよね。
汚い部屋ではリラックスできず、疲れも取れないので、余計に掃除が面倒になってしまうもの。部屋がいつまでもきれいにならなくて、心もどんどんどんよりするという、負のループにはまってしまうわけです。
そうしているうちに、部屋の汚さにもだんだんと慣れてきてしまうんですね。
ゆみえさんの場合は、悩みの原因を探って対処することも大事だけれど、同時に、小さいところから掃除を進めてみるとよいのではないでしょうか。
掃除には心を清める効果があります。
お釈迦様のお弟子さんに周利槃特(しゅりはんどく)という人がいるのですが、掃除を極めて悟りを開いたほど、掃除で心と向き合ったお人です。
彼はお釈迦様の弟子の中で一番頭が悪く、経典を覚えられないどころか自分の名前すら忘れてしまうほどでした。お釈迦様はそんな彼に対して「大好きな掃除をしながら、『塵を払い、垢を除かん』と唱えなさい」と言ったんです。
そして周利槃特はその通りに掃除をすることで、実際に心の汚れや曇りも落とし、悟りを得ることができました。
だから、あなたも簡単な掃除から始めてみてはどうでしょうか。
例えばスマホの画面を拭いたり、お財布の中身を整理してみたり、蛇口の曇りを拭いてみたりするだけでもすっきりするはずですよ。
できれば1日1回、どこか気になるところを掃除してみましょう。
小さなところでいいので、不動明王様がチェックしてくれていると意識しながら、念入りに行うことがポイントです。
特に力を入れたいのは玄関とトイレです。
玄関とトイレは、外と中、清浄と不浄をつなぐ場所です。
玄関をきれいにすると、あの世からのいいエネルギーが入ってきやすくなります。
不要な靴が溜まっていたり、外からつけてきた土などが落ちていたり、靴についた足のにおいなどがこもっていたりすると、いい気は入ってきません。
不要な靴は捨てて、たたきの土やホコリはこまめに掃除し、お香や芳香剤などを使って、いい香りを漂わせておきましょう。
トイレは厄が溜まりやすい場所で、汚れやにおいを溜めてしまうと運気も下がります。便器の中だけでなくその周りや壁、床もきれいに拭き掃除をして、やはりいい香りにしておきましょう。
時間がないときは、とりあえず換気をして、部屋に新鮮な空気を取り入れるだけでもいいと思いますよ。
「継続は力なり」という言葉があるように、少しずつでも続けることで、部屋はどんどんきれいになっていきます。
片づけていくと、空間がスッキリし、気分もよくなりますね。
それだけでなく、片づけをして、不要なものを取り除き、使いやすい場所にしまうという一連の流れを行うことには「カタをつける」ことにもつながります。
コツコツ片づけを続けることで、段取り上手になれるということです。
段取りというのは、仕事をするうえでとても大切なことですね。
人付き合いにしても、段取りができれば楽しくスムーズにでき、お金の使い方も上手になります。
つまり片づけて段取り上手になれば、人生も豊かになるのです。
自分という言葉は「自」らを「分」けるとも読めます。
これは、自分のものや時間を分ける、という意味にもとれますね。
片づけたり、段取り上手になることで、自分をよく扱えるようになるということです。
逆に自分で段取りができないと、人に流されるようになります。
片づけは、忙しければ忙しいほど疎かになりがちですが、それだと心休まる場所がますますなくなっていってしまいます。
一気に片づけなければ! とプレッシャーに思うのではなく、目についたものをコツコツ捨てたり、整えたりするうちに、部屋はいつの間にかスッキリしていくものです。
部屋がきれいになっていくにつれて、だんだんと心の曇りも晴れていきますから、少しずつでもコツコツやってみてくださいね。