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環境への意識「路面ソーラー」から 敷地内に201枚 名張の事業所

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路面ソーラーの上を走る乗用車=名張市滝之原で

特殊樹脂コートで車通行可

 医薬品などの製造工程で使うプラスチック包装資材を生産している三重県名張市滝之原のZACROS株式会社(本社・東京都文京区)三重事業所の敷地内通路の一角に、国内ではまだ珍しい路面ソーラーが設置されている。

 路面ソーラーは、既存の駐車場や道路などに取り付けることのできる太陽光発電設備で、表面が特殊な樹脂でコーティングされており、その上を自動車や歩行者が通行できる。

国内では実証段階

 一般的に太陽光発電設備は、斜面地や建物の屋根などに設置されるケースが多いが、路面への設置は強風などに強いという特長があり、注目されているという。しかし、道路への埋め込みコストやエネルギー効率の面では課題も多く、国内ではまだ実証段階と言われている。

 今回設置された路面ソーラーは、約200台収容の駐車場から工場の正門に通じるアスファルト通路の2か所で、縦121センチ・横70センチの太陽光パネルが計201枚埋め込まれ、延べ面積は約206平方メートルになる。パネルはフランス製で、同社のグループ会社のフジモリ産業株式会社が購入し、設置も請け負った。

201枚のパネルを使った路面ソーラー=同

 総務課の潮建太さんは「道路に埋め込むことで、土地を有効活用して自然エネルギーを利用することができ、CO2の削減に貢献するとともに、環境への意識向上を目指している」と話す。

 国内に7つの事業所がある同社では現在、2030年に向けてグループ全体でCO2と産業廃棄物、VOC(揮発性有機化合物)削減に取り組んでいる。

「身近な改善 少しずつ」

 潮さんは「これらを一気に削減することは難しい。照明のLED化やプラスチックの回収とリサイクル率の向上など、身近な改善を少しずつ加えていく。その積み重ねが大事で、路面ソーラーの取り組みもその一環」と話した。

 ワクチンやバイオ医薬品の需要拡大に対応し、製造工程で使う包装資材の増産を図るため、昨年11月に新製造棟が稼働。新棟建設を機に、全社に先駆けて路面ソーラー導入に至ったという。

 現在、自家用車で通勤している新棟と旧棟の従業員約120人は、毎日この路面ソーラーの上を通行しているが、初めて立ち寄る取引業者などからは「これは何のパネル?」という驚きの声も多いそうだ。

設置の経緯などを説明する三重事業所のスタッフ

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