静岡県は恵まれている!? 電気代6月使用分から値上げ 大手電力会社8社で過去最高
■大手全10社で値上げ 東電と中電以外の料金は過去最高
大手電力会社10社は6月使用分(7月請求)の家庭向け電気料金を発表した。全ての会社で値上がりとなり、東京電力と中部電力を除く8社が今までで最も高い金額となった。中部電力の上昇金額は10社の中で最も小さかったが、5月使用分と比べて標準家庭や346円の値上げとなる。
電気料金には「規制料金」と「自由料金」、2つのプランがある。規制料金は値上げをする際に国の認可が必要で、自由料金は電力小売りの全面自由化の後に導入された。大手電力会社は規制料金をもとにして、1か月当たりの標準家庭の電気料金を算出している。
6月使用分は全10社が値上げを決めた。最も上昇額が大きかったのは沖縄電気の616円、最も小さかったのは中部電力の346円だった。大手10社の電気料金と上昇額は以下の通りとなっている。
【6月使用分の電気料金】
・北海道 9523円(+409円)
・東北 8855円(+419円)
・東京 8930円(+392円)
・中部 8691円(+346円)
・北陸 7758円(+402円)
・関西 7664円(+468円)
・中国 8514円(+453円)
・四国 8595円(+460円)
・九州 7551円(+450円)
・沖縄 9663円(+616円)
■燃料価格は下落も政府の補助金打ち切りで値上げ
東京電力と中部電力を除く8社は、比較可能な範囲で電気料金が過去最高となった。静岡県は富士川から東側が東京電力、西側が中部電力と管轄が分かれている。今回は他の電力会社と比べて値上げ幅が抑えられた。
電気料金は火力発電の燃料となるLNG(液化天然ガス)や石炭などの輸入価格をもとに、毎月見直しが行われている。燃料価格は下がっているにもかかわらず、電気料金が値上げとなった要因は、価格の上昇を抑える政府の補助金が6月使用分から廃止されることにある。5月分の補助金は1キロワット当たり1.8円だった。補助金を打ち切った理由について、林芳正官房長官は「LNGや石炭の輸入価格がロシアのウクライナ侵略前と同程度に低下したため」と説明している。
大手都市ガス4社も全社で値上がりとなった。東京ガスと大阪ガスが5月使用分と比べて121円、東邦ガスは117円、西部ガスが95円上昇する。標準家庭の1か月当たりのガス料金は東京ガスが最も安い5977円、東邦ガスが最も高い6795円となっている。
電気料金は4月にも、再生可能エネルギー普及を目的に上乗せする賦課金が引き上げられている。電気は生活に不可欠であり、これからの時期はエアコンの使用頻度が増すだけに、家計の負担は大きくなる。
(SHIZUOKA Life編集部)