60代の自律神経パワーは10代の4分の1!? 年々減少する自律神経パワーと疲労の関係とは【眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話】
歳をとると疲れやすくなるのはなぜ?
自律神経のパワーは年々減少する
歳をとって疲れやすくなった⋯⋯、50歳を過ぎたあたりからこう感じる人が増えるようです。加齢とともに疲れやすくなる原因の1つに自律神経のパワーの低下があります。疲労度評価機器「自律神経機能計測装置」で計測した結果、自律神経全体のパワーは加齢とともに明らかに低下することがわかりました。60代になると、なんと10〜20代の4分の1にまで低下してしまうのです。自律神経は呼吸や心拍、血圧、消化吸収など、体のあらゆる働きをコントロールしていますので、加齢によってそのパワーが落ちれば、当然疲れやすくなってしまいます。
また、脳細胞が酸化ストレスにさらされると血液中などに疲労因子のFF (Fatigue Factor/ファティーグ・ファクター)と呼ばれるタンパク質が増加します。
この疲労因子FFが体内に発生すると、これに呼応するように疲労回復因子FR(FatigueRecover Factor/ファティーグ・リカバー・ファクター)というタンパク質が活性化し、活性酸素によって酸化され損傷し細胞の修復をはじめます。疲労因子FFの力を抑制させようと働くわけですが、加齢とともに疲労回復因子FRの反応性が低下していきます。これも、歳をとると疲れが残りやすく 回復しにくい原因の1つです。
年齢とともに脳は疲れやすくなる
歳をとれば体力がなくなる、その原因も実は脳にあった。 年齢とともに自律神経のトータルパワー(機能単位:unit)が低下し、さらに酸化ストレスによって損傷された細胞の修復にも時間がかかるようになってしまうのだ。
自律神経の機能は40歳で20歳の半分に
老化とは
長期間にわたり酸化ストレスにさらされると、疲労回復に時間がかかるようになる。疲労をためたまま放置すると、細胞の「サビ」が進み、シワやシミ、白髪が増えるなど、目に見える変化が現れる。また、活性酸素が目の神経やタンパク質を傷つけ、緑内障や白内障を引き起こすこともある。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話』著:梶本修身