犬が突然立てなくなる6つの原因とは 可能性のある病気から適切な対処法まで解説
犬が突然立てなくなる原因
1.脱臼や骨折などの怪我
犬が突然立てなくなる原因には、脱臼や骨折などの怪我が考えられます。
「フローリングで滑って転倒して脱臼した」「階段から転落して骨折した」などの場合、突然の出来事による驚きと、怪我の痛みによって立てなくなることがあります。
愛犬の体に触れたときに痛みがあればキャンッ!と甲高い声で鳴き、飼い主を威嚇したり噛みついたりすることがあります。
怪我の可能性があると思われるときは、すぐに動物病院へ行きましょう。
2.てんかんによる発作
犬が突然立てなくなった場合、てんかんによる発作かもしれません。
てんかんの発作が起きたとき、痙攣が見られ、一時的に立てなくなることがあります。そして、発作が治まると何事もなかったように立ち上がります。
てんかんによる発作かどうかの判断は難しいため、突然立てなくなってしまったときは愛犬の様子を動画に撮り、かかりつけの獣医師の診察を受けるときに見せて判断してもらいましょう。
3.心臓病による酸欠
犬が突然立てなくなる原因には、心臓病による酸欠が考えられます。
心肥大や弁膜症など様々な心臓病がありますが、全身に上手く血液や酸素が運ばれなくなり、酸欠を引き起こした場合、立てなくなることがあります。
シニアと呼ばれる年齢に近づいたとき、心音検査やレントゲン検査などで心臓の健康状態を診てもらうようにしましょう。
4.椎間板ヘルニアによる痛みや麻痺
犬が突然立てなくなる原因には、椎間板ヘルニアによる痛みや麻痺が考えられます。
椎間板ヘルニアは、脊髄が圧迫されることによって痛みや麻痺が起こる病気です。症状が悪化すると足が麻痺して立ち上がることが困難になるだけでなく、自分で排泄できなくなります。
椎間板ヘルニアは、遺伝的に発症しやすいとされる犬種があります。
✔フレンチブルドッグ
✔パグ
✔ペキニーズ
✔トイプードル
✔ダックスフンド
✔コーギー
✔ビーグル
愛犬の犬種は、椎間板ヘルニアを発症しやすい犬種ではありませんか?マッサージや、背中に負担のかかる無理な姿勢を取らせないなどの予防策を日ごろから心掛けましょう。
5.内耳炎や中耳炎による運動失調
犬が突然立てなくなる原因には、内耳炎や中耳炎による運動失調が考えられます。
内耳や中耳にまで炎症が及んでいるとき、運動失調が起こり、起立することが困難になることがあります。
耳を異常に痒がったり痛がったりすることはありませんか?耳の中から黒っぽい耳垢が出ていませんか?
内耳炎や中耳炎が疑われる場合、早めに動物病院で診察を受けることが最優先です。
また、定期的なトリミングで汚れや耳垢が溜まるのを防ぐことで内耳炎や中耳炎は予防できます。
6.老化による筋力の低下
老犬が突然立てなくなる原因には、老化による筋力の低下が考えられます。
老化によって後ろ足の筋力が低下し、踏ん張る力が弱くなってしまったため、立ち上がることが難しくなってしあったのでしょう。
このような場合、後ろ足をサポートするための補助ハーネスというものを活用してみてはいかがでしょうか。
今以上に後ろ足の筋力が低下してしまうことがないよう、毎日のお散歩で体を動かすようにすることも大切です。
まとめ
犬が突然立てなくなる原因を6つ解説しました。
✔脱臼や骨折などの怪我
✔てんかんによる発作
✔心臓病による貧血や酸欠
✔椎間板ヘルニアによる痛みや麻痺
✔内耳炎や中耳炎による運動失調
✔老化による筋力の低下
愛犬が突然立てなくなったときは、意識はあるのか、呼吸は安定しているのか、手足や体に痛みを訴えるのか、この3つを確認するようにしましょう。
意識が朦朧としている、呼吸が荒いまたは弱い、痛みで鳴いたり唸ったりするなどするときは、早急に動物病院へ行く必要があるでしょう。
突然立てなくなる直前まで愛犬は何をしていましたか?食後に突然立てなくなった、お散歩から帰宅して突然立てなくなったなど、思い出して獣医師にしっかりと伝えることも大切です。
(獣医師監修:葛野宗)