「青春18きっぷ」の買い方、使い方から覚えておきたいテクニックまで。JRのお得なきっぷで旅に出よう!
全国のJR線の快速・普通列車が乗り降り自由となる「青春18きっぷ(以下18きっぷ)」。知っておきたい使い方のキホンのキからお得な使い方、さらに旅の可能性を広げるトクトクきっぷとの組み合わせまでを徹底ガイド。18きっぷを使って、この夏をもっともっと楽しもう!
まずは知らなきゃ! キホンのキ
●JR6社の快速・普通列車の普通車自由席が乗り降り自由(有効期間は乗車日当日限り)
●BRT(バス高速輸送システム)とJR西日本宮島フェリー(*)も利用できる
*現地にて別途、宮島訪問税(100円)の支払いが必要です
●1枚のきっぷで5回(人)利用できる。複数人で同時に利用可能(同一行程に限る)
●ねだんは1万2050円(おとな・こども同額)。1回あたり2410円
●夏の発売期間は2024年7月10日~8月31日、利用期間は2024年7月20日~9月10日
●全国のJRの主な駅(窓口・券売機)、JRの旅行センターおよび主な旅行会社で発売
これってどうなの? 18きっぷのプチ疑問
改札はどうやって通ればいい?
18きっぷは駅員のいる有人改札できっぷを見せる必要がある。最初の駅でスタンプを押してもらい、下車時や再乗車時には日付スタンプの入ったきっぷを見せればOK!
終電に乗ったら日付を超えてしまう! どうしよう?
東京・大阪の電車特定区間なら、終電まで利用可能。このほかの路線は、日付を超えて最初に停車する駅まで利用できる。
覚えておきたいお得テク
お得な数字は2410!
一日あたりの運賃は2410円。片道なら141km、往復だと71km以上(地方交通線のみなら片道129km・往復65km以上)利用すればお得となる。例えば、東京駅から京都駅までの移動(快速・普通列車で約9時間)に使用すれば、普通運賃が8360円なので5950円もお得に!
早朝から深夜までの体力勝負となるが、東京駅から新山口駅まで普通運賃で1万2870円のところ、18きっぷを使えば2410円で行くことができる。
グリーン車や観光列車にも乗れちゃう?
首都圏エリアを中心に運転される快速・普通列車のグリーン車自由席に限り、別途グリーン券を購入することで利用が可能。また、快速・普通列車として運転されるSL列車・観光列車も指定席券を購入すればOK! 特例として下記の区間内相互発着に限り、特急列車の普通車自由席に乗車できる。
※ 石勝線 新得~新夕張間、奥羽本線 新青森~青森間、室蘭本線 室蘭~東室蘭間、宮崎空港線 宮崎~宮崎空港間、佐世保線 早岐~佐世保間(石勝線 新得~新夕張間と室蘭本線 室蘭~東室蘭間は、普通車指定席の空席利用)
組み合わせ次第で旅は自由に!
新幹線で北海道まで!
本州と北海道は北海道新幹線で結ばれているため、18きっぷのみでは利用できない。別に奥津軽いまべつ~木古内間の新幹線と、木古内~五稜郭間の道南いさりび鉄道がセットになった「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」(片道2490円・有効期間1日間)が必要となる。
北海道に渡る場合は、津軽線の津軽二股駅に隣接する奥津軽いまべつ駅に向かい、新幹線に乗り換える。北海道から本州へと渡る場合は、もちろんこの逆。津軽線の列車と奥津軽いまべつ・木古内の両駅に停車する新幹線の発着時刻を調べて、青函トンネル通過の攻略プランを作成しよう!
※7月1日現在、大雨の被害により津軽線 蟹田~三厩間はバス代行輸送を行っている
第三セクター線も駆使しよう
新幹線の開業により、JRの並行在来線で第三セクター線に転換された路線は、基本的に18きっぷでは乗車できなくなった。特例として、JR線へ通過利用する場合に限り乗車を認めている区間があり、その区間を通過するときは18きっぷのみで乗車できる。
ただし、特例区間内での途中下車や、特例区間を越えての第三セクター線乗車の場合、乗車する全区間の運賃が必要となるので注意したい。
18きっぷ +トクトクきっぷで、 旅の可能性は無限大
JR各社内のエリア内での乗り降りには、18きっぷよりもお得になるトクトクきっぷがある。長距離の移動は18きっぷ、エリア内ではトクトクきっぷと使い分けるのも手だ。
エリア内のトクトクきっぷには、第三セクター線や私鉄、地下鉄なども乗り降り自由という使い勝手がよく、お得度の高いものがある。利用期間・利用日が限定されているものがあるが、自分の旅行日程に合えば利用してみよう。
おすすめの組み合わせ例
■東京発 新潟エリアをお得に制覇
東京〜越後湯沢間を18きっぷ、越後湯沢駅で「えちごツーデーパス」2800円を購入し、北越急行線・えちごトキめき鉄道線も利用して新潟県を2日間満喫! 3日目から再び18きっぷを使用すれば、新潟県エリアをお得に楽しめる。
■夏休みは九州で乗りまくる!
名古屋駅・大阪駅から18きっぷで九州に入り、翌日から「旅名人の九州満喫きっぷ」(3回利用1万1000円・1回1日間有効)で、JR・第三セクター線・地下鉄・私鉄・路面電車を利用して九州の旅を満喫! 復路は再び18きっぷで大阪駅・名古屋駅に戻るのもおすすめ。
「デジタルJR時刻表Lite」で18きっぷ旅の行程も手軽に検索
スマートフォンを持ち歩く人に便利なのが「デジタルJR時刻表Lite」。路線図から文字入力せずに経路を検索でき、検索結果から時刻表を表示できる。「18きっぷ検索」を使用すれば、18きっぷを使った行程もらくらく検索!
全国の鉄道の運行情報も確認できるなど、便利な機能や情報が盛りだくさん。14日間全機能無料で試せる(初回インストール時に限る)ので、さっそくダウンロードして、旅のおともに。
●ダウンロードはApp StoreまたはGoogle Playから。料金は7日間160円、1カ月(自動継続)360円
文=結解喜幸 イラスト=飯田研人
『旅の手帖』2024年7月号より