【今池】東京・北千住の人気タコス店「PKPK TACOS」が名古屋に移転!“タコスの概念が変わる”15種以上のラインナップ
地下鉄「今池駅」から歩いて3分ほど、「円満 おばんざい食堂」の2階にあった喫茶店「バンカム」の跡地に、2025年2月、タコス専門店「PKPK TACOS」がオープンしました。
居酒屋の激戦区、東京・北千住よりスタートしたタコスバーが、縁あって名古屋に移転。その店主が作るタコスはお肉だけでなく、新鮮な魚介や野菜、色鮮やかなフルーツなど、多様な食材をトルティーヤにオン!15種類以上がそろうタコスは、どれも驚きのおいしさと美しさで、これまでのタコスのイメージをくつがえしてくれます。
トルティーヤも具材もすべて店内で手づくり。基本の味つけは塩のみというシンプルさながら、素材の持ち味が引き立つそのおいしさの秘密に迫ります。
トルティーヤの上で生まれる、食材のハーモニーを楽しんで
日本でタコスというと、トルティーヤにタコミートをのせたものをイメージする人も多いでしょう。ところが、「PKPK TACOS」で出されるタコスは、味も見た目も、従来のイメージとはまったく異なります。
「パンプキン&セミドライトマトのタコス」(450円)
「まずは、ぜひ食べてみてください」と、店主の杉林さんが勧めてくれたのが、「パンプキン&セミドライトマトのタコス」。トルティーヤでくるんで口に運ぶと、カボチャの優しい甘さとトウモロコシの香りがふわっと広がり、サルサのピリッとした辛さと、トマトやライムの酸味がよくマッチしていました。
「セビーチェ」(550円)。この上にサルサやオニオン、コリアンダー、ライムをかけて味わう
続いて出してくれたのは、「セビーチェ」という魚介を使ったタコス。魚介は旬によって入れ替わるそうで、この週はムロアジを使用。塩とオリーブオイル、ディルでマリネされた肉厚のムロアジと、ピリ辛いサルサや爽やかなライム、ハーブがトルティーヤで包まれ、一体となったおいしさが口いっぱいに広がります。
杉林さんは15年ほど前にロサンゼルスを訪れたとき、メキシコ近くの国道沿いの店で、初めて本場のタコスを味わいました。その後、帰国して5〜6年が経った頃、吉祥寺にあったタコス専門店で、シシトウとアンチョビのタコスやインゲンのタコス、マッシュポテトのタコスなど、食材を自由に使ったタコスのおいしさを知り、そのお店に通い詰めるように。
店主・杉林さん「けれど、当時住んでいた北千住から吉祥寺は1時間ぐらいかかるので、飲んだ後に帰るのがちょっと大変で(苦笑)。『それなら、自分で作ろう』と思ったのが、この道に進んだきっかけです」
それ以来、様々な食材を組み合わせ、失敗を繰り返しながら、自分の舌を信じて作ってきたタコスが、今、メニューにある15種類以上のタコスです。
店主・杉林さん「もちろん、メニューに載らなかったものも倍以上ありますが、食材と食材のかけ算によりおいしさを引き出せたときは、とてもうれしいですね。トルティーヤの上で繰り広げられる、意外な食材同士の出会いを、ぜひ楽しんでください」
「Pkpk salad」(450円)などサイドメニューも用意。新鮮なパクチーとプリプリのしらすは、塩とオリーブオイル、酢で和えるだけで、もうおいしい
調味料は塩だけ。素材の持ち味を生かす様々な工夫を
「PKPK TACOS」では加工品は一切使わず、トルティーヤから具材、サルサ、トッピングまで、すべて手作りしています。
サルサは辛いもの、辛くないものの他、キウイやマンゴーのサルサも用意。トッピングはオニオン、コリアンダー、ライムがあり、基本的に杉林さんが素材に合わせて、おすすめのソースとトッピングをかけた状態で提供してくれます。
トルティーヤは、注文を受けてから一枚一枚焼き上げ、さらにもう一手間かけて蒸らすことで、しっとりとした柔らかい状態を実現しています。
店主・杉林さん「当店のトルティーヤは、口に入れた瞬間と最後に鼻を抜けていく、トウモロコシの香ばしい香りが自慢。ぜひ、できたての状態で味わっていただきたいです」
「クリームチーズと無花果のタコス」(550円)。季節によってフルーツがシャインマスカットやあんぽ柿に替わる
味付けに関しては、調味料は基本的に塩しか使わないのがポイント。味付けがシンプルなぶん、素材自体の味わいが重要になってきます。
店主・杉林さん「旬のいい素材を厳選し、タマネギやニンニクなどは皮ごと火にかけて味を引き出したり、ハーブで香り付けしたり、焦がすなどの調理法でスモーキーな風味をプラスしたりと工夫しています。タコスは口の中で一つになって初めて完成するもの。だから、一体となったときにおいしくなるよう、計算して味を組み立てています。特に、味付けが濃くなりすぎるとトウモロコシの良さが消えてしまうので、そこはとても気をつけています」
「トルティーヤチップス」(450円)。2種類の自家製トルティーヤを、カリッと揚げたてでどうぞ
「まるでお寿司屋さんみたい」は、最高の褒め言葉!
喫茶店「バンカム」だった空間を受け継ぎ、リノベーションによって杉林さんが新たに設けたのがカウンターです。営業時間になるとそのカウンターをお客さんがぐるりと囲み、中に立つ杉林さんは、お客さんに食の好みや今日の気分などを聞きながら、一人ひとりに合ったタコスを提案していきます。
その姿を目にしたお客さんの多くは、「まるでお寿司屋さんみたいですね」と言ってくれるそう。
店主・杉林さん「私のタコスは、カウンター越しに味わっていただくのが、一番おすすめです。今日、何を食べようか決められなくても大丈夫。何も気にせずお越しください。お肉が食べたい、野菜が食べたいなど希望を伺いながら、その日のあなたにとってベストなタコスをお出しします」
カウンターでは、トルティーヤを焼いたり、具材やトッピングを盛り付けたりする様子も目の前で眺めることができます。ぜひ、そんな特等席で、「PKPK TACOS」でしか味わえない、個性豊かなタコスを堪能してみてください!
店主・杉林さんにインタビュー
――東京・北千住ではどのくらいの期間、タコス専門店を?
2020年から2023年の約3年間、ミュージックバーを営む友人と共にタコス専門店を営んでいました。その前の1年間は、関東近郊を中心にいろいろな場所でポップアップを展開。実は、喫茶店「バンカム」さんでもポップアップをやらせてもらったことがあって、今こうして場所を受け継がせてもらい、とても縁を感じています。
――タコス専門店をやろうと思った理由は?
吉祥寺にあったタコス専門店で、食材を自由に組み合わせたタコスのおいしさに感動したことが、やっぱり大きいですね。それ以降、東京の街でヴィーガンやベジタリアンなど、世界の食の潮流を肌で感じながら、私にしか提供できないタコスを追求してきました。名古屋でお店を始めるにあたり、どんなタコスのお店があるか調べてみましたが、私のようなスタイルの方はまだいらっしゃらない。だからこそ、広めがいがあるなと感じました。タコスは、本当にいろんな食材をのせて楽しめるので、「こんな味わい方があるんだよ」と、この場所から多くの人に広めていきたいです。
WRITER
Sugiyamaメキシコでは主食であるトルティーヤの上に、お肉や魚、野菜など様々な食材をのせて楽しむタコスは、まさに日本のお寿司みたいだなと感じました。しかも、トルティーヤはフルーツやチーズなどともよく合い、より幅広い味わい方ができます。今回、「PKPK TACOS」さんを取材させていただいたことで、私自身もタコスの概念が大きく変わりました!
PKPK TACOS(ピーケーピーケー タコス)
場所
愛知県名古屋市千種区今池5-12-5 2F
営業時間
18:00〜深夜
定休日
日・月曜
駐車場
なし
支払方法
カード・電子マネー不可
Instagram
@pkpktacos
アクセス
地下鉄「今池駅」より徒歩で約3分
撮影/千葉亜津子
※価格は税込み表記
※掲載内容は2025年7月時点の情報です