毒を持つのは確実でも成分は不明なシソに激似のヤバい葉っぱとは?【眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話】
シソに激似のヤバい葉っぱ[アジサイの毒]
毒を持つのは確実、だが成分は不明
私たちが普段見かけるアジサイは、太平洋側の主に沿岸部に自生するガクアジサイを原種とした園芸品種です。これらにヤマアジサイなどを加えたのがアジサイ属で、そのなかには有毒成分を持つ種類があります。ただ、有毒なのはわかっていても、その成分は今のところ明らかになっていません。
植物が持つ自然毒に、青酸配糖体というものがあります。摂取により体内で分解してシアン化水素(青酸)を発生させる化合物で、アジサイにもこれが含まれているというのが定説とされていました。しかし現在では、可能性のレベルにとどまっています。
ともあれ、園芸品種のアジサイもなんらかの毒を持つのは確かで、口にすることにより嘔吐やめまい、顔面紅潮といった中毒症状を起こします。重症例は報告されていませんが、小さな子どもではより重篤な症状を生じることも考えられるので注意が必要です。
アジサイの誤食で最も多いのが、刺身のツマなど料理の飾りとして使ったものをつい口にしてしまったケースです。アジサイの葉はシソの葉によく似ているため、料理に添えてしまうことがあるのです。毒の成分が明らかになっていないこともありますし、危険なのでアジサイの葉を食卓にのせるのはやめておきましょう。
正体不明の毒を持つアジサイ
園芸植物として身近なアジサイだが、その葉がシソの葉に似ていることもあり、料理の飾りとして食卓にのぼることがある。重症例はないが毒の成分は不明であり、決して口にしないように。
甘茶でも食中毒が起きる!?
花祭り
花祭りでは参拝者が誕生仏(釈迦の誕生時の姿をかたどった仏像)に甘茶を注ぐ。
甘茶
乾燥させたアマチャの葉を煎じたもの。甘みがあり、薬用としても飲まれる。
ガクアジサイの変種アマチャ(甘茶)は昔から飲用、薬用のお茶として親しまれているが、花祭りで甘茶を飲んだ子どもが中毒症状を訴えた事例が何例か報告されている。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』監修:船山 信次